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全人類におかれましては『Bloodstained:Ritual of the Night』をプレイしていただきたく 3

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ふじみやくんさぁ、キャラや世界観の話ばっかりしてるけど肝心のゲーム内容の話してないよねぇ?

Exactly!(その通り) いくら世界観とかキャラが良くても肝心のゲームがクソゲーでは話になりません。そんなわけで今回は『Bloodstained:Ritual of the Night』のゲーム部分がどれだけ素晴らしいかを語りたいと思います。
ごあんしんください。今まで話してきた世界観だのはゲーム内容が超絶素晴らしいからこそ映えるもの、ゲームの素晴らしさは自信持って保証いたします。

人間はできないことができると嬉しいものだ

人間は「強くなりたい」と願うものです。
強くなると何が良い? できなかったことができるようになります。
そう、ゲームの醍醐味というのはまさにここ「できなかったことができるようになる」というところ。
「今まで強くて倒せなかった敵が新しい武器を手に入れたりレベルを上げたりしたら余裕で倒せるようになった」とか、「今まで苦労してたステージを何度もやってクリアできるようになった」とか、そんな「できなかったことができるようになった」体験を通して人は「強くなった」と感じて快感を覚えるのです。

アクションゲームというのは「今まで苦労してたステージを自機の操作を覚え敵の挙動やトラップの動きを見抜き攻略していく」それを楽しむゲームです。
もちろん、そのような要素はふんだんに用意されています。このゲームで新しいエリアに入ったとき、今まで見たこともない光景、そして敵に出会うことでしょう。エリアのいやらしい、凶悪な仕掛けやよく知らない敵の激しい攻撃に、恐怖すら抱くかも知れません。さらに必死の思いでそれらを切り抜けた先には、

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左のような更に恐怖心を煽るボス部屋の扉が待っています。(逆に言えば1ヶ所を除いてこの扉を越えない限りボス戦にはならないので「知らん間にボス戦が始まってあっという間にコロコロされてた」ということはまずありません。ごあんしんください)
しかしながら、勇気を持って進むうちに敵の攻撃を学び、仕掛けの対策を見抜き、レベルが上がり、ボスを攻略する頃には、そこはアイテム稼ぎ場になっていることでしょう。そこに「強くなった」というカタルシスが押し寄せてくるわけです。

加えてこのゲームのジャンル、探索型2Dアクション「メトロイドヴァニア」では「できないことができるようになる」というのがより具体的に表現されます。
扉を越えてボスを倒すと、ボスはシャードを落とします。
シャードは敵、悪魔の力を結晶化したもので、これを取り込むことでミリアムは特殊能力を得ていきます。
そしてボスのシャードはほとんどが「行動の幅が広がる」もの。これで得た力によって二段ジャンプや重力転換などよりアクションが多彩になっていきます。

そこで貴方は気づくでしょう。

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「あっ、これがあればあそこの届かなかった宝箱取れるんじゃね?」

ここです! 「行動範囲が広がることで気になってたところに行けるようになる」! これがメトロイドヴァニアの「できないことができるようになる」を濃縮したところ!

そしてこのゲームではその「気になるところ」の配置が絶妙で、序盤から「高くて届かない部屋の入口」とか「向こうにあからさまな開閉レバーのある扉HP上限アップアイテムを添えて」とか、「鏡がついた狭いスキマのある壁のむこうの宝箱」とかがこれでもかと出てきて、「ヌゥーっ!」とうなりながら諦めて立ち去ることでしょう。
そしてここがさらに絶妙なところで、「やったこれで行ける!」と思って行ってみてもまだ何かが足りず届かない、というところがいくつか出てきます。
ここで「くそう何が足りないんだもう少し先まで進めば良いのか?」と思い、くやしみとともに先へ進むやる気が出てきて、ゲームにハマり込んでいくのです。

そしてこのゲームにおいてさらにすげえと思ったのが、「やりようによっては正攻法を使うより早く気になるところにたどり着ける」というもの。

上の動画のように、本来2段ジャンプでも届かないところに、急降下キック(通称ドゥエ)で行ったりすることも。これは簡単な方なんですが、敵の配置次第ではもっと高いところにも行けて、成功したときの達成感は「通常できないことをやってのけた」というのも相まって半端じゃありません。
そしてこれがうまいところで、上記動画のように、そういったところには空を飛ぶ敵が配置されています。メトロイドヴァニア的な目に見える「できないことができるようになる」もあれば、旧来の2Dアクションのような「アクションの上達」というところも楽しめる。そんな要素が、最初言ったとおりふんだんに詰められているのです。

