『うつわの歌』
雨の日が続いている。ミストのような雨は柔らかく、全てを潤しているようだ。一雨ごとに暖かくなると思いきや、北風が強く、肌寒い日が多い。身体がだるい。しゃっきりしない。
そんなとき、ふっと、一編の詩の冒頭が浮かんだ。
わたしはうつわよ…
どこで読んだっけ。記憶を辿る。
そうだ!『うつわの歌』精神科医である、神谷美恵子さん作。
本棚にある、神谷さんの著書『生きがいについて』を見直すが、見当たらない。ネットで探すも、全文はない。まだ、本棚に入れていなかった、『100分de名著 神谷美恵子』を取り出した。そこに、あった。元々、この詩は、『うつわの歌 新版』に掲載されていたものらしい。
今のわたしは、この歌に惹かれる。ここにかかれていること、よくわからない。ただ、神谷さんの言葉が好きで、そうなんだろうなって思う。それから、雨のように、愛が絶え間なく降り注ぐ様を想像すると、右胸があったかくなるんだ。
よくわからないのに、不思議。いや、わからなくても、いいか。わからなくても、あたたかなんだから。いつか、この詩のほんの一部でも、わかる日が来たら、うれしいだろうなぁ。まぁ、わからないままでも、いいけれど。
声に出して読む。
心地いい。
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