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「テスターちゃん」で学ぶソフトウェアテスト④

「Qiitaに書いてた記事をnoteに移行しよう」シリーズと言うことで、Qiitaに投稿している記事の掘り起こしとなります。また、内容の整理も行う予定のため、Qiitaに投稿した記事をそのまま移行する形とならない場合もあります。ご了承ください。

■Archives

■ふりかえりって大事

・ふりかえりって何?

やったことをフィードバックして、次回への糧とすること。
やらないと3歩進んで2歩下がるようなことが起きることもある。

・ふりかえりをやらないとどうなるの?

・やったことを忘れる。
 →成功体験も失敗もフィードバック出来ない。
  経験わかったことが放置されてすっかり忘れる可能性もある。

・チーム内の気づきが共有できない。
 →場がないと共有されないことはよくある

・ふりかえりの大切な役割

・やったことをフィードバックする。
・効率よくみんなの気づきを共有・フィードバックする。
・フィードバックからこれから取り組む課題をはっきりさせる。

次からこの課題に取り組むことで、悪かったことを直したり、新しいことに挑戦したりして、より一層成長できる。
→カイゼンを回すという言い方もする。

逆にカイゼンしたいのにふりかえりをしないと、自分たちのどこがよくなかったのかわからないし、次はやったほうがいいこともわからないため、カイゼンが回らなくなる。

※ふりかえりがただの感想会にならないようにも気を付ける。

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なんとなくのふりかえり会をしないように気を付けるためには…?

↓ ↓ ↓

■KTPのやり方

・KTPって何?

ふりかえりの手法の一つ(他にもさまざまな手法がある)。
KeepProblemという面でふりかえり、Tryで次につなげる。
※ケプトと読む。

【Keep】
・これからも続けること
・よかったこと

【Problem】
・困ったこと
・問題点

【Try】
・次試したいこと

・KPTの全体的な流れ

①前回の確認(前回のTryはKeepになったか)←2回目以降の場合
②Keepを出す
③Problemを出す
④Tryを出す
⑤TryをActionに落とす

全体ルールについて

当事者意識が大切。
②人の話を遮らない。

・実際にやってみよう〜Keep編〜

・Keepから出していく。
 *時間的には10〜15分くらい。
これからも続けることよかったことを付箋に書く。
 *一つの付箋に一つのことを書くこと。
・ 最初は黙々タイム!個人でKeepを出してみる。
 * ここで他の人と話をすると人の意見に自分の考えが引っ張られてしまう。
・ 書き終わったらみんなで共有。
 *声を出しながら貼り出す。
・ 最後はグループ分けを行う。
 * 自分たちがどこに注力しているかわかり易くなるため。

・実際にやってみよう〜Problem編〜

・Keepと同じように黙々タイムをしてから貼り出す。
・貼り終わったらグルーピング。
 *どんなところに問題意識が向いているのかわかる。

【Problemを出す時の注意点】

・〜していない
・〜過剰

これだとTryの時に反対にしただけの意見が出てしまう。
具体的に書いた方がTryが考え易くなる。

[EX]
テスト計画をちゃんとしなかった。
↓ ↓ ↓
当日連絡だったため準備期間が足りず、テスト計画の作り込みができなかった。

・個人攻撃をしない
・悪口を言わない

・実際にやってみよう〜Try編〜

・時間的には15分くらい。
Keepをより良くすることProblemをカイゼンすることやってみたいことを出す。
・他の工程と同じように黙々タイムをしてから貼り付ける。
Keepをより良くするTryは忘れがちなので、これも意識すること。
・Problem→Tryの場合は、原因を少し考えて解決するTryを出すほうかいいかも。
 *「〜してない」を「〜する」に変えるTryもいい、だけど…。
 *良いことを伸ばすTryも必要→強みをより伸ばすことも考える。
・Tryを出したら、どのTryに取り組むかを決める。
 *難しい=効果があるではない。
 *最初のうちは簡単に出来るけど、効果がありそうなものを1〜2つ選んでやってみる。
 *この選んだTryが出来ると次回のKPT継続のモチベーションにもつながる。

KPTは継続がとても大切。

【優先順位について】
緊急度と重要度で優先順位をつけるのもアリ。

・実際にやってみよう〜2回目以降編〜

2回目からが大切。
→1回だけだと真の効果を発揮しない。

定期的に行なってカイゼンを回すことが大事。

【2回目からは…】
開始する前に前回からの確認を入れること。
→TryがKeepになっていたらKeep側に移す。
 続けていくといらないものも出てくるが、そういうものは外す。
 Keepで習慣化したものも外す。

ProblemからTryへ、
TryからKeepへ、
そしてKeepからそのチームのベストプラクティスになっていく。

まずはKPTを繰り返すことから始めていく。
→いいチームの第一歩となるかもしれない。

■YWTでふりかえり

・前置き

テスターちゃんのブログでふりかえりが取り上げられたのは2018年ですが、その後の2020年に「クリスマススペシャル」としてふりかえりの技法の一つであるYWTについての記事が追加されました。
書籍的には同人誌版の7巻で取り扱っている内容なので順番的にはもっと後での取り扱いとなるのですが、今回はふりかえりがテーマの回なのでこちらも併せてまとめてみようと思います。

・YWTって何?

ふりかえりの手法の一つ。

・Y=やったこと
・W=わかったこと
・T=次やること

の3つでふりかえる方法。

「どんな経験をしたのか」「それにより得た学びや気付きは何か」「アクションは何か」と言う順に質問していくシンプルな方法である。

・Y(やったこと)

何をやったか思い出して書き出す。
やったことを出来るだけ思い出すようにする。
ふりかえり会で使う場合は対象期間の中で「やったこと」を思い出す。

・W(わかったこと)

気付き・学びなどを書く。
やったことを見ていくと思い出すこともある。
やったこと以外の気付きも書いてOK。
チームやメンバーが「やったこと」から学んだこともあれば積極的に出すこと(=フィードバック)。

・T(次やること)

気付き・学びから、次にやること・次に活かすことを書く。

・YWTの使い方

YWTを使ったふりかえりはシンプルなので、プロジェクトのふりかえり会の手法として使う以外にも、
・業務の日記
・ワークショップやセミナーなどの後に学びのふりかえりとして使う
と言った使い方もアリ。

・KTPとの違い

KPTとYWTは似たような手法であるが、違いはある。

KTP=問題解決に目が向きがち。
YWT=学びを次に繋げるような成長のニュアンスが出し易い。

■手法は他にもある

もちろん、この2つ以外にもふりかえりの手法はあります。
後述する「ふりかえりガイドブック」と言う本では20個の手法が紹介されていますが、他にもあるでしょうし(本文に100を超える手法があると記載されている)、本が出版された後に新しい手法が生み出される可能性もなくはないと思います。

日本ではKPTが有名とのことで、自分もKPTを使ったふりかえり会の経験しかありません。

しかし、1つの手法にこだわるのではなく、とある状況では他の手法を使う方が相応しかったり、複数の手法を組み合わせたり、マンネリしたり飽きた場合など時には別の手法でもやってみたりすることも大切かと思われます。
つまり、いろんな手法にどんどん挑戦していき、取り入れられる所を探していく必要があるのではないでしょうか。

■参考文献

「ふりかえりガイドブック」は電子書籍版、ふりかえり読本シリーズはPDF版もあります。

ふりかえり読本シリーズはまだ入手していないのですが、過去にいた案件で開発の方のデスクの上に書籍版が置かれていたのを偶然見かけたことがあり、それが今でも印象に残っています。



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