アクションが苦手でもごあんしんだ

「え、じゃあ難しいんじゃないのアクション苦手だし……」という方。
ごあんしんください。そういうアクションを使えば「ゲームが多少有利になる」というだけで、単にクリアするだけならそういうところを完全に無視して正攻法で行っても十分です。
更にこのゲームは「アクションRPG」なので、「レベルの概念」があります。
アクションが得意な方には、ボス戦で攻撃を見切って低レベルかつノーダメージでボスを倒す楽しさがありますし、アクションが苦手という方は「レベル上げして強い敵を簡単に倒せるようになる」楽しみが用意されています。そしてどうしても勝てないボスは「レベルを上げて物理(orシャード)で殴る」戦術で十分勝つことができます。
それでも勝てなければカレーやピザ(回復アイテム代わり)をしこたま持ちこんだり、それでもダメなら「とんでもない攻撃力のある誘導弾」「スキがなくて連射できて4ヒットする特殊剣」「ワンボタンで画面半分の敵に4ケタダメージ」みたいなゲームバランスがブチ壊れるようなチート武器、シャードも用意されています。
これはこのゲームの精神的前作『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』のときに「誰でもクリアできるようにしたい」というコンセプトがあり、このゲームもその考えを受け継いだ物となっているからと思います。

このように、アクションが苦手な人でもクリアするだけなら全然問題なくできますし、メトロイドヴァニアの「できなかったことができるようになる」が具体的に体感できる利点は全く損なわれません。(余談ですが、メトロイドヴァニアではイージーモードで体力が一切減らないゲームもあるくらいです)
そして、アクションが苦手で上記の手段を使ってクリアしたあと、ひょっとしたら「今度はちゃんとアクションを磨いてクリアしてみたい」と思うかもしれません。それこそ、正に「強くなった」「できなかったことができるようになった」ということなのです。

人間は集めるのが好きだ

切手集め、シール集め、女児向けカードゲームのカード集め……
このように「集める」趣味は洋の東西、時代を問わず存在します。
人間というのは「何かを集める」のが好きなもの。それに希少なものがあればぜひ手に入れたくなるもの。そして可能ならば「コンプしたくなる」ものです。
当然ゲームもそれを放っておく訳ありません。
はるか昔から数多くのゲームに「収集要素」というものをウリにしたものが存在します。『モンハン』で逆鱗手に入れるために数十時間かけたりボクと同じじゅうななさいくらい、あるいはもうちょっと上の方は『ウィザードリィ』で村正探して何度も地下十階に潜ったりした経験あるのではないでしょうか?
そして当然、このゲームにも収集要素があります。しかもこれでもかというほど。そちらをご紹介していきましょう。

まず敵の数は100種以上。そしてそのほとんどが、特殊能力やキャラ強化に役立つ「シャード」を落とします。
シャードも一個拾って終わり、ではなく、多く取れば取るほどパワーアップし、さらにアイテムを合成して使い勝手を上げる事が可能。
もちろん敵によって落とすシャードは違うため、シャードを落とすたびに「これどういう効果?」と使いたくなり、新しい敵を見つけるたびに「おらシャード落とせあくしろよ」とか言い出すことでしょう。

武器は9種類あって、それらは一長一短の性能を持ち合わせています。
その武器にもコマンドで発動する「奥義」というものがあり、更に熟練度システムまで用意されています。
これも城内の本棚でコマンドを教えてくれるのですが、その前にコマンドを入力して発動させることも可能。これを探す楽しみもあるというわけです。

アイテムは……まあとにかく多いです。
アイテムの種類も、消耗品、素材、そして料理といったカテゴリーが。
これらも「ただ集めるだけ」ではなく、他のアイテムや武器の素材になったり、料理だったら「最初に食べたときにパラメータがアップする」という要素があり、更に集めるモチベーションになるわけです。

そしてこれら全て「収集率」が表示されるようになっています。
これが90%超えてくると、「コンプ欲」が掻き立てられ「あ~~何が足りない!?」と叫びながら城内をさまよい歩くことになるのです。
当然、城内で見つかるアイテムだけでは100%にはならず、ヨハネスの「錬成」でアイテムを合成してしか手に入らないアイテムや武器も多数。ここらへん、『モンハン』や『ブレスオブザワイルド』などで「あの武器作るにはあの素材がァァァ」「この料理の材料見たことねえんですけどwwwww」とかやった経験がある方ならすげえわかるのではないでしょうか。

さらに「アイテムの解体」というのもでき、貴重な素材を使ったアイテムを解体し別のアイテムの素材にするという事もできます。
たとえばクエストでもらったうに丼を解体し醤油を手に入れ、卵かけごはんを作って醤油の安定供給を図る(作ったアイテムは店で買えるようになります)とか。「お前は何を言っているんだ」って? 醤油は貴重品なんですよこのゲーム!

