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また行くとは思ってなかった

前置き


数年前にはわりかし乃木坂46にはまっていたのだが、思い当たる理由も特にないにも関わらずいつしかモチベーションが下がっていた。推しメンが卒業したわけでもないのだから今考えれば失礼な奴である。
もっとも、まったくなんもしなくなったのかと言えばそういうわけでもない。新曲を追うくらいはしていたのだが、言ってしまえばそれくらいであった。このような低空飛行ともいうべきモチベーションしかな状態だったので、「もう乃木坂のライブに行くこともないんだろうなあ」と漠然と思っていた。


2022年8月12日、私は北海道札幌市の真駒内公園にいた。

山と平野の境目ともいえる位置にあるこの広大な公園の中にはいろんな施設があるが、真駒内セキスイハイムアイスアリーナという屋内競技場もその一つだ。この日の私の目的地はこの屋内競技場である。札幌五輪の閉会式が行われたこの歴史ある屋内競技場で一体何が行われるというのか?

乃木坂46 真夏の全国ツアー2022 北海道公演

ヘッダーと同じ画像なのは気にしてはいけない。他に画像が無いのだから。

あの、どこからどう見ても「もう行かないだろう」と思っていた乃木坂のライブそのものですよね???あなた、いったい何があったんだ?


時はさかのぼること約1年前、今まで行ったことのなかった東京国立博物館を見物してみようと思って色々調べていると、春夏秋冬/フォーシーズンズ という企画展(なのかあれは?)をやっているのを見つけた。当時の東京国立博物館は総合文化展(他の博物館の常設展示相当。展示の入れ替えはかなり多いけど。)に入るのでも事前予約が必要であったので、どうせ予約するなら企画展も行くか、というくらいの軽い感覚でチケットを予約して行ってみることにした。

企画展自体の感想は映像の技術や見せ方が面白いな、という点と「絵画はレプリカなのかい!」という突込みの二点に集約されるのだが、本題ではないでここではこれ以上語らない。なお、内容は以下の参考映像を見ていただければ、と思う。

それよりも、被写体になっているメンバーの姿を見ているうちに「最近の乃木坂46はどんなんなんだろう」という興味が出てきた。そこから一気にメンバーのブログを読んだりMV見たりしているうちにあれよあれよというまにモチベーションを取り戻した次第である。

乃木坂46への熱が戻ってくるとおのずとまたライブに行きたくなってきた。しかし、ここ数年の情勢故に無観客ライブが続いていた。その結果ライブに飢えたファンが大勢いることは容易に想像がついた。第一、そんなにすべてのライブ日程が自分の予定にかみ合うわけもない。その結果、東京ドームと日産スタジアムのライブは行けずじまいであった。
神頼みしようが冬の日本海を泳ごうがチケットがなければどうしようもないので、泣く泣く配信で日産スタジアムの10th Year Birthday Liveを見ていると、真夏の全国ツアーの開催発表があった。「今度こそはチケット取れるといいなあ」と思いながらのんびりとコーヒーを飲んでいたが、開催地を見てぶったまげる。

ほ っかい どう・・・?

実を言うと、前に乃木坂にはまっていた期間わたくしは札幌暮らしであった。今は離れてしまっているのだが、手垢のついた街である札幌にはそれなりには思い入れはあるし思い出も多い。

札幌、というか北海道はTVhというテレ東系列のテレビ局で『乃木坂工事中』をやってはいるだけ他の地域と比べればまだコンテンツに触れられるという面ではましだったのかもしれない。しかし、津軽海峡は思っている以上に広いらしくライブとかイベントはまずやってこない。ライブに行くためには基本的には毎度飛行機のお世話になる。それが北海道の悲しいところであった。元々旅行も好きなので私にとっては遠征自体のハードルは恐ろしいほど低かったが、それでもお財布的にも時間的にも痛いものは痛いのであった。

だからこそ数少ないイベントの機会は貴重だった。アルバムの発売記念イベントで当時加入して間もない3期生がアリオ札幌に来たときはまたとないチャンスと言わんばかりに足を運んだのを今でも鮮明に記憶しているくらいだ。

