七月③
照りつける陽の下で、流れる水につかり、君をわすれ、暑さをしのんでいる。かげろうがじゃまする、ぼくの視界をじゃまする。去年は君と泳いでいたのに!
七月二十一日(日)
ネタ合わせ。夕方に集合して、一時間ほどで散会。私たちにしてはかなり終わるのが早いけど、暑さに負けただけである。
ショート動画を観ていたら、もう日を跨いでいた。たまにはショート動画を観る時間がないと、“創作”に呑まれて疲れちゃう気がする。言い訳である。
七月二十二日(月)
新宿・歌舞伎町スパークルにて、『ネタバトルスパークル 7-7』に、出させてもらいました。
めちゃくちゃ暑かったなあ。夕方に集まったのに、まだ昼下がりかと思うくらい暑かった。公園でネタ合わせ。小学生の集団が公園内をキックボードで走り回っていて、この子たち全員私立中学に行くんだろうな、と、高野と妄想を話していた。
漫才、楽しかった!漫才って、こんなに楽しいものだったんだ。もっと早く知りたかったなあ。観に来てくださった皆様、関係者の皆様、ありがとうございました!
七月二十三日(火)
アルバイト。素敵なお客さんが多い日だった。
レジ打ち、日用品や食品を買っていったお客さんには「またお越しくださいませ」、風邪薬や胃薬などを買っていったお客さんには「お大事になさってください」と言うようにしている。
でも、絆創膏や浣腸、目薬なんかを買っていったお客さんには、なんて言うのが正しいのか分からない。「お大事になさってください」で、合ってるのか??
七月二十四日(水)
相方が自転車を盗まれて落ち込んでいたので、ネタ合わせを電話で済ました。電話越しに「なんで俺なんだよ〜っ」と、嘆いていた。無様だった。
夜から、去年通っていたお笑いの養成所のライブを観に行ってきた。皆さん、面白かったです。
公演終わりに、観に来ていた同期とかと話していたら、なんか、部活とかにOBとして顔を出した時の、後輩たちがワイワイ盛り上がっていて居場所がない、あの気持ちを思い出した。逃げるように帰る。
何も成し遂げていないのに、パックの寿司を食べた。何も成し遂げていないのにパックの寿司を食べる、ということが非常に得意である。これに関しては、私の右に出る者はいない。未来永劫、現れることはない。
暑い夏の陽よ、どうしてのりきれば、このままではすべて流れて行きそうで、ぼくを呼んだ様な気がして、せみの声はひびく!
七月二十五日(木)
のそのそと出勤、アルバイト。退屈な日でした、強盗も宇宙人も髪の長いお化けも来店してこなかった。
あちこちオードリー(令和ロマンさん、Aマッソさん回)、めちゃくちゃ面白かった。旅行の話から急に怖い話になるむらきゃみさん、とても面白かった。
水曜日のダウンタウン(ドッキリの仕掛け人、モニタリング中にターゲットのエグい秘密知っちゃっても一旦は見て見ぬふりする説)、とても面白かった。きしたかの・高野さんがカッコよかったなあ。観ていただきたい。
七月二十六日(金)
払わなければいけないお金を払うことに成功、もう少しだけ東京にしがみついていられそうだ。支払いのために外に出かけたので、ついでに近くのスーパーに行ってお昼ご飯を買うことにした。
このスーパー、普段は夜に、半額になった弁当を漁るためにしか来ないけど、昼下がりなので所狭しと弁当が並べられていて、正直ビビった。一面、弁当が置かれていて、とても迫力があったんだよ!この店、寿司も売ってたんだね。ヴォーっ!
洗濯、掃除などを済ませる。風呂に入って、もらった入浴剤を試すなどする。普通だった。日記を書いていると、日記を書くために日々、行動をしているような気がして心がざらつく。
夜は、西新宿ナルチカにて、ゲレロンステージに出る。
ナルチカ、初めて行ったから「すごいところにあるな」という感想を抱いた。めちゃくちゃ暑かったけど、今日は湿気が少なくて良い暑さだと思った。観に来てくださった皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。
七月二十七日(土)
UNDER25(25歳以下しか出られないお笑いの賞レース)の、二回戦でした。
夕方に集まって、出番までかなり時間があるので、近くの公園をウロウロしていた。イマジンスタジオって、ラジオでしか聞いたことないけど実在するんだな。照りつける日差しが眩しすぎて、東京。
観に来てくださった皆様、ありがとうございました。もうちょっと上手いことできたかもなあ〜、と反省して、散会。
帰宅。なけなしのお金で購入した、スマホのワイヤレスマイクが届いていた。よく読まないで注文したから、ライトニングじゃなくてType-Cで、私のスマホでは使うことができなかった。俺はなんて愚かなんだ、と声を荒げて泣きじゃくった。
七月二十九日(月)
昼過ぎに起きて、ショート動画を観ていたら夜になっていた。夕飯を買いに出かける。
七月、何も夏らしいことしなかったなあ、と思いながら、ぷらぷらと歩いてみる。暑さに苦しめられた一ヶ月だった。
八月は、海を見に行こうと思っている。何かの間違いでお金がたくさん貰えないかと画策している。
七月三十日(火)
十二時間も寝た。バイトをする。帰宅。ニチレイの特からにハマっているので、レンチンして食べる。おいしい。
水道代とガス代を払わないといけないけど、払える予定がないので、支払いの用紙を机の上に置いたままにしている。このまま、“生活”の背景になる。
安酒をあおって、オンラインで麻雀と将棋を嗜んで寝る日々、着実に、確実に、“人生”が老化している。ただ、悪いこととは思っていない。
七月三十一日(水)
ゴミ出しに失敗。部屋にコバエが湧く日も、そう遠くはないだろう。部屋に溜まったペットボトルをまとめて、洗濯をする。
久しぶりに仕送りが届いていた。ダンボールの半分くらいがポカリスエットやオーエスワンで埋め尽くされていて、親からの「死ぬなよ」という思いだけが伝わってきた。
ネタ合わせをして、突然の雨に帰れなくなったのでアーケードをウロウロする。古着を見て、金があったらなあ、と叫んだりする。
高野は551円持っていて、550円のタバコを買っていた。残金1円の人の割には、元気だった。
あふれるくらい、たくさんの星の下、あふれる涙を必死におさえている。星もないてる、ぼくも涙止まらない。ゆすらないでくれ、さわらないでくれ。
あふれるくらい、こぼれる星の下、あふれる涙を必死におさえている。星もないてる、ぼくも涙止まらない。ゆすらないでくれ、さわらないでくれ!
小林優希
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