あと忘れちゃいけないのが「マップ踏破率」。これも広義の「集める」に値するもので、もちろんパーセンテージ(最大100%)で表示されます。

このマップがすげえ広いかつ先に言ったとおりさまざまなエリアが存在するため、ともすれば「オープンワールド」的なものすら感じるほど。とはいえマッピングは自動でやってくれるのでそこはごあんしん。
しかし、そのマッピングが曲者で、壁があって通れないとかいうところでマップが埋まり、ご丁寧に「この先に通路がある」ということまで表示してくれたりします。そうすると「うおおこの先何があんだよおお!!」とかすげえ気になるわけです。ずるい。IGA、許されません。
そんでもってもちろん隠し部屋もあり、単にクリアするだけでは100%にはなりません。かくして、部屋に入ると壁に向かって武器を振り回すミリアムさんが爆誕するわけです。

しかしながら「うわそういうのメンドイ」という方もおられるはず。
ごあんしんください。これら一切ガン無視でも全然クリア可能です。むしろこれらは「クリア後のお楽しみ」みたいなものとお考えいただければ。

もちろんクリアまでにある程度錬成を使うことは必要になってきますが、必要な素材は回復アイテムやその代わりの料理の材料くらいで、武器などはボスの近くに強いものが入った宝箱があったり、敵が軽率に相当強い武器防具を落としたりする(それも結構な確率で)ので、「武器防具が弱すぎて先に進めない」ということはまず起こりません。
それら強い武器防具を錬成する材料も道中で気がついたら手に入ってたとかありますし、意図して狩る場合も画面を切り替えればすぐ敵が復活して好きなだけ狩ることも可能。「これどこで手に入るんだっけ?」と思ったら「アイテム一覧」を見れば落とす敵を表示してくれます。IGA氏のやさしみを感じる……
そんでもって、「あっこれもう少しで作れる」というのを経験していくうちに、気がついたら素材集めでレベルが上がりすぎてボスがザコになってたということも十分ありうるのです。

人間は自由が好きだ

さて、さっきから「これがウリだけど別にやらなくても大丈夫よ」という話ばかりしていますね。
そうなんです。このゲーム、単にクリアするだけならホント道なりに進んで、マップを埋めて、ボスをころがしていくだけでいいんです。
なんですが、「その過程を楽しむ手段」がそれこそ無限に用意されているのです。
人間「こうしなきゃダメだ」と強制されるのは大体の人が嫌がることでしょう。
なんですが、このゲームでは「ここではこのシャードを使わなければならない」「この敵はこの武器でないと倒せない」というものがほぼ(ゼロじゃないですが)ありません。とにかく「自由度が高い」んです。

例えば、上で「100種以上の敵がいてそのほとんどがシャードを落として、それが全て違う効果がある」「武器は9種類、それらにコマンド技もあり」と言いましたが、「じゃあどれが最強?」というのがないんです。
強いて言えば武器なら「一番使いやすい武器カテゴリーの最強のやつ」ですし、シャードなら「一番気に入ったやつ」。「弱い敵のシャードは弱い」とかその逆とかはほぼありません。そう、1で太字で叫んだ「ぼくのかんがえたさいきょうのシャード」がすなわち「貴方にとっての最強のシャード」なのです。

そのため、ゲーム中では種類問わず強い武器に切り替えることも「せっかくだから私はこのムチを選ぶわ」とムチだけで進むのも自由。なんなら「武器(シャード)なんて使わない」というスタイルもすべて自由。

そう、このゲームで貴方は刀のみですべての運命を切り開くこともできるし、手に入るすべての武器を使い分けることもできる。一番最初に手に入れたシャードを最後まで使い続けられるし、ボタン一つで敵を爆破したり、どこでも「どっこいしょ」したり、怒りのデスロードごっこしたり、ボス部屋を空飛ぶ豚で埋め尽くしたりラスボスに空飛ぶ豚をけしかけることも、全てが許されている! IGA様は何も禁止なんてしてない!

