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心の中で目の前にあるもの
僕の今の毎日の現実とは別に,心の中の現実があるみたいだ.
僕の心の中出目の前に広がっている風景は,
どんよりと曇った空で,時間はまだ太陽が高い位置にあるはずの時間.
少し高くて辺りを見渡すことができる場所ににいて,風が強く前から吹いている.
そこには文明がまだなくて,自然だけがある.川が流れている.そんなに高い木は生えていなくて,腰くらいの高さの植物たちが強い風になびいている.
奥にはあまり高くない山が見えていて,その山の方から強い風がこちらに向かって,まるで僕を試すかのように吹いている.
何かが今から起きるのだろうな.と僕は感じている.
僕以外に周りに誰もいない.僕は裸足だし,現代的な服というものは着ていない.多分縄文時代とかの昔の服とも言えぬ最低限の毛皮なのか,何かを身につけているだけだ.
この後に一体何が起こるのだろうか.
僕の心の中に見えるものは一体何なのだろう.
でもなぜか,これはきっとかつてどこかの誰かが体験したことであるということだ.と思う.
誰かの記憶なのだろう.
きっとすごく昔の誰かがの人生の一瞬だと思う.
以前,みずには記憶を伝達する力があると聞いたことがある.前世というものはないのだけれど,水という媒体によって,誰かの記憶,何かの記憶というものは僕らに伝達することがあるらしい.
人間は水無では生きていくことができない.
否が応でも誰かや何かの記憶と入り混じったその人の人生,目の前の現実と心の中に見えるもののごちゃ混ぜの世界を,実は生きているのかもしれない.
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