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『ウィザードリィ』についてもーちょい語ってみる

最近進めてる今までのハマリモノ棚卸しで『ウィザードリィ』について書いたところ、なんかウィズ熱が高まってきたのでもうちょっと詳しく書いてみたいと思った次第。
完全にプレイの思い出話と原理主義者視点語りなので、「クラシック(『1~5、外伝』と定義)」をやってる人が読者対象。ついてけるやつだけついてこい。

キャラメイクで数時間なんてザラでしょう?

さて私がウィズに出会ったのは小学校4年くらいでしたか。
出会った経緯は棚卸しの方に書いたのでまあ簡単に言いますと、『ファミコン必勝本』通称ヒッポンでやたらと推されていたので次第に感化されたという話。なんでこんなマニアックなものが簡単に手に入ったんだ近所のマルKは。

そしてついにプレイする機会に恵まれ、箱の裏の「13歳以上推奨」に「* なに? *」と思いながらもいざ開始。
さあいざエンターザダンジョ……

「あーボーナス低いやり直し!」
「12……29出るんだよなやり直し!」
「また5だよやり直し!」

1時間たってもまだパーティすら組めませんでしたねwwwwwこれもウィズではチャメシインシデント。まあそうこうしてるうちに疲れてきて結局妥協するまでがオープニングです。
実際ボーナスそこそこでさっさと冒険に出ても大して変わんないんですよね。結局パラメータなんてレベルに比べりゃほぼ飾りってシステムですものね(相当後になって知りました)。

冒険者すぐ死ぬ

で、やっとの思いでパーティ作ったのですが、

「HP3???????」

いくら魔法使いとはいえ、後衛は直接攻撃受けないとはいえこれはどうなんだと当時のふじみやくんは驚きました。前衛職ですらHP一ケタなんて当たり前、二ケタあったら大成功。それがウィズ。マゾい。ドマゾい。
MPだって魔法2回使えればたいしたもの。『隣り合わせの灰と青春』で予習はしてたものの、最初の方はこんなのとは知る由もなく。
そんでもってやっとのことで地下に潜って、最初の扉を開けいざ戦闘!

4人死んでましたねwwwwwww

なまじドラクエ3やってたもんだからその感覚で行ったらすぐ死ぬ。前が死ぬつまり例のHP3の魔法使いが前に出る。全滅寸前でこれは無理と悟りギリギリ逃げ帰る始末。
ウッソやろおい始めっからこんなのとか聞いてねえぞおいどうすんだよ……生き返らせる金もないしロストとか怖いし……というわけでキャラ消して始めっからやり直し。
もうここからはボーナスなんか気にせずにどんどんキャラ作り。でもやり方が前と同じなもんだからすぐ死ぬ。作っては死に作っては死にの繰り返し……
で、次第に「一度戦闘したら戻れば良いのでは?」と悟り、そこからはなんとか全員生還できるように。よくもまあここで投げなかったもんです。
ここはアクションゲーマーの「死んで覚えればいつかクリアできる」が身についていたからでしょうか。死に覚えアクションの経験がRPGで生きるとか意味がわからないwwww

ほんとこのゲーム、最初の方は全然継戦能力ないんですよね。それでもレベル4くらいになるとHPがいきなり20くらい上がって「マジで?」とか思ったり。それでもロストが怖いもんだからマーフィーくんでレベル8~10くらいまで頑張った覚えが。あれ、レベル13でマスターレベルって話だったよね?

そういや「なんでレベル13がマスターレベルなんだ?」と当時は思ってたんですが、「初期パラメータ最低が5だから順調に上がればレベル13でパラメータが最大になる」って意味……なんですよね? 7レベル魔法覚えるのがそれくらいだし、そういうもんだからそういうもんなんだと当時は漠然と思ってたんですが……

感情移入??? 想像力????

