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【妄想ライオンズ 119】1点は、こうして「もぎ取る」のだ!!

渡辺監督代行による新体制の2試合目。1試合目は、高橋宏の前に抵抗らしい抵抗もできず、守りではミスから失点して完敗。
それでも、渡辺監督代行からは、これまでとは違った、明確なメッセージがあって、そこに「兆し」のようなものを感じたかった。

2試合目は、昨日沈黙した打線を、そのまま並べてきた。そこには、「このメンバーが今のベストだ」という明確なメッセージを感じる。

今日は、隅田があまりにも素晴らしかった。コントロール、ボールのキレ、テンポ、いずれも今季1番の出来で、中日打線に、打たれるような気がしなかった。

でも、期待した打線は、小笠原の前に沈黙を続ける。
「また隅田を見殺しか。。」
という思いが、ファンの中には大きくよぎる。


6回。そんな雨の前の雲を振り払うかのように、源田が小笠原のボールをセンターに運びノーアウトでランナーに出る。

2番の岸へのバントのサインは当然だろう。今日も1点勝負だ。先に1点を取ることで、試合を大きく有利に進められる。

が。肝心の岸のバントは、高めのボールをうまく捌けず、ボテボテのキャッチャーゴロ。セカンドは楽にアウト、なんとかゲッツーを防ぐのが精一杯。

なんとなく、打撃好調の古賀にしばしばバントをさせて、うまくいかなかったこととデジャブる。次の外崎は、この2試合は全然ふれていない。

一気にチャンスのトーンが下がる。

しかし、渡辺監督代行は、ここで意気消沈などしていなかった。
バントでダメなら、外崎の具合が良くないなら、この場面を自ら動かそうとばかりに、4球目にヒットエンドランを仕掛ける。外崎は、必死に高めのボールを右に叩きつける。教科書通りに。

すると、ボテボテのゴロだけれども、ガラ空きの1、2塁間に打球はとぶ。さらに、スタートを切っていて岸は、セカンドの田中の頭を超えるか超えないという打球の行方に対して、躊躇せずにセカンドベースを回る。田中の方が、油断もあり、悠々と3塁を陥れる。

1つ目の作戦がダメでも、2つ目を。積極的に動いた采配に、外崎は必死に食らいつき、岸はそのセンスを見せつけた。

1死1−3塁。4番中村。ライオンズで、最も「外野フライ」が期待できるバッターだ。

が、小笠原もそれはよくわかっている。ここが勝負どころだと。
中村への5球目の内角低めへのクロスファイアーは、絶品だった。中村に、打てるチャンスはなかった。
空振り三振。

やはりダメなのか。

全国のライオンズファンが、そう思ったはずだ。

次の蛭間は初対戦の左腕の小笠原に、全然自分のバッティングさせてもらえていない。厳しい、、という雰囲気が漂う。

3球目のストレートも、振り抜けないどん詰まり。ただ、当たりが弱すぎて、小フライがサード、ショートの間の前にポトリと落ちる。
この打球に、蛭間は、打った瞬間から「ヘッドスライディングしよう」と決めていたと思う。打球の行方も見ずに、一塁へ向かい、白線の少し左側を飛び込み、白い煙を上げながら、左手でベースの角に触れる。

タイミングは微妙。審判のジャッジはセーフ。
何度リプレイで見ても、白線から上がる白い煙で、蛭間の手がいつベースについたのかがよく見えない。
オンフィールドでのジャッジを覆すような映像がなく、得点が認められる。


この1点。源田のヒット以外は、どれもロクなバッティングではないけれど、ベンチが動き、岸が1つの塁をもぎ取り、蛭間がガッツでもう1つの塁を陥れた。

まさに、執念で「もぎ取った」というに相応しい1点。

今年、こういう、泥臭い1点を取ったのは、あまり記憶にない。

隅田は足を攣りながらも8回を投げ、佐藤龍は自分の身を挺しながら隅田を救うスーパープレイを見せる。

1−0。

隅田の完璧な投球を、なんとか、なんとか、1点だけもぎ取り、なんとか、なんとか守り切った。

綺麗でもいし、決していい試合でもない。でも、泥臭くとった6回の1点に、ライオンズに新しい風が吹いてることを感じる。

それと、蛭間。日曜日といい、今日といい、彼からは執念と気迫を感じる。打てなくても、気持ちで食らいつく、気持ちでボールを運ぶ、そういう執念で得点をもぎ取ってきている。守備は不安だし、まだバッティングも本調子ではないように見える(もっと良くなるはず!)。でも、足も速いし、ガッツと明るさがある。
ぜひ、不調な時も使い続けてほしい!


さあ、明日は武内。10日前のソフトバンク戦に置き忘れてきた1勝を、今度は、先輩たちがプレゼントしよう!!


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