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★ラガー箚記(45)★勝手に選ぶ、リーグワン今季のベストゲーム!10位→8位

今季は痺れる試合が多かったです。個人的につけているポイントに基づいて、上位10試合を振り返りたいと思います!まずは8位で同率に並んだ3試合。


8位:第6節 リコー 17ー18 クボタ 「ラストワンプレー。痛恨の武井日向のワンプレー」

リコーは、入れ替え戦に進むことになりましたが、素晴らしいゲームをしながら勝ちきれない試合も目立ちました。

その典型がこの試合。リコーは固いディフェンスと、強いF Wでクボタと互角の展開。ドラマは70分を過ぎてから。クボタがゴール前のP Gを決めて15−0で突き放すも、残り5分からリコーも反撃。最後は、今年決めてのあったモールを押し込み、クボタからPTをもぎ取る。

これで残り30秒。

岸岡のキックオフは浅い。リコーが確保すると、2回サイドをつく。残り10秒。最後にボールを受けたのは武井日向。今日、再三にラインブレイクを見せたキャプテン。しかし、彼は、このラストプレーで、ほんの1mもないくらい、フォローを置き去りにして前に出過ぎる。そこを見過ごされずにクボタのFWに絡まれてしまい、痛恨のペナルティを献上する。

このP Gをしっかりとクボタが決めて、まさかまさかの再逆転。リコーの武井日向にとっては、今シーズン、最も悔いの残るプレーになったのでは。ラグビーの怖さを見た試合でした。


8位:15節 トヨタ 35ー31 横浜:「B・バレットと高橋の信頼」

プレーオフ進出の無くなったトヨタ。しかし、この試合は、トヨタの意地が見られた。

先行される展開を、F Wを中心にした圧力でひっくり返し、一時は11点差をつける。しかし、後半の半ばから横浜が自力を発揮し、こちらもF Wの圧力でトヨタの扉をこじ開け、70分の時点で31ー28と逆転に成功する。

トヨタは、今年、こういう展開を勝てなかった。いい試合をしながら、息切れをしてしまう、集中を欠いてしまう試合が多かった。

しかし、この日は違った。77分に、この日劣勢気味だったスクラムでペナルティを奪うと、最後は敵陣22mのラインアウトから、実に30フェイズを超えるアタックを見せる。すでに時間は80分を大きく超えている。
横浜のディフェンスは素晴らしく、30フェイズを超えても、乱れることなく反則を全くしない。逆に攻めているトヨタの方が、明らかに攻め疲れの見られる展開。30フェイズかけても1mも前進していない。
これは、打開策なしか。。。
そう思った瞬間。今日がホストラストゲームのB・バレットは、明らかに間合いを詰められたところ、バックスラインも揃っていないところ、チラリと右の高橋を、そして、相手バックラインの裏に、誰もいないことを見る。
しかし、ペナルティはない。30フェイズを重ねたチームの努力を、もしかしたら、この選択で無にしてしまうかもしれない。
そのリスクよりも、彼には、空いたスペースと、高橋への信頼の方が優った。

十分に相手ラインを引き付け、右足から優しく転がされたボールに対して、高橋は、完全に感じていた。ボールは跳ねない。跳ねない。しかし、ゴールラインの前、ちょうど2mくらいのところで小さく跳ね、高橋が、大事に大事に、低い低い姿勢でボールに飛びつく。

83分。あまりにも劇的すぎる逆転トライ。最後のキックを選択できるのが、ここにおいて、リスクとメリットの天秤を冷静にかけられるのが、これが世界の10番なのか。凄みを見せつけられた一瞬だった。


8位:第11節 横浜 37ー35 サントリー 「25点差を、最後は田村の右足で」

試合内容は、横浜の圧勝。ゲインメータ−628(サントリーは464)、ポゼッションは66%。前半の不用意なターンオーバーかrなおトライが、1つでも防げていれば、横浜が圧倒していてもおかしくない試合。

横浜は、とにかく前半からアタックが意欲的で、よくデザインされていて、しっかり機能していたのだけれど、要所でミスが多い、サントリーのディフェンスが外をしっかりケアしていることなどもあり攻めきれない。そこからのミスをことごとく得点に繋げられた前半。

ただ、とにかくよく攻撃はしていて、サントリーのトライは全てターンオーバー、カウンターが起点で、崩して取れたとらいは1つもなかった。そういう意味では、横浜は、怖さは感じていなかったかも。後半は、攻め所を変えて、マフィ、ハラシリを中心に力勝負に出てサントリーを崩し切った。

マフィが大車輪の活躍のところ、いつもならばマフィに代えてハラシリのところを、ハラシリをフランカーに据えて、マフィを残して、強烈なランナー二人で攻めていったところが、試合を変えた。これは準備してたんじゃないかな、と思います。オプションとして。ここは、沢木さんの采配。

サントリーはなんだろう、今日はアタックの機会が全然なかったし、機能しなかった。ボールを有効に保持できなかった。その理由をよくいえないのだけど、横浜にしっかり研究されてきた印象。また、今季は、少しトライを取られすぎる。勝つ時も。

最後の田村のキックは、まずは今季のリーグワン、ここまでのベストシーンでは。外す気が、全くしませんでした。

最後は、まさに興奮の坩堝、という感じ。


どれも痺れますね。どの試合も、最後の1プレーで試合がひっくり返りました。ラグビー最高!という試合です。


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