さてゲームプレイから離れて「楽しみ方」の話題。

知っての通り最近はともかく、1~5までや外伝まではキャラクターはパラメータ画面だけ。絵も何も一切なし。ダンジョン内もFC版はマシになったとはいえ同じレンガ積みの繰り返し。

そこで必要になるのが「想像力」。

ふじみや少年のウィズの教科書ヒッポンでも「想像力が大事!」と毎号毎号言われるくらいだから「想像力が大事なんだ!」と素直に受け止めるふじみやくん。
同じくらい言われてたのが「感情移入」。これもふじみや少年のウィズの教科書ヒッポンで「感情移入が大事!」と毎号毎号言われてたため「感情移入が大事なんだ!」と素直に受け止めるふじみやくん。

そんなわけで、想像力と感情移入を「やってみた」!

「??????????????????????????????」

何もわかんなかったですねwwwwww
「大事!」とは言われながらも実際どうするのかなんて書いてませんでしたので、無駄に線画にしてみたり、「キャラクターーー!!!!」って無駄に念じてみたり、そんなプレイをしていましたが、ホンッッッッッットに何が面白くなるのか全くわからずじまい。線画モードでやってみたところで「線画だねえ……」くらいの感想しかありませんでした。

感情移入!!! 想像力!!!!

なんですが、それから遥かに時を経た大学時代、ふと「ウィズやりてえなあ」と思い立って、幸運にもSFC書き換えのウィズ123バンドルが手に入ったものでやってみたところ、

「いる……うちのパーティが……俺の考えた最高にクーーーーールな侍が!!! 口数が少なくて顔がいいエルフのロードが!!!!!!!! 最高にカワイイなボクっ娘ホビット盗賊が!!!!!!! これが……想像力……感情移入……!!!」

あの頃ただのパラメータに過ぎなかったキャラたちが、いつの間にか「それぞれ強烈な個性とストーリーを持ったキャラクター」になっていて、「それらがメインクエストの外で織りなすサイドストーリー」が見えてきたんですよ!! キャンプでヤツらが馬鹿話してたり、バトルで華麗な剣術や豪快な力技を見せたり、呪文の詠唱や印を結ぶシーンがはっきりと見えたんですよ!!!!!!!!

こちらの方で、プリチャンのうちのこと詳細設定を紹介していますが、正にこれと同じものがそこにあったんです!!!!!
なんのことはない、「想像力」と「感情移入」は「能動的に『する』」ものではなく「自ずから湧いてくる」ものだった、ということに気づいた瞬間でした。

ほんとこのゲーム、完全なハック&スラッシュで、1に至ってはほぼワードナころがすくらいしかストーリーなんてものがないですけど、頭の中ではそこに至るまでのサイドストーリーや冒険に出るまでやその後のストーリーまで明確に見えてきて、下手なJRPGよりも豊かなストーリーが、そして自分だけの、そのパーティだけのストーリーがそこにあるんですよね。

それに拍車をかけるのが「ロスト」というシステム。
ヒッポンでもこれは書かれていましたが、ドラクエ3しかRPGを知らなかった当時のふじみやくんにとっては「キャラが完全に死ぬ」というこのシステムは「ゲーム進行を阻害する信じられないもの」でしかありませんでした。
なんですが、このシステムがあるおかげで「よりキャラクターが『実際の人間』らしく思える」という効果になってるんだなあと今では思っています。
まあそれでもロストはイヤなんで死んだらリセットしてましたけどねwwww
それでも、今プレイするなら「ロスト」も受け入れて脳内ストーリーをより膨らませたり、より純粋にハクスラとして楽しむ、というのもありかなあ、と感じています。

現在のウィズの状況におそれている

そんなこんなで、急激にウィズ熱が高まってまたプレイしてみたいと思ったんですが、残念ながら個人的に最高傑作と思ってるスーファミ123のソフトは先週末帰った遠い実家。そしてこれ、今中古屋でものすげえ値段(10000円台後半~20000円くらい)ついてて、ドラキュラDS版の悪夢再びという状況。

なら復刻版とか新作とか出てるかなあと調べてみたんですが、

「えっなにこれすげえ量だし色んなとこから出てるしなんだこれなに???」

一応情報は仕入れてて、6からダンジョンマスターの影響でゲーム性特にグラフィックが一変したりとか、版権が韓国企業に行ったとか日本企業が持ってるとか、なんか顔グラがついたりとかカオスワーズが版権のアレやコレで使えなくなったかで呪文が素っ気ない英訳になってたりして「俺の知ってるウィズと違う!!!」とかなってたりとか、そんなのは聞いてたんですが、それからさらにえらいことになってたようで。

