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2022京大前期 古文問題の研究①

問一 「歌合」を「いと浅ましきわざ」だと言うのはなぜか説明せよ。
「和歌」の本質について、「それ歌は~和らげとなすなるを」(3)
「歌合」のありかたについて、「かたみに~争ひすなるを」(3)
「歌合」の弊害について、「歌の道の大きに廃れにしは」「歌のさまも悪しうなりぬ」を説明する。(4)←ここが盲点!
「いと浅ましきわざ」とは、歌合の弊害に対しての言葉であることに
気づかなければならない。

※「説明」だと、単に傍線部が承ける部分だけではなく、視野を拡げて、本設問だと、「歌合」の和歌に与えた弊害まで 言及すると差がつく答案になるだろう。

《解答例》
和歌は、本来は喜怒哀楽を発散し、人の心を穏やかにするものなのに、
歌合では、和歌の優劣を競い合うことになり、
歌道も衰え、和歌のあり方も感心しないものになってしまったので。

Sの解答
和歌は、歌人の喜怒哀楽の感情に応じてその思いを晴らし、人の心を和ませるものであるのに、歌合は互いに和歌を詠んで競い合うことをするから。

Kの解答
歌は喜怒哀楽などの感情を詠んで、その思いを晴らし、聞く人の心を和ませるのが本来のあり方だが、歌合の歌は互いに詠み競うことで、そこから外れたものになるから。

Yの解答
和歌は人の気持ちをなぐさめ心を穏やかにするものなのに、それを
忘れて優劣を競い合うようになった結果、歌道がすたれ歌の品格も低くなってしまったから。

どの、解答例が妥当かは言うまでもないだろう。
京大を舐めてはいけない。速報だからと言ってこんな安易な解答を
発表する神経を疑う。「心を遣る」の理解もお粗末、「喜怒哀楽」のうち「喜」や「楽」を「晴らす」というか?

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