ちがいはなあ～に？

私の名前はゴキ
この家の子供達はよーくお菓子を食べこぼすし
ママもお片付けは得意じゃないから
私にはとっても暮らしやすい家なの

たまに見つかってスリッパで一撃くらって
お陀仏になった仲間もいるから
食べ物を探しに出かける時は
それなりに気をつけていたの

だけど今日は駄目だったわ

昨日子供達のはしゃぎ声が夜遅くまで続いてたの
シンクの隙間から見えた透明の四角い箱
 私は興味津々でその透明な四角い箱に向かったの

茶色く光るそれは私と何ら変わんない
頭に角が有るか無いかで
こんなにも扱い方が違うなんて

透明の四角い箱の中には
スイカやきゅうりやゼリーが置かれてる

私達は見つかったら容赦なく殺される
1匹見つかったら 家中の隙間に殺虫剤がまかれる

なのに なぜ？
彼等は人に可愛がられるんだろう？

私だって頭に角があったら可愛いがられるんたろうか？

透明の四角い箱の前で
私想像しちゃった

頭に角がある私

人に可愛いがられる私

透明の四角い箱の中で暮らしてる私

 油断してた

スリッパの近づく気配すら感じなかった

スリッパの裏で私の人生が終わった

『あら やだ まだ殺虫剤あったかしら？』

ママの声が遠くなる

みんな  殺虫剤がまかれるわ  台所の奥に奥に逃げて・・・

透明の四角い箱には決して近づかないで・・・

#創作絵本ストーリー
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