で、早速前言覆すんですが、実は「これチートじゃね?」とかいうどうしょうもないバランス破壊武器やシャードも用意されています。
もちろんデメリットもそれなりにあるんですが、そのデメリットを帳消しにするアイテムがあり、それを使えばもはやゲームとして成立しないくらい手がつけられなくなってしまいます。
でもこれらも、貴方はどうしても倒せない敵やRTAに使ってもいいし、「こんなアクションゲームじゃないわ! ただの連打ゲーよ!」と吐き捨てて一切使わないことも自由。IGA様は何も禁止なんてしてないのです。

先程の「豊富な収集要素」も、必要なアイテムや料理だけ作ってひたすら先に進んでもいいし、「全種類の料理を食べるまでクリアをしない! この誓いを破ったらデータが全部飛びます!」と天に誓うことも自由。シャードの強化も、お気に入りシャードをフル強化してボスに備えたり、全部ドミニクさんに売っぱらうのも自由。
レベルの概念もありますが、レベル上げそっちのけでアクションだけに頼るのもアリだし、レベルを上げて物理で殴るのも自由。

そうなんです。「さまざまな仕掛けや楽しみが用意されており、それらをどう使うか、どう楽しむかは全部プレイヤーの自由」というのがこのゲーム『Bloodstained:Ritual of the Night』の最大のウリではないかと考えております。
もう少し言うなら、それらの使い方によって、ゲームの楽しみ方、難易度を自分自身で自由自在に変えていけるわけです。「難しすぎる」ならアイテム集めやレベル上げに勤しめばいいし、「簡単すぎる」なら「~禁止」「~だけで進む」と縛りを入れたり。
それでもヌルい? ごあんしん、敵が強いハードモードやそれプラスレベル1縛りのナイトメアモードがある! 一応クリア特典ですが、セーブデータ名で初手アンロックも可能だ!

まとめ

とまあこのように、『Bloodstained:Ritual of the Night』は「誰でも楽しめる」ということを非常に考えて作られているゲームであります。

最近RPGとかソシャゲばかりだな久しぶりにアクションゲームやりたいなあ? 正にそんな人のためにあるゲームだ!
モンハンとかブレスオブザワイルドとか好き? 正にそんな人のためにあるゲームだ!
ドラキュラ新作マダー? お待ちかねの新作だ大丈夫全くもってIGA氏の城だよ!
どうせ変態で姉歯城なんでしょう? Exactly!(その通り) やっぱ変態だったよ!
昔書いた黒歴史がうずいてきた? あの頃に帰って中二心を思い出すのも良いんじゃないでしょうか!
2Dなんて古い? 遊ばずに言ってるなら入門としてやってみると良い!
2Dはとっくに飽きた? それでも昔面白いと感じたことがあるはずだ! あのときの面白さがここにあるぞ!
アクションが苦手? レベルを上げて物理で殴ればいい!
謎解きとか苦手で……? Wikiを見たって構わないそれでもクッソ面白いぞ!
メトロイドヴァニアはヌルすぎる? ナイトメアモード即アンロックで縛りを入れよう!
ホラーはダメ? そんな怖くもグロくもないぞ!
ドラキュラ城を腐女子ホイホイにしたIGA氏が許せない? DLCも一緒に買ったらIGA氏がボスで出てくるから思う存分ぶちころがそう!

そんなこんなで、『Bloodstained:Ritual of the Night』は万人が楽しめるゲームであると私は確信しているわけです。
無論人間70億もいますから「Not for me」な方もいます。現に「こりゃダメだ」という感想もちらほら聞かれます。
それでも、知らずにスルーするよりはこの文を読んで知った上でスルーしてもらったほうが良いですし、「興味が出たやってみようかな」という方が一人でもいればこのクッソ長い文を書いたのが全て報われます。
願わくばそんな方が出てくれることを。そんでもってこんなプレゼン文やウスイタカイホンとか書いてくれるくらいハマってくれればもはや言うことはありません!

あ、そうそう音楽が神だぞ

そういやすっげえ重要なこと言い忘れてたんですが、

音楽がすげえ良いぞ。
これはもう四の五の言うより実際聞いてくれたほうが良いです。
クラシックあり60年代イージーリスニングありパワーメタルあり、単独で聞いても最高ですがゲーム中に聞くとマジブチ上がります。
上記がすげえお気に入り。どこで使われてるかはゲーム中でのお楽しみ。
あとラスボス一歩前が最高。どう最高かはゲームやってのお楽しみだ!

というわけで、全人類におかれましては『Bloodstained:Ritual of the Night』をプレイしていただきたく!

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