そんな北海道に、札幌に全国ツアーがやってくるというのだ。実に9年ぶりの出来事であり、アンダーライブを含めても2018年(なお、私は行けなかった・・・)以来だという。もう夢のような話である。内心「数年遅いよ!」とは思ったが、それでも北海道に上陸してもらえるのは非常に嬉しい話である。

これは行くしかない。たとえ今札幌に住んでいないとしても。そう思うまでに多分1秒もかからなかっただろう。

私の想いが楽天チケットに通じたのか否かはわからない。何がともあれ今回は楽天チケットの抽選運に恵まれて、2日目だけだがチケットを確保することができた。そして、8月12日に遂に真駒内へとたどり着くこととなった。

感想

「いや~行ってよかった」

その一言に尽きる。予想以上にステージに近い座席から見るパフォーマンス、久々に味わうライブの臨場感、たまらないですね。

・・・これだけだと、前置きの割にあまりにも感想が雑なのでもう少し具体的なことを書こう。
まず、ライブの冒頭で一気に夏曲で畳みかけてきたあたりでもう一気に盛り上がりった。この時点でもう大満足であった。気が早い。

特に印象に残ったのはアコースティックギターバージョンの『羽根の記憶』と『ひと夏の長さより・・・』の2曲。どちらも夜中に聞くとやたらと沁みる曲なのだが、それをアコースティックギターバージョンの演奏にのせて歌を披露したわけである。聴き入らない理由がない。特に、この日は暑かったとはいえど、お盆が明ければ学校の夏休みが終わり少しずつ秋の足音が聞こえる札幌で聞くこの2曲はこのライブの思い出やこの日の情景と強く結びつくものであった。

実は新曲の『好きというのはロックだぜ』と『Under's Love』を最初にフルサイズで聞くのはライブで、と決めていた。なのでこの2曲は非常に楽しみにしていたが、期待を裏切らないものであった。前者は『裸足でSummer』に続くタオルで一緒に盛り上がれる曲ということで今後もライブの定番曲になりそうだな、と感じた。後者はライブの音源に包まれながら生でパフォーマンスを見て、迫力に圧倒された。今度はアンダーライブにも行きたいと思わせるものであった。

ライブ会場の外の話も。会場についたのは16時ごろと開演90分前くらいだったが、すでに多数の人だかりでその盛況ぶりには少し安堵した。やはり9年ぶりでしかもべらぼうに飛行機が高くなるお盆ということで少し不安に思うところもあったが、杞憂だったようである。

ちょっと残念だったのは物販コーナーである。どう考えても2日目の遅い時間に行ったのがすべてなのだが、ほぼ完売でそれはそれで何を買うか迷う状況であった。結局北海道限定のライブTシャツを買ったが、マフラータオルが全滅だったうえに持ってくることもしなかったので『好きというのはロックだぜ』ではやむなくライブTシャツを振り回す羽目になった。トホホとしか言いようがない。これだけは消化不良になった。グッズ販売の事前受付は非常に大事ですね。

一度は「もう行かないのだろうな」と思いながらもふとしたきっかけを起点に再度足を運ぶに至ったライブはやはり充実したものであった。実際にその場に赴いて五感を通じて体感しないとわからないもの、味わえないものはやはり存在するのだな、と改めて実感した。そして自分が札幌に住んでいるころには果たせなかった北海道でのライブ参戦という願いがやっと叶った一日でもあった。それが何よりもうれしかった。結局またライブのために遠征しているのは皮肉なものだけど。

この夏、ものすごい勢いで坂を駆け上がった印象のある金川紗耶さん。北海道公演は地元出身の彼女の努力無くして成功は無かったのではないでしょうか?


書き足りないこと

メンバーのSNSやブログを読んでいると、思った以上に北海道に初めて来たというメンバーが多かったようだ。中には「仕事で来たことありそうだな」と勝手に思っていたので意外に感じたメンバーも。

忙しない北海道滞在だったとは思いますが、少しでも北海道を楽しんでいただけたのなら嬉しい限りである。

あなたを忘れるわけないじゃないか。


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