「可愛い」パラダイス
最近、友達とショッピングをする機会がありました。
見たのは主に洋服屋さん。友達は欲しいものがあって、特に何も欲しくない私は後ろをついてまわるというウィンドウショッピングでした。
そこでめちゃくちゃ感じたのが、服屋での友達との会話がほぼ「可愛い〜」で成り立っているということです。
「見て!これ可愛くない?」
「めっちゃ可愛い〜!」
自分でも「ほかの感想ないんかい!」と突っ込んでしまいたくなるほど「可愛い」を連発していたと思います。もし「可愛い」がNGワードだったら、買った服たちはもれなく視聴者プレゼントになったことでしょう。
でもこれ、よく考えたらめちゃくちゃ不思議な現象だと思うんです。なぜ私たちは友達と服屋に行くと「可愛い」を連発してしまうのか…。
「可愛い」という言葉の役割に注目してちょっと考えてみます。
①その商品自体の「可愛らしさ」を伝える
まず考えたのが、その商品自体の「可愛らしさ」を伝えるという役割です。
例えば、道端を歩いているネコちゃんを見て「可愛い!」と言ったり、赤ちゃんを見て「可愛い!」と言ったりします。
こんな風に対象自体が持つ「可愛らしさ」に共感を得たいがために、「これ可愛い!」と口にしたり、あるいは「これ可愛くない?」などと問いかけたりする場合が考えられます。
単純に、「その商品が可愛い」ことを言いたいという意味での「可愛い」ですね。
②その商品が”自分の好みの範囲”に入っていることを示す
私が結構重要だなと思ったのが、こちらの役割②です。服屋にて、友達とこんな会話がありました。
友達 「これ可愛くない?」
すいみん 「可愛いと思うよ。(うーん、可愛いんだけど、私は着ないタイプの服かなぁ…)」
ここです!(うーん、可愛いんだけど、私は着ないタイプの服かなぁ…)この感情がポイントだと思うのです!
その商品自体の「可愛らしさ」は理解できる。でも、「可愛い」と同調することがなんとなく腑に落ちない。
このことから明らかになるのは、「可愛い」と発言する時、「その商品は”自分の好みの範囲”に入っているのか、そうでないのか」というニュアンスが含まれているということです。
服を選ぶという過程において、「この服は私が着てみてもいいと思うか、思わないか」という判断は無数に行われます。時には、ハンガーラックにかかっている服を端から順に見ていって、ジャッジすることもあります。
そんな時に便利なのが「可愛い」なのではないか。
「あ!これ可愛い!」
「可愛くない?」
「可愛い〜!」
実は「可愛い」は、「これ、私の好みの範囲内です〜!!」を端的にまとめた魔法の言葉なのではないかと思いました。
そりゃ沢山の服を見れば見るほど、ジャッジする回数も増えるから「可愛い」を連発してしまうわけです。
…なんかそれっぽい答えにたどり着けた気がします。すっきり。
「可愛い」パラダイス
こんな感じで、服屋での友達との会話で「可愛い」を連発してしまう理由を考えてみました。
始まりは、「なんで私はこんなに可愛いしか言ってないんだろう…」という素朴な疑問からでしたが汗。
友達の思う「可愛い」と、私が思う「可愛い」。
2人分の「可愛い」がひとたび服屋の中に入ってしまえば、そこはもう「可愛い」パラダイスです。
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