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進撃の巨人における“真実”の意味

「13万回目の真実」というチャンネル名の由来についてよく質問があるため、1本目の投稿はチャンネル名と進撃の巨人における「真実」についてまとめていこうと思います。

進撃の巨人における「真実」

この世に真実など無い それが現実だ
誰だって神でも悪魔にでもなれる
誰かがそれを真実だと言えばな

by エレン・クルーガー
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」22巻第88話

進撃の巨人において“真実”とは必ずしも事実を差しません。
私の進撃の巨人における“真実”の解釈は以下の通りです。

「真実 = 自分が信じたい物語」

このように定義すると、進撃の巨人はそれぞれが自分の中の“真実”を追い求める物語であるとも言えるでしょう。
Linked HorizonのRevoは完結編後編のOPテーマの歌詞でこのように表現しています。

虚勢を張って 虚構を生きる
真実が 現実に成るまで

Linked Horizon「最後の巨人」の歌詞より

エレンの"真実"が「巨人を駆逐すること」「誰もいない自由な世界を見ること」だとすると、エレンは虚勢を張りながらも"真実"を現実にすることができたとも言えます。

©️諫山創/講談社「進撃の巨人」22巻第88話

クルーガーがなぜこの発言をグリシャにしたかというと、グリシャ率いるエルディア復権派もマーレ治安当局も"真実( = 自分が信じたい物語)"を現実かのように発言していたことへの指摘のためでしょう。

エルディア復権派とマーレの主張の誤りを指摘するクルーガー
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」22巻第88話

①エルディア復権派の真実 = 始祖ユミルがもたらしたのは富だけ

①エルディア復権派の真実
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」21巻第86話

前半の「荒地を耕し〜橋を架けた」は初代フリッツ王も言っていた通り「事実」です。
しかし後半の「始祖ユミルがもたらしたものは富だ〜大陸を発展させたんだ」は古語の読めないグリシャの信じる「真実」です。
事実は「エルディア帝国は巨人の力で世界を支配していた」です。

②マーレ側の真実 = エルディア帝国に1700年間民族浄化された

マーレ側の真実
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」21巻第86話

エルディア人が無理矢理子を産ませてユミルの民を増やしたことはあったかもしれませんが、それが1700年間も続けばクルーガーの言う通りマーレ人は絶滅してることでしょう。
エルディア帝国がその名の通り帝国主義の国であるなら、マーレを植民地支配で留めるはずです。

ではなぜマーレは1700年間も民族浄化されたという史実にしたのでしょうか

事実 = マーレ人の方からユミルの民の血を求めていた

ユミルの民が世界中で増えた理由を話すキヨミ・アズマビト
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」31巻第123話

アズマビト家の持つ情報によると、エルディア帝国全盛の時代においてユミルの民のちを取り込むことが高貴の証となって、他民族の方からユミルの民の血を求めてユミルの民が増えていった歴史があります。

つまりマーレは自分達からユミルの民の血を求めていたことを隠蔽するために「エルディア帝国から一方的に民族浄化をされた」という真実を創り出したのでしょう。

この世に真実など無い それが現実だ
誰だって神でも悪魔にでもなれる
誰かがそれを真実だと言えばな

by エレン・クルーガー
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」22巻第88話

再びクルーガーのセリフを引用すると、始祖ユミルは
エルディア復権派が真実なら富をもたらした「神」
マーレ側が真実なら民族浄化をもたらした「悪魔」となりますが

両者の主張はどちらも"真実( = 自分が信じたい物語)"であり
現実の始祖ユミルは「自由と愛を求めていた少女」であり
それに気づいたのはエレンだけでした。

©️諫山創/講談社「進撃の巨人」30巻第122話

以上を含めたエルディア帝国の歴史と元年に起きた出来事については下記の動画で考察しています。

チャンネル名「13万回目の真実」について

私が運営しているYouTubeチャンネル名の"真実"もクルーガーと同じ文脈で使っています。

つまり「私の信じたい物語を投稿するチャンネル」という意味であり
しかも「130000通りの真実があったとしたら、その1通りに過ぎない程度の真実」を提供しているだけなので、あまり本気にしないでほしいという思いを込めています。

「13」という数は進撃の巨人を象徴する数のため使用しました。

「二十億光年の孤独」という谷川俊太郎の詩が好きだったため
「13」よりも大きな数である「13万」を選びました。
(しかし正直何度かシンプルさを優先して「13の真実」に変えようとしたことがあります)

また当チャンネルは、決して事実を整理する「解説」ではなく、真実を追求する「考察」の動画を投稿するというコンセプトですが、細かいコンセプトについては次回のnoteでまとめたいと思いま

引き続き、皆様の信じたい物語(真実)を追求していただけると幸いです。

結局みんな自分に都合のいい物語を信じたい
©️諫山創/講談社「進撃の巨人」30巻第122話

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