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「浴衣でお茶会婚活」に参加してみた

    NPO主催「浴衣でお茶会」婚活に参加してみた。二十歳以上、ということで私もいわゆる適齢期などはとっくの昔に過ぎているが二十歳以上に間違いはなし、枠内にありと、ちゃっかり参加してみた。

 大急ぎで姪から派手目の浴衣を借りて、姪に汗だくになって帯を結んでもらって車で大移動。地図を見ながらなんとかその場所に到着。

 主催者のあいさつ。
「我々の進めるシードプロジェクトですが、シードとは種のことをいいます。人のシード、野菜のシード、花のシード、人のシード。出逢いの種、社会の種。それを希望の種として育ててゆき、希望の種を蒔いて努力という肥料を与え、幸せという花を咲かせる一連のプロセスを通じてこのプロジェクトを実践していきたいと思っています」

    男性は十人、私の他に女性は二十代の女性が四人。男性はどう見ても二十代、三十代前半。私は彼らの親世代だろう。つり合いそうな年の人は誰もいないので場違いな感じだけどまあしようがない。
 最初のプログラムは「オープン ユア ハート」。男性の手首にねじったシュシュを掛けて上から鍵をかけてしまい、合う鍵を持った女性が開けて解いてあげるという趣向。そのとき、お互いに自己紹介をしあう。自己紹介するのも聞くのも焦って夢中。鍵が開かなくなるハプニングもあり、びったり合う鍵をみんなで捜しまくったり。

 その後は男子と女子はそれぞれの控え室で女性はメイクと着付け、男性は男子力アップの講習である。どちらも本職さんが来て、男子も着付けをしてもらえるし、アドバイスもあったり、楽しい時間を過ごす。

  本職の美容師さんが髪を結わえる輪になったシュシュを髪飾りの代わりに使って、手際よく髪をアップに結い上げる手際に感心した。その方は病院など、美容院に出かけられない病気の方にヘアカットなどをしていらっしゃる美容師さん。紐一本だけで帯をいろんな形に結ぶ方法を、お師匠さんから教わったのが着物の着付けにとても役立っていると話される。メイクもしてもらえて、控え室は花が咲いたように華やかだ。
 女性はメイクをして艶やかな浴衣を着ると若さが引き立つ。私も髪のアップとメイクをしてもらってそれなりに仕上がる。

 次の会場に向かう途中、車で送って下さったスタッフの男性が「この間から気になる子がいるんですよ」と、前回も参加して顔なじみになった私に気を許してなんとなく告白。おや、おや、私は、そっと見守りお助け役ですか。はいはい、機会があれば、さりげなく後押ししましょう。

    昼食は、トンカツに野菜一杯カレー。これは、スタッフの方が世話をし、近くの畑で取れた地場野菜。それに大盛りのフルーツ。お代わりもオッケーで、お腹一杯になるまで食べた。一緒になったグループのメンバーは婚活というより、サークルの仲間のように気軽に会話が弾んだ。スマホの操作を教えてもらったり。

 せっかくだからリサーチしようと「結婚したら、どんな家庭にしたいですか?」と聞くと男性の皆さん、一様に「楽しい家庭」「安らぐ家庭」前回と同じ答えが返ってきた。前回の婚活も聞いたら同じ答えが返ってきて、なんとなく女性よりも男性の方が家庭への強い想いを感じてしまう。
 一人の男性はもう、婚活を六年以上やっているが、これほど相手を捜すのが大変だとは思わなかったと小さな声で隣の私に本音を漏らす。一対一へ持っていくのがまず難しいとのこと。でも、その努力はきっといつか実を結ぶことだろう、続けたら努力は報われるはずだから。

  最後は、また別のグループに組み直して抹茶の点てだし。団扇にプリントされた「抹茶の点て方の手順」が楽しい。生まれて初めて体験する男子のぎこちない手つきに、お茶の先生をされている女性スタッフの方が、優しく指南をしてくださる。

「短絡的に相手のことを分かるのは難しい。本質的なことを知るのは一回や二回では。相手がわかってきたら思いやりも示せたりして。短所も長所に変えていけるような出逢いにしたいですね。巡り逢いというのはとても大切なものですね。この巡り逢いがずっと続きますように」
   スタッフの方の心のこもった声かけと共にみんなで輪になって握手をしあってお開きとなった。 

 その後で顔なじみになった年配のスタッフさんが、「あなたにつり合うような年齢で会社の社長さんをしている人を知っているんだけどよかったら会ってみる?」と持ち掛けてくれる。地域のネットワーク力は絶大だ、親切ですばらしい。

 私に合う年齢の男性はいなかったが、「愛があふれる一日にしましょう」というメッセージ通り、地域の方の手作り感満載で工夫と真心を感じる温かいイベントだった。

 

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