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原材料としてのダウン(羽毛)〜ダウンウェア②〜

ダウンウェアはなぜ暖かいのか?

もう少し詳しくいきます。

原材料としてのダウンは水鳥(ガチョウ、カモ、アヒル)の胸部にある綿毛を指します。

なぜそのダウンが防寒性に優れてるかというと、以前にアルパカの回でも書きましたが優れた天然素材の例に漏れず、

『寒暖差の激しい厳しい環境化で生きてる動物の毛はすばらしい能力を持っている』

からです。

具体的なダウンの種類、原産地、クオリティ等については布団屋さんのサイトの力を借りたいと思います。

(アパレル業界よりも歴史が古くダウン自体のクオリティが布団の品質に直結してしまう業界なので、ダウンの良し悪しや品質についての情報・解説がわかりやすく詳しいです。ファッションアパレルブランドはどうしてもふわっとした説明が多い)

=原材料としてのダウンの種類、クオリティについてまとまった解説をしてくれているサイト=

※【注意】

・ダウンパワーというのは布団、寝具系に使われている基準。アパレルはご存知フィルパワー。でも同じような内容のかさ高基準の数値です。(空気をためる力になるので暖かさに大きく影響します)

・またゴールドラベルなども国内の寝具業界の独自の基準なので基本忘れていただいて大丈夫です(基準の中身は相当細かいのでダウンをガッチリわかりたい方は追求してもいいと思います)


=ダウンベルト地帯の場所、国別のダウンの特徴など書いてくれてます=


一応、簡単に要約しときます。

・ダウンは水鳥の胸部のタンポポの綿毛状の羽毛のことでダウンボールと呼ばれれます。(ニワトリなどの陸鳥の家畜にはダウンはない)

・ダウンにはスモールフェザーという軸付きのごく小さな羽根状のものが混ざります。(質の高いダウンは選別機でできるだけ取り除かれているがそれでも少し混ざる)

・フェザーの防寒機能はあまり期待できないが少量混じってることでウェアにハリが出てダウンボールが潰れるのを防ぎます。

・有名な原産地はポーランド、ハンガリー、フランス、ロシア、カナダ、中国など(ダウンベルトと呼ばれる緯度にある国が良質の原産国)

・ダウンボールが大きいほど空気をたくさん含んで保温力が高くなります。

・ダウンボールの綿毛を羽枝といいさらに小羽枝という細かい毛状のものが羽枝に生えていて湿度が上がると閉じ、湿度が下がると開くことで湿度調整します。

・ダウンウェアであれば着た人の
体温が上がって蒸気発汗して湿度が上がりすぎると小羽枝が閉じ、体温が下がって乾燥してくると開くので、この現象である程度の湿度調整と温度調整ができます。(保湿性、透湿性)

・ダックよりはグース、グースよりはマザーグースのダウンボールが大きいのが一般的

・とはいえ屠殺後の羽毛の処理のスピードややり方、羽毛の洗浄の精度なども重要なので一概にダウンボールの大きさだけで良し悪しは判断はできません。
(ピレネックスは農場のすぐ近くに工場があるので鮮度には相当の自信があると説明されてたのは覚えてますか?)


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ダウン自体についてこの先一生調べなくていいくらいわかりたい人は解説に力を入れているふとん屋さんのサイトを5〜6件見てください。

「だいたいダウンというものがどういうもので何をもって質の高いダウンといってるか」わかると思います。

と、同時にアパレル製品となって店頭に並んでるダウンウェアの中身のダウンの質を見極めるのが不可能だということにも気づきます。


ダウンは素の状態に近いままで使用される素材なので“出所・生い立ち“の良さが品質に比較的直結しますが、店頭の洋服を見ても“出所・生い立ち“は全然わからないからです。

ブランド、代理店さんサイドの説明を信じるしかありません。
(“ブランドとしての信頼“大事ですので「質の悪いものを使うとその後の商売に関わりますから」そんなに疑う必要はないと思われます)

それでもダウンが原料として「どういうものか、なにをもっていいとされてるのか」はわかってた方がいいので時間を見つけて是非色々見てください。

※補足】
=ダウンも主に食肉用のガチョウ、アヒルの副産物=

おもに食肉用の動物の副産物という点では大昔紹介したレザーと同様なので、似たような事情は抱えていると思います。

羽毛はいっぺんに同じ農場のものなどを集めてまとめて処理して、その上で選別をかけるのでレザーのように一頭ずつ、一匹ずつの個体差や質の差はでません。

ダウンボールの質なら大きいほうがいいのでグースもダックも大きく成長させた方がいいはずですが、肉とかフォアグラなどがメインの目的のためだいたい1年以内に屠殺されてしまう。(食肉用だと1.5〜4ヶ月、フォアグラ用でも4ヶ月〜?くらいらしい)

食肉用のグース(ダック)を産ませたり、卵目的で5年くらい成長させる繁殖用グース(ダック)が数は少ないですがいるようで“マザーグース(ダック)“と呼ばれてます。

このダウンがマザーグースダウンと呼ばれてハイクオリティの高級ダウンとして扱われます。(アパレルではあんまり使われてなさそうです)

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