猫がわんとないたら どうなる どうなる

近頃   猫は大好物のネズミにありつけていません
最近のネズミも賢くなりました
猫の鳴き声がする家にはおじゃましません

ある日  猫は犬の側を通るネズミを見掛けました

『そうか  猫とわからなければいいんだな
犬のようにわんとないてみようかな』

猫はためしにわんとないてみました
するとネズミがどこからかやってきたではありませんか

猫はうれしくなってぱくり
次の日もわんとないてみました
するとまたまたネズミがどこからかやってきました

猫はうれしくなってぱくり
猫はわれを忘れて
『わん  わん  わん』となきました
猫はいつしか自分のなきかたを忘れて
しまいました

ある日
猫が犬のなきまねをすると聞きつけた
みせもの小屋の主人が
猫がいる家のドアをノックしました
大金をつまれた猫の飼い主は
あっさり  猫を手放しました

猫は見せ物小屋の大勢のお客様の前で
『わん  わん  わん 』となきました

大勢のお客様は大喜び
猫もうれしくなって
何回    何十回     何百回 
何千回となきました

とうとう  猫は  なけなくなりました
わん  わん  わんとも
ニヤーニヤーニヤーとも

なけなくなった猫は捨てられました
ねこはお腹をすかせたまま静かに息をひきとりました

#創作絵本ストーリー
#猫
#ネズミ