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ラガー箚記(33)リーグワン第7節のレビュー

約1ヶ月の中断を経て再開したリーグワン。今節は、埼玉ーサントリーのビックマッチがありましたが、いいカードも多かったのですが、天候の影響もあってか、お客さんの出足は低調でした・・この辺り、中盤戦に差し掛かり、改めて盛り上げていく方策が欲しいところ。


埼玉 24ー20 サントリー

完全に互角の展開も、お互いにラインアウトでモーメンタムを失った感じ。後半20分以降、サントリーはほとんどラインアウト取れていないのでは。埼玉はアタックでミスが多かったのは、サントリーのディフェンスがしっかりしていたということか。

勝負を分けたのは、最後の10分の埼玉のディフェンスが粘り強かったのと、あと2分でのペナルティで、安易に蹴らない選択をしたこと。フィットネスではサントリーは劇的な試合の最後でのうっちゃりを続けてきているので、あと1分でもわからなかった。そこを、ある意味スニーキーに逃げ切ったのが埼玉。

サントリーは、しっかり蹴って、蹴り合いにも負けなかった。蹴った後のチェイスディフェンスがサントリーは献身的なので、キックを蹴った後に、決定的な場面を作られることがなかった。コルビのFBもいきていた。埼玉とやるならば、やはり、中盤は省略してしまいたいところ。

埼玉としては特に見どころはない試合。ラインアウトはミスが多く、スクラムも劣勢気味。アタックはサントリーの粘り強いディフェンスを崩しきれずミスが多かった。出来の悪い試合でも、きちんと勝ち切った、というところが、さすが、というところか。

若干、埼玉は、クロスボーダーの疲れを感じる。次が昨年負けた、因縁の静岡。ここに向けて、1週空くのは幸いか。福井も怪我っぽいし、若干、この後の、静岡ー東芝ー神戸という連戦に不安を感じる。


相模原 53ー45 静岡

スクラムからのモールで圧倒する静岡に対して、洗練されたアタックで静岡を切り裂いた相模原。最後は、静岡自慢のスクラムを逆に粉砕して相模原が激勝。SOのグレイソンの捌きと、ロナ、ポルトリッジのランが効きに効いた試合。

相模原のポゼッションアタックが、粘り強かったし、多くはないランナーが十分に力を発揮していて、攻めればトライ、という感じ。相模原も見事だけど、今日は静岡のディフェンスが、とにかく受け身という感じ。接点も受けているし、1つ1つのコンタクトも全て受けているように見えました。

相模原は、劣勢のスクラムを前半30分過ぎにテコ入れをしたように、監督の采配も素晴らしかったように見えます。 相模原は次がクボタ。ここは真価の問われる試合になりそう。

静岡はやり直しでしょう。今日のようなタックル、ディフェンスでは、勝てる相手はいないのでは。あと、家村はコンディション万全ではないでしょう。心配です。


東芝 27ー7 横浜

東芝が攻守に要所を締めた試合。取れるところでしっかりとり、守るべきところをきちんと守り切った。圧倒する試合運びではないものの、タックルの強さ、アタックの多彩さ、接点の強さ、要所となるところではすべて東芝が上回った。

ただ、東芝は今日はペナルティが14。今季は規律を守ってきた印象がありますが、今日は反則でモメンタムを掴み切れなかった感じ。ミスも多かった。この辺りが修正されると、前半でもっと得点差をつけられた試合。

横浜は、前半と後半のアプローチがまるで違った。後半の姿が、去年までの姿だけれども、いい試合をするのだけど、今年はこの形でトライを取り切れない。どうしてなんだろう。田村の組み立てみたいなのが見えるようになっているのかな、、田村の次のSOが必要では。

POMになった桑山。今日はランも素晴らしかったし、ディフェンスも素晴らしかった。大学時代はセンターの印象も強かったですが、強さと速さのあるランが素晴らしい。タックルも強い。キックに対しての対応が上がれば、代表も見えるのでは。

あとは、いつものモウンガ。攻撃を牽引する多彩さは変わらず見ていて楽しいのだけれど、やっぱりディフェンス。要所でのタックル、カバーリング、そしてキック処理。バックスの誰よりもディフェンスしている。これが世界のTOPのSOなんだろうと思う。日本人のSOがサボるところをスーパー頑張る。


リコー 17ー27 神戸

神戸が接点で互角の戦いながらも、肉弾戦で踏ん張り、ハンドリングコンディション悪い中、きっちりと足技でトライを取り切った。3つのトライは、全て足技絡み。リコーは内容的には神戸よりも上の試合も、常にペナルティで自滅した感じ。

雨でハンドリングエラーは多い分、接点周りの肉弾戦は激しかった。このレベルになると、単純なぶつかり合いとその後のフィジカルバトルだけでも見応えが十分。特に、サベアがあちこちで、何か叫びながら相手を持ち上げたり、持ち上げながら前に出たり。雨でハイになっていた感じ。

ルーカスは今日も頑張って走っていましたが、今日の試合では、ガットランドのマネジメントが奏功している感じでしょう。リコーはモールで簡単に2つトライをとっているところを見ても、もっとエリアを取れていれば、勝てるチャンスは絶対にあったはず。

神戸は、こういうコンディションは得点力削がれるので得意ではないですよね。今日は、しっかり接点周りで、切れないでディフェンスをしきれたところが良かったのでは。ガットランドがいなくなっても、李がいるので問題もないところも、チームとしてレベルがあがったことを感じる。

https://youtu.be/Lr9zdm6IwTs


トヨタ 54ー7 ホンダ

ホンダがディフェンスでは善戦したと思うのだけど、単に始終サンドバッグ状態だったので、最終的にはやられてしまうのはしょうがないか。。トヨタのアタックが切れていたとは思えないけれど、相当トヨタがテリトリーとポゼッションを支配したように思う。

トヨタは、僕はSOファルコン、ここを固定して頑張ってみて欲しいのですが。B・バレットはFBでいいでしょう。どうせ来年いないし。とにかく、ランがこれだけ切れるのは、このリーグではリコーのルーカスくらいでは。期待したいです。

ホンダは、SOが欲しい。しっかりテリトリーをコントロールし、チームを前に出させることのできる。これだけ精力的にディフェンスしているのに、この点差は勿体無い。今のメンバーなら、バンクスにSOをやらせてもいいのでは。

トヨタはこのくらいのアタックの精度では、クボター静岡ーサントリーー神戸、とはかなり厳しい戦いになるのでは。今日は相手関係の問題でテリトリー、ボールキープできましたが、上記相手とはそうはいかないわけで。チームをどうしていきたいのか、いまひとつ見えてこない。


近鉄 19ー56 クボタ

クボタが風上の前半でしっかり試合を決めた。アタックが多彩で、岸岡の捌き、センター陣の強さ、両翼の決定力に、Rウイリアムスの安定した対応。攻めれば点になる、というような前半でした。後半はメンバーも入れ替わり、近鉄も五分五分の展開だっただけに、前半が残念。

岸岡とクーパーのマッチアップに注目していましたが、どちらも得点につながるパスや捌きがあってよかった。岸岡が十分にチームを活かせているし、クーパーは、劣勢のFW、劣勢の状態でこのようなプレーができるのがさすが。

後半は近鉄もアタックが機能する場面が多くて、見どころのある試合に。ただ、攻められると簡単にトライラインを破られているように見えて、今日はディフェンスが残念。クボタのアタックがそれだけいいということか。


次節は前半戦の最後の試合。トヨター神戸、というプレーオフを目指すギリギリにいる2チームの直接対決に注目しています!

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