僕の信仰告白①

僕がなぜ、キリストを信じることになったのか。
それを書きたい。

35歳の頃だったと思う。
求職活動をしていたが、なかなかうまくいかない。
それで、神に頼ったというわけではない。
寝る前に本を読むのが習慣になっていた僕は、家にある本全部読み尽くしていたが、一冊だけ読むのを、避けていた本があった。
三浦綾子「塩狩峠」という小説。
三浦綾子がクリスチャンと知っていたので、そんな説教臭いものは、読みたくなかったのだ。
それでも、何か読まずに眠れないので、読んだ。
読み終えて、まあまあよかったなという感じでページをめくると、あとがきがあった。
そのあとがきを読んで、僕は小説より、強い感情を抱いた。
「塩狩峠」は、峠でブレーキのきかなくなった、乗客の乗った車両の暴走を止めるために、結婚を間近に、ひかえた青年が自ら線路に体を投げ出して、車両を止め、乗客を救ったという美談で、クリスチャンが書きそうな話だと僕は思っていた。
僕が、あとがきを読んで、驚いたのは、小説に、実在のモデルがいて、小説と同じ行動をとったという事実だった。
クリスチャンが、頭で描いた美談でなかった。
その青年がクリスチャンであった。
僕は、その青年を、馬鹿じゃないかとも思ったが、一方で、何か心に、引っ掛かりも感じていた。
世の中は、ニヒリズムにみちていると思っていた僕は、青年の行動に自分の理解を越えるものを感じていた。
青年の行動は、ニヒリズムの対極にあるものだ。

それから、僕は三浦綾子の本を、いくつか読み、キリスト教に関する本も、いくつか読んだ。
それでも、神を信じることはなかった。
僕を大きく導いたのは、椎名麟三「私の聖書物語」という、椎名麟三の信仰告白を書いた本だった。

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