駆除対象の有効活用は本当に良い事なのか
ここ最近、害獣や特定外来生物などの駆除に対して、ただ殺すのでは無く有効活用するべきだという声をよく聞く。例えば食べたり、製品の制作に利用したりというものだ。
しかし、全てを有効活用することは現実的とは言えない。何よりその為には手間とお金がかかるからだ。
まず、生物を駆除する理由は様々であるが、そのうちの多くは金銭的な損失が出るためだ。農業や漁業などは特に被害が出やすく、対処の必要が出てくる。
つまり、多くの場合生物の駆除は間接的に利益を得るためにしているのである。
駆除対象の有効活用は一部利益を生み出せる場合もあるが、基本的に手間とお金がかかり本末転倒となってしまう。これを知らずに強制するような風潮はまさに手段の目的化であると言えるだろう。
ではなぜ有効活用をすべきという声が上がるのか。ひとつはメディアによる必要以上の煽りであろう。
多くの場合メディアは、駆除対象の有効活用を一石二鳥として良い部分だけを報道する。確かに、個人規模でのそのような活動は楽しむ事も出来て一石二鳥と言えるだろう。また、一般に浸透させるという意味では有効な方法であるとも言えるだろう。
しかし、規模が大きくなって来ると有効活用という言葉はただの重荷となってしまうのだ。
有効活用というもの確かには良い事であるが、それを評価するあまりに有効活用しないという選択肢を悪いものとして捉える風潮は無くしていきたい。
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