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妄想の果て13龍5 鳴り止まない雷音(SF小説)

私は以前から気になっていた近畿のとある寺社に来ていた。

軽く山道を登りながら自然の霊気を味わう。

大師像がある。行く先々で現れる弘法大師空海‥空海とはなんなのだろうか‥

一通り参拝してから、奥に 龍王の滝 があることに気づいた。

そこに向かってみる。

滝に手を合わせる私。

さて帰るか。

そう振り返ろうとする。

体が動かない。

立ったまま金縛りになっているような‥

困ったな‥

滝に目を向ける。

ん?何か動いている‥

目を凝らして見てみると、半透明の巨大な龍が滝に居るのが見えた‥動いている‥

しかし困った‥体が動かない。どうしたらいい? 

独り言をぶつぶつ言ってると、

「手を叩け」

声が聞こえた。

私はいよいよだな‥ふだん霊も見えないし声も聞こえない。医者に行こうか‥

そんなことを考えていた。しかし‥身体が動かない‥

滝をよく見てみる‥

龍が縛られているのが見えた。鎖のような‥動けないのだ。

私と、同じなのか‥そう思った。

仕方ない‥このままでは帰れない‥

手を叩く?‥柏手か?

「パンッ」私は一度柏手を打った。

するとその巨大な龍が滝から飛び出し、私の周囲を旋回しだした。優しく包まれている感じ‥

そして空へ飛び立っていった‥

「これで良し。」

私は帰路につき、電車に乗り込んだ。

扉が閉まる。「ガガーン!」雷鳴

「来たか。」呟く私

雷鳴が鳴り止まない、強烈な豪雨が始まった。

それから数時間‥記録に残るレベルで近畿中に雷が落ちまくった。信じられないレベル。

落雷により、近畿中の各電鉄会社の電気系統がすべてショートし、列車が一日止まってしまったのだ。

帰れなくなった私は空を見上げた

「おまえ、やりすぎだよ。」

空に話しかけた。


これは私が兵庫県宝塚市日本第一清荒神を訪れた時の出来事である

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