元カノへの嫉妬 (1)

しばらくして、関係も落ち着いて来た頃、トイレに立った彼の後ろのベッドサイドにいつも置いてあったヤシの木の絵の写真立てが目に入った。その日はふと、その後ろに写真があることに気づいて、お母さんかな?とヤシの木をめくって後ろを見ると、なんとそれはリズと彼の付き合っていた頃の2ショットだった。

一瞬あたまが真っ白になり、何にも考えられなくなってしまった。いつから?なんでここに?元カノの写真、ベッドサイドに飾りっぱなしにする?私はこの写真の横で彼と愛し合っていたということ????? 彼はやっぱりリズを1番に愛してるんだ、、、。

妄想が妄想を呼び、とても正気ではいられなくなった。こんな失礼なことをして私を傷つけるなら一緒にはいれない、と伝えた。嫉妬が思考を支配して、もはやまともに話を聞くことすらできない。

彼は真剣に、まじめに、自分の考えを話している。彼女とは性的な関係が続いているわけではない、彼女は僕の人生の中での"一番"のお気に入りで、無条件に愛する対象なんだ、妹や母親への愛情みたいなものだ。彼女にとっても僕は特別な唯一の存在だと思う、ただ僕は、彼女が性的な関係を僕に望むことがこの先あるとは思わない。でも彼女が性的な関係を求めるなら、僕は提供するかもしれない。

エリーの存在が、僕の中で大きくなってきているのは間違いない。どこかの段階でリズを越えるかもしれない。でもエリーにも彼がいる。それと同じように、僕にとって、リズが大切なのはどちらにしても揺るがない。

そしてその僕からリズへの愛情は、エリーとは全く関係がない。リズへの愛が、エリーへの愛を薄めてしまうということは絶対にない。これが子どもだった場合、兄弟が生まれたからと愛情が一気になくなるということはある?それと同じこと。

写真はエリーと出会う前から枕元にあって、そのままになっていただけ、そんなに傷つくならなんで写真飾らないでって、言ってくれないんだ。言ってくれれば、すぐに片付けたのに。エリーを傷つけるようなことを知らずにしてしまって本当に申し訳ない。傷つくとわかっていたらしなかったのに。

言ってることは私には全く理解不能だった。彼自身が、私の急な怒りに触れて、彼もなんで理解できないんだ、とイライラしているようだった。私からしたら、彼がアメリカ人だということを差し置いても、こんなに傷ついている彼女になんでこんなこと言えるんだろう、とさらに傷ついた。こんな傷つくなら、一緒にいる必要は全くないな、と思った。

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