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質問力

「THE TIME,(ザ・タイム)」は、月~金曜日の朝5時20分~8時にTBS系テレビで放送されている情報番組である。その番組のなかに「全国中高生ニュース」という2分ほどのコーナーがある。

 朝6時50分ごろに放送されるこのコーナーでは、日本各地の中学生や高校生が日替わりでリポーターとなり、自校の「有名人」、部活動や生徒会活動、地元の話題などを紹介することになっている。

 現役の中高生の目を通して、学校や地域のリアルな姿を知ることができるコーナーであるとともに、報告をする生徒にとってはニュースキャスターやリポーターの役割を体験できる貴重な機会となっているのだ。


 今日(9月24日)の「全国中高生ニュース」では、三重県立松阪高等学校の伊藤圭吾さんが紹介されていた。伊藤さんは、パリ五輪でも話題になった近代五種競技の選手で、19歳以下の日本代表にも選ばれている有望株だ。

 近代五種では、1人でフェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃+ラン)に取り組まなければならない。番組内では、大会や練習で各種目に挑む伊藤さんの様子のほか、次の五輪から馬術に代わって新設された障害走「オブスタクル」のトレーニングをする姿も取り上げられていた。

 ちなみに、この「オブスタクル」はTBS系のテレビ番組「SASUKE」を基に考案されたものである。


 そんな伊藤さんの姿とともに印象的だったのは、コーナーの最後にリポーター役の女子生徒が発したこんな質問だ。

「もしも近代五種に6つ目の種目を加えるとしたら、何がいい?」

 この質問に対して伊藤さんは、
「(スマホの)フリック入力」
 と答えて笑いを誘い、しっかりとこのコーナーに「オチ」をつけていた。そんな名答を引き出せたのも、彼女の質問が優れていたからだろう。

「6つ目の種目」に何を挙げるかで、その人の特徴や考え方、ユーモアのセンスなどが浮き彫りになるのだ。実に巧みな質問だったと思う。

「THE TIME,(ザ・タイム)」のMCを務める安住紳一郎アナも、番組内でこの女子生徒のことを絶賛していた。

 将来、彼女がプロのリポーターになったとしたら、この質問力を活かして素晴らしいインタビューをするに違いない。

 また、学校の先生になったとしても、子どもたちの多様な考えを引き出す秀逸な「発問」をしてくれることだろう。

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