静かにおしゃべりしよう
一対一で話す時、特に面談のような状況では、声を柔らかく、声量を抑えるようにしている。
ちょっと前に地震があった時、大声で、ネット上の情報を周りに知らせる人がいたりして、地震よりもその声にしんどくなってしまった。元々声が大きい人なんだけれど、いつもに増して声が大きくなって。興奮してるんだなあって声で、キンキンと響く。そして、多分、その自分の声で、さらに興奮状態になっていくという。
お願いだから、声を抑えてほしい、って思って、結局は、こっそり耳栓をしてしまった。
この場所で、大きな災害に遭遇するのだけは嫌だ、と心底思った。
声の使い方、言葉遣いはとても大事だ。
大きな声や、強い口調は、相手を威圧して、素直な思いを引き出せなくなってしまう。
暴力と同じ、だと私は思っている。
声って、空気を震わせることだから。
地震の時は、大地が揺れた上に、空気も激しく揺さぶられ続けて、気分が悪くなったのだと思う。
これを神経質だという人もいるだろうけど、それは違う、と反論したい。
言霊という言葉もある。
人間が発する音は、単なる物理的な音ではないのだ。
そこには、「こっちを見てほしい」「寂しい」「怒り」「大丈夫だよ」、いろんな情報が入っている。つまり、それを聞く人に、そういう情報を発しているのだ。
地震の後の、興奮を表す声は「私は興奮している」「みなさんもご一緒に」に聞こえた。こんな時こそ、静かに話さないと、事態を悪くするんですが。
自己主張をしたい、自分の声を聞かせたい、という人の声は、聞いていて、とてもしんどい。ひとりでいられず、他者を自分のために使いたいという声だからだ。
自分の状況を変えたいと思うとき、自分の声の出し方を見直すといいと思う。
ここでは声の大きさで人を威圧してしまうことばかり書いたが、その逆も多い。
ただ、変えようとする時は ちょっとした練習が必要だし、ひとりでこれをするのは難しいところがあるけど。そもそも、自分の声が大きいってことを一番知らないのは、本人だったりするし。
まずは、いろんな人の話し方に、声の出し方に、耳を傾けてみよう。
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