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ミッフィー展で考えたこと

   ちょっと前、「誕生65周年記念 ミッフィー展」にひとりで行ってきました。

   私はミッフィーが好きです。ミッフィーを見ると、ついつい目がいってしまいます。グッズでもイラストでも「あ、ミッフィーだ、可愛い」と思います。

   でも、心のどこかで、「なぜ惹かれるんだろう?」という素朴な疑問がありました。ミッフィーには「可愛い」だけでは語りきれない何かがある気がしていたのです。

  その何かを解き明かすべく、ミッフィー展を頭フル回転で見学してきました。そこで得たいくつかの気づきを残しておこうかなと思います。

(以下、展覧会で考えたことを書きますので、これから行くからあんまり見たくないという方はお気を付けください!)

展覧会入り口のミッフィー


1. ただの線じゃない

   私がこの展覧会で一番衝撃を受けたのが、ミッフィーの黒い輪郭線は"点"の集まりだということです。

   え?どういうこと?と思いますが、作者のブルーナさんは細い筆にインクを付けて、紙に"点"を連ねて置くようにして輪郭線を書いていたそうです。たしかに、線をよくよくみると完全に真っ直ぐではなく、震えています。

購入したポストカードのアップの写真

   一筆一筆を大切に、じっくり描かれているからこその、ミッフィーのあたたかみ。それは見る人に伝わるのだと感じました。
   
   文章を書く自分も、見習いたい姿勢です。一言一言をもっと大切にしよう。そうしたら、何か伝えられるものがあるのかもしれないなと思いました。


2. まっすぐ見つめる瞳

   ミッフィーたちは、絵本の中でいつも正面を向いています。その理由はブルーナさんの「読者の子どもたちのまっすぐな目に応えたい」という想いだそうです。

   どのページを見ても、ミッフィーたちと目が合う。それは読む人にとって、存在を認めてくれているという何よりの安心感に繋がっていると感じました。

   ついついミッフィーを見てしまうのは、ミッフィーがちゃんとこっちを見てくれているからなのかな、と思ったり。私は「相手の目を見る」って、ちゃんとできてたかな。


3. 本当に大切なもの

  ミッフィーを見つめていると、家族、友だち、暮らしなどが、丁寧に、とても大切に描かれていると分かります。

   ブルーナさんが考える、本当に大切なもの。
それだけが、絵本の中に詰まっているのではないかと感じました。多くを語らずとも、シンプルで洗練された世界を通して、読者に伝わってきます。

   私は、ミッフィー達のように大切なものを大切にできているだろうか。見逃してはいないか。そんなことを考えながら展示と向き合いました。

お土産も買いました


4. ミッフィーに対する意識の変化

   私がミッフィー展を見る前と見た後で大きく変わったなと思うのが、「ミッフィーを作品として意識したこと」です。

   今までの私は、ミッフィーを「キャラクター」として捉えていました。グッズを買う時も、イラストを見る時も、「シンプルな白いうさぎ」というある種の記号として見ていたということです。

   展覧会を見終えた今では、ミッフィーという作品自体に惹かれるようになりました。大切に生み出された線から伝わる優しさ、子ども心を思い出させる色彩、静かでいて芯の通った言葉。それらが合わさって、ミッフィーという作品ができていると感じられました。

  久しぶりに、ミッフィーの絵本を読んでみようかな。そして、忘れかけていた何かに会いに行ってみようかな。そう思えました。


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   長くなりましたが、ミッフィー展で考えたことを書いてみました。(まだまだ書き足りない)(研究したいくらい)

   行ってみて、考えてみて、シンプルなものほど奥が深いということを実感しました。
  やっぱりミッフィーは「可愛い」だけでは語りきれないです。

   貴重な創作過程を知れるだけでなく、ブルーナさんの優しい人柄も感じられる展示でしたので、興味のある方はぜひ足を運んでみてほしいです。

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