妄想の果て12龍4「大物」の語源(SF小説)
私は神社に詳しい友人の勧めで、ある神社に来ていた。
友人が私の顔を観ると、その神社しか思い浮かばないと言うのだ。
私も次第に気になるようになり、夜も眠れなくなった。そしてついに来てしまった。
物凄い霊気だ‥やはり有名になるだけのことはある‥
私はその神気に圧倒されながら参拝、御神体になっている山にも登拝することにした。
飲食禁止、撮影禁止の神聖なる山である、登山口で手続きしながら緊張が高まっていた。
一緒に来ていた友人からも緊張が感じられる。
結界に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった気がした。
登る登る。黙々と登る。
原生林が残る山道に、神聖さを感じた。
中腹に差しかかり、私は意識が朦朧としていた‥
山登りなんて普段してないからかな‥と思っていた。
その時、何かが光った気がした。何か‥ボンヤリと見えるような気が‥陰陽師?のような見た目にも見える。
私は何か見えたりするタイプではない。気のせいかと登り続ける‥
何か一緒に来てる気がする‥友人とは別に‥
意識朦朧としながらようやく山頂にたどり着いた
目の前の御神体に圧倒される。
凄い‥ 凄い気だ‥
御神体の前で呆然とする私と友人。
ただただ圧倒されていた。
するとこんな山頂にもかかわらず 揚羽蝶 が飛んでいる。
そして‥私の杖の上に止まった。
驚いたが朦朧として声も出ない。
そして羽ばたいていった‥
しかし‥御神体の周りを一周し、また私の杖の天辺に止まったのだ。
友人「うわ!不思議なこともあるもんだ!」
長く止まってる‥また羽ばたく。
しかしまた御神体を一周し、私の杖に止まるのだ。
もう友人も無言であった。私は思考が止まっていた。その回転を10回以上は繰り返しただろうか。
時間にすると30分ぐらいか。そして揚羽蝶は御神体の向こうへと羽ばたいて行った。
呆然としながら私と友人は下山を開始した。
途中から雲行きが怪しくなってきた、マズイ、こんなところで降られたらたまらない、装備もないし。急いで下山した私たち、幸いにも下山まで雨は降らなかった。助かった。
しかし下山して社務所にて下山手続きをしていると、「ドーン!」雷鳴が。
凄まじい勢いで雨が降ってきた、ゲリラ豪雨だ。雷も止まらない。
慌てて私たちは近くの素麺屋さんに駆け込む。雷鳴と豪雨が止まらない。
二時間ほど豪雨は降り続けた。私は時間を持て余し、素麺を二人前食べてしまった。
大変だったな。なんか。なんか大変だった。
疲れ果てた私たちは帰路につき駅で電車を待っていた。
しかしまた「ドーン!」地鳴りのような音が!
震度5 地震だ。電車が全線止まってしまった。
私たちは疲れ果て、ベンチで寝てしまう。
朦朧としていると携帯が鳴った。神社に詳しい友人からであった。
「大丈夫ですか?封印が開いたと思う。」
封印?わけがわからない。疲労困憊し、帰宅したのは深夜であった。
しかし私はなにかが、その日から変わった気がした。
これが日本最古の神社 奈良 大神神社 三輪山
祭神 「大物」の語源 大物主大神
私の初登拝の体験である。
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