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パンチパーマな親父



小学2年生の朝、集団登校には7時40分頃集まる。それから学校まで歩いて30分かかった。
ある朝、真面目な正直ものの僕にパンチパーマの親父が言った。
「時計読めるようになったか!今何時だ?」
僕は固まった。小2にもなると時計は読めるのだが、親父に間違ったことを言うとかなり怖い。ビビりまくった。

「ひちじさんじゅうに。。。」
ちょっと待てよ。。。

秒針が進む。僕の答えと同時に親父が時計を見ると、秒針はきっと1〜2秒は狂う。間違いなく蹴られて吹き飛ぶ!

そう判断した僕はまた固まった。

それを見た親父は俺が時計を読めないのだと勘違いし、怒鳴り始めた。親父のイライラが背中に伝わってくる。

やばい。。。答えても、答えなくても怒られることを悟った僕はさらに固まった。そして祈った。「時よ止まれ!いや、秒針よ止まれ!」

しかし、どんどん容赦なく時は立っていく。。。

とうとう親父は「時計が読めるまで学校行くな!」と言い出した。
いや。。。もうすでに集団登校はいってしまっている。

しかし親父はまだ後ろに立っている。
どちらの忍耐が強いかの勝負になってきた。
僕はもちろん泣いている。

だってさ、言おうとしたら秒針が進むから。。。
最後まで言えない。。。

分かって欲しいが、この事に大人は気付くはずもない。大人の世界では秒針まで答える必要が無いらしい。
しかし、学校では先生から秒針もしっかり教わった。

武が悪いことに、この時計は確実に秒針が回っている。しかも、カチッ、カチッ、カチッと動くやつではなく、スーーッと音もなく回っていく。

これにはどう答えて良いかわからない。

そこでずっと考えた結果、僕はやっと蚊の鳴くような小さな声で、絶妙な完璧なタイミングでこう答えた。




「………くじ」


案の定、殺されかけた。



学校で教わったことは全てが正解では無い。社会に出た時がきっと答えなんだと思う。

子供達にはもちろんたくさん考えることをしてほしい。ズルく賢くなって欲しい。

ズルいとは秒針を読まない事では無い。
賢いとは秒針まで読む事でも無い。
この場合、集団登校に間に合うという事だ。

レゴのように組み立てられるが、パーツ1つ1つがデカい。
部屋が作れる実物大パズル。ヘヤニナールを開発しました。紙で出来ているので扱いはめっちゃ簡単。道具無しで全くオリジナルの部屋が作れちゃう。

親子で一緒に秘密基地を作って欲しい。出来れば子供達にはズル賢く大人を使って欲しい。

https://isudansyaku.com/%e3%83%98%e3%83%a4%e3%83%8b%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%ab/

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