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雪を喜ぶ


 朝から雪が降っている。

 空一面、分厚い灰色の雲で覆われて、北西から吹く、伊吹おろしと共に、細かな雪がどんどん降ってくる。いや、飛ばされて、やってくる感じかな。パート先の子どもたち、喜んでいるだろうなぁ。

 2日前は最高気温が15度、昨日は9度。今日は、3度の予報。まだ、地表があたたかいからか、雪はすぐに溶けてしまい、あまり積もってはいない。今日の夜から積もるかな。

 雪の中を歩いた。空を見上げ、降る雪を眺め、雪がうっすら積もった景色を楽しんだ。きれいだなぁ。あちこち写真を撮りたいと思ったが、風が強く、傘が飛びそうになり、安定して写真が撮れない。

 ふと、田んぼを見ると、刈り取られた稲の株にも、雪がうっすらと積もってきている。そこに、30羽くらいのすずめの大群がいた。何してるのかなと思って、しばらく見ていたら…

 おしくらまんじゅうをしてるこや、雪にダイブしてるこもいる。もみあい、おっかけっこ。そんなふうに、あっちこっちに飛び回る様子から、とても喜んでいる感じが伝わってきた。楽しそう。人間の小さい子みたいだな。雪が降るの、珍しいものね。風が強くても、雪でも、寒くても、元気だなぁ。

 うちを出てから、30分ほどが経った。うっかり手袋を忘れたため、手がかじかんで、痛くなってきた。トレッキングシューズは履いてきたから、足元はあったかく、滑る心配も少ない。けれど、帰った方がよさそう。

 足元に気をつけながら、うちの前まで来たら、畑にはかなり雪が積もってきていた。ふかふかの雪に、大根も人参も、いちごもネギも埋もれている。

 うちに入ると、しばらくして、息子が起きてきた。おはようも言わず、すぐにカーテンをまくる。

 朝ごはんを食べ、素早く身支度を整えて、「雪だるまの目になるものちょうだい」と言うから、黒いボタンを2個渡したら、外へ飛び出して行った。ここにも、雪を喜ぶ人がいた。


手のひらサイズ

 息子のミニミニ雪だるま。

 次は、どでかいのを作るそうだ。どれだけ、雪は積もるだろうか。



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