記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【映画感想】ジョジョ・ラビット

あらすじ

第二次世界大戦中、孤独なドイツ人少年のジョジョは周囲からいじめられており、イマジナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーのみが救いだった。ある日、母親が屋根裏にユダヤ人の少女を匿っているのを発見したことから、政治的な考えが変わり、ヒトラーのナショナリズムに向き合うことになる。(引用:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョジョ・ラビット

公開当時から気になっていた作品が、GEOで旧作になってたので借りました。ヒトラーがイマジナリーフレンドって設定がいいですわね。きっと事あるごとに、主人公に反社会主義的思想を耳打ちして、さぞかしめちゃくちゃなことになるんだろうねワクワク!と思っていたら、第二次世界大戦のドイツに翻弄された少年の感動物語でした。


登場人物

ジョジョ・ベッツラー
主人公の少年。ヒトラー大好きで幻覚まで見ている模範的ドイツ人。お父さんのことが大好き(ドイツ軍人だから)

ロージー・ベッツラー
お母さん。美人。スカヨハ演らしい、通りで美人だと思った。女手一つでジョジョ君を育てているだけあって、芯が強く優しい美人。この映画で最も常識人だが、唯一の難点は反ナチ思想を持っていること。

ヒトラー
ジョジョのイマジナリーフレンド。みんな知ってるね。監督が演じているらしいが、あんまり似てない。多分これより前に帰ってきたヒトラーを見たせい。なんとなく影が薄い、というか妄想の産物なせいで現実に干渉できず、活躍の場が少ない。

エルサ・コール
ユダヤ人の少女。美人。ジョジョ君との交換条件でユダヤ人についてのお話をしたり、本の挿絵を描いたりする。かわいい。

ヨーキー
ジョジョ君の2番目の親友。太っちょ&丸メガネ。こんな友達が欲しかった。

フロイライン・ラーム
太っちょ女、この人は何をやってる人なの?シナリオにはほとんど関わってこないが、前半、後半でものすごいインパクトを残す。

大尉
ジョジョ君の教官。名前が長い。一度見ただけではわからないほど複雑な心情を抱えている。果たして敵か、味方か……?的な。

感想

子供の純真無垢な残酷さというのがある。良くも悪くも何も知らないので、相手を傷つけてしまう。この映画ではナチズムが一体どんなものか、ジョジョくんはよく理解せずにハマってしまう。これは神の視点として(映画の視聴者として)見ている分にはコメディなのだが、当事者として、あと親としてはたまったものではないだろう。(しかもジョジョくんのお母さんは反ナチス運動をしている)

自分が盲目的に信じているものが正義であるかどうかというのは、かなり判断が難しいことだと思う。当時のドイツのように、正しくないことが多数派になってる場合は大変だろう。

ヒトラーを監督が演じていると知って驚いた。だが、別にすごいなぁと感じるほど上手ではないし、似てもいない。チョビ髭と七三分けと大袈裟な身振り手振り、という要素だけを真似したという感じで、素人の忘年会のモノマネみたいだ。

ただ、それによって映画のクオリティが下がっているわけではない。ヒトラーが出てくるのは映画の一部分で、似てなさも気にならない。というよりこれはこれで正しい描写のような気がする。何故なら、ジョジョ君はヒトラーを生で見たことがないからだ、そう考えると納得がいく。あのヒトラーは断片的な情報をもとに作り上げたイマジナリーフレンドだからだ。だから要素を強調したモノマネのようなものなのだろう、どうかな、そんなことまで考えてない気もする。

ヒトラーは最後にジョジョ君によって窓の外に殴り飛ばされるのだが、おそらくこれは少年時代の考え方、価値観との決別を表しているということであろう。そんな大それたことじゃないかも、単にヒトラーをブン殴ったら爽快だろうな。ということで作られたシーンかもしれない。

それから、この映画にはもう一つジョジョ君の成長を表す表現がある。靴紐だ。最初は結べなかった靴紐が、精神的な成長と共に結べるようになる。昨日できなかったことができるようになる。でもそのシーンがとても悲しい。

平和な世界は良い、自分の権利が脅かされる事なく、恋人と踊りながら暮らせる世の中は素晴らしいよね。という映画だった。自分は第二次世界大戦のドイツについて詳しくないが、この映画はヒトラーとナチズムを子供を通してコメディ化しており、友人と楽しく見れる作品なのではないかと思う。

ハイルヒトラー



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?