ちょっとネットで調べただけですが、なにやら「ウィザードリィリバイバル」みたいなプロジェクトが始まってて、「初心者にも入ってもらおう」「タイトルをしっかり管理していこう」という話。

らしいんですが、それに多数のメーカーパブリッシャーが乗った結果色んな所から『ウィザードリィ』を名乗るタイトルが出ていて、それを数えるだけでもクラシック版の数倍のタイトルがあって、しかもそのパブリッシャの一つからはいわゆる「精神的後継」タイトルなんかも出てるとかでもう何が何だか分からない。
なんというか、『ウィザードリィ』が「シリーズ」じゃなくてもはや「ゲームシステム」になってるような印象。これ、管理できてるのかしらん……????

でもって内容を見ていると、「初心者に入ってもらう」というのはわかるんですが肝心のウィズならではの属性やロストシステムをオミットしてJRPG要素をかなり入れてしまって、「ウィズである必要があるのかしらん?」「これで入った人がクラシックウィズやったら宇宙猫じゃね?」と思うような感じで。あげく固定プレイヤーキャラが出てくるとかでますます「ウィズである必要が~?」と思う始末。
レビューを見ると「ウィズの『精神』をとっつきやすいシステムで体験してもらう」考えなのかなあとも思うんですが……それでもやはり、質的にもJRPGシステムが入りすぎてあまりにも変わり果ててしまってて、量的にも飽和攻撃みたいな感じで、正直混乱しております。

この現状を見ての個人の感想です

ぶっちゃけ古残の原理主義者なんで「ありえねえ! こんなのウィズじゃない!」と言いたいところなんですが、調べてる間に出てきたブログで、「今様ゲーマー向けに新しい要素を入れたり理不尽なシステムを削ると古残から叩かれ、かといって原点回帰すると今様ゲーマーがとてもついてこられない」というのを見て、「全くもってそのとおりでしかない」と思ってしまうのも事実。

ここで思ったのが、これまた最近のハマりものである『悪魔城ドラキュラシリーズ』。これも『月下の夜想曲』で文字通り「天地ひっくり返るほど」のゲーム性の変化があったため、原理主義ファンがキレて日本では低迷してしまったというすげえ今語ってるのと同様の現象が起こったシリーズ。

自分としては『月下』以降の精神的後継『Bloodstained』で数十年ぶりにゲーム復帰するくらいハマったんで(noteでプレゼンもやってるよ! こちらから!)、こっちの原理主義者を「変化についてけない老害ども」と切り捨ててたんですが、今「ああ、あそこでキレた原理主義者たちはこういう感じだったんだなあ。俺も老害だったんだ……」と痛いほど理解してしまった次第です。
同時に、『月下の夜想曲』以降にハマった身として、それ以前も好きな故に、「変化を受け入れないと先に進めない」というのを強く感じます。なもんで、顔グラがついたりストーリー進行役のNPCがしゃしゃり出てきたりするのもある意味「必然」なんだろうなあと。

しかしながら、「ウィズはクラシックが唯一無二であそこから足したり引いたりするくらいなら進歩しないでもよし」という自分がいるのもまた事実。そもそもこれだけ名作RPGが無数にある中でユルくしたところで新規が入るのか……? とも残念ながら思ってしまうわけで……
そんなこんなで混乱、困惑、苦悩しているのが今ここになります。

プレイせずに切り捨てるのもアレだし一作くらい今様ウィズ遊んでみなきゃ、ウィズ「ライク」と思えば十分遊べるだろう、とは思うんですが、そうは言ってもあんだけ出てるとどれやればいいのかわっかれせんわと。
精神的後継の『エルミナージュ』が評判いいようなのでそれをやってみようかなと思ったんですが、PSPは配信終了とかDS版は評判悪いとかいろいろあってもうますますわからなくなって……

うん、やっぱ実家帰って123掘り出すか! いやしかしスチムーでも出てる? 678も出てるからこれもやっておきたい……

なんか頭痛くなってきたぞ! また明日考えよう!!!

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