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ミスタードーナツと結婚したい



ミスタードーナツへの愛が、蓄積している


「ミスタードーナツを救え」という記事が大変な反響をいただいてから、一年が経った


風神雷神と戯れ、福山雅治を口で抱いたあの日々から月日は流れ、僕は当時のアパートから遠く離れた場所に転居してしまった。結果、最寄りのミスタードーナツからかなり遠ざかることになり、この一年間、なかなかドーナツを購入できない日が続いた


実質それは、「ミスタードーナツとの遠距離恋愛」だった。Donuts Distance。胸が苦しかった

あぁ愛しきドーナツたちよ。日本が一夫多妻制を導入するならば、俺は全てのドーナツを花嫁として迎えたい


1年の年月を経て蓄積された偏愛を胸に、僕は遠出してミスタードーナツを訪れることを決意した。そして迎えた先週末。僕は店頭で見たポスターに衝撃を受けた





"ミスタードーナツ THE 四川スペシャル"



あの…ドーナツ屋……ですよね?
何だろう、このドーナツ屋さんらしからぬポスタービジュアルは。ゴールドのタイポグラフィ。帝王切開されたパイ。赤血球みたいな皿に載るドーナツ


調べたところ、どうやらこれは中華料理人・陳建一さんとミスタードーナツのコラボレーションらしい。

最近のミスタードーナツは、やれピカチュウだピエールエルメだ芋だハロウィンだちぎりパンだ、ドーナツという概念を無視して新商品を開発しまくっている。挙句の果てに中華パイ?最高じゃないか。先入観をぶっ壊し、ドーナツのポテンシャルを開拓してくれる逞しいところ、七変化を見せてくれるところが大好き。本当に結婚したい。ゼクシィを毎日30分、音読しておくね


ところでこのキャンペーン、Web限定公開のCMが面白くて、何回も観ちゃうんですよね



ボウッッッッッッッッ


新井貴浩の護摩行かよ





しかし、僕はこのドーナツの実食を機にミスタードーナツへの情熱的な愛の炎を再燃させることになったので、今回のブログで熱く語らせていただく。何なら、結婚願望まで生じている。離れた時間が僕らのドーナツ絆(ドーナツボンド)を強くした


これを読んで読者の皆様にもミスドとの結婚願望が生まれることを切に願う。そしてドーナツを配偶者に迎えた日には、俺のことを「お義兄さん」と呼んでくれ





①チャーシューパイ




チャーシュー × 甘辛醤ソース × サクサクパイ
食欲を掻き立てる高貴な単語が、三両編成で並んでいる。 味覚三原則。オッズ0.08倍の三連単。藤井聡太VSドトール店員の三番勝負。分かっている。ピストルを鳴らさなくとも、勝敗はもう決まっている


約束された勝利の喜びをかみ締めつつ実際に食べてみると、芸術的な造形のパイは内部も美しく、ミルフィーユのごとく層が重なっている。そして中央広間に在住する醤ソースとチャーシュー

あの、焼豚のタワーマンションですか?


大半のドーナツが100円台の中、チャーシュータワマンは248円と強気の価格設定ですが、タワマン1棟を248円で買えると思ったらお得ですね


チラシ作ったんですけど、マジで違和感ないですね。俺が不動産業界の権威だったら、絶対に都心を粉砕してチャーシュー☆タワーマンションを建設するんだけどな。不動産業界の権威の方、ご連絡お待ちしております



あと、推敲のためにチャーシューパイの3要素部分を何回も読んだ結果、「×」の記号を見るだけで唾液が分泌されるという最悪のパブロフの犬になってしまいました






➂エビチリパイ





まず、推定摂氏150度の過熱エビチリを口に含んでしまい、思わずプテラノドンみたいな声を上げてしまった


気を取り直してパイを食べると、これがまたパリパリで美味。否、もはやパリパリという既存の語彙では表現出来ない。パリ+サク+フワリ。パシャクリだ。一刻も早くパシャクリを広辞苑に追加する必要がある


そしてパシャクリパイの内部には、熱々のエビチリソースが敷き詰められている。エビチリ界の大江戸温泉物語ですか?


このエビチリ、甘すぎず辛すぎず快適すぎる湯加減なんですよね。一度足を入れると決して出られない地獄沼なので是非。僕を助けに来てください






②ごま団子風パイ




ごま団子+パイ


嘲笑



そう思った読者もいるだろう。何を隠そう、僕も疑っていた。もちもちの団子とサクサクのパイは、あまりに無謀すぎる組み合わせだ。各々の特性が両者の長所を相殺してしまう可能性がある


しかし実食してみると、抱いていた懐疑心は圧倒的なパワーでねじ伏せられた



第一に、パイのビジュアルそれ自体が、このパイの獰猛さを物語っている


まず、小麦直方体の表面、トップオブパイに点在するごま。それはまるで、チベットの荒野を駆け抜ける騎馬民族だ。ごまの香りという狼煙を私たちの嗅覚まで到達させ、合戦開始の口火を切る

そしてチベットの生地内部に鎮座するのはごま餡と白玉団子である。ごまの味わいをしっかり残した漆黒の餡と、ボリューミーな白玉の色彩対比が美しい


口の中に入れるや否や、激しい攻撃が繰り広げられる。満身創痍になりながら騎馬部隊と地中の先制攻撃を何とか食道まで通過させる。しかし、殿の地中部隊・白玉が口の中に残り続け、持久戦を仕掛けるのだ


白玉団子の時間差攻撃。ごまが、餡が、パイが消えたあとも、長く、長く──口の中に居残り続ける。




























青春














僕は、青春を思い出していた


















僕「おう。なんか今日は学校残りたい気分でさ。白玉は?」




僕「そうなんだ」



僕「俺もさ、今日残って勉強しようと思ってたんだけど。この教室、先生が会議で使うらしいぜ」





僕「うん、だから俺も途方に暮れてるところ」






僕「あ……あのさ」




僕「良かったら、ウチ来ない?」






僕「ウチ、学校からすぐだし。今日両親、出かけてるしさ。家だと勉強出来ないんだろ?」







僕「うん」







僕「いいよ」





僕「うん。気にすんなよ。じゃあ学校残っても仕方ないし、帰るか」























僕「え、何でだよ」
「もう口の中から無くなりそうだから?」







僕「待て……待てよ!!!」

「もう一口食べるからよ…!!」
















パシャクリ























誤って溶岩エビチリパイを食べ、プテラノドンの急襲を受けたため白玉との恋愛夢物語はBAD ENDに終わりました


さぁこの白玉恋愛シュミレーションキモブログ、親も兄弟も友達も同じ大学の人もサークルの人も見てるという最悪のおはロックみたいな状況で本当に周りから結婚相手候補がいなくなりそうなんですけど



この夢物語、いつ覚めますか?