2022ドラフト展望~大学生野手編~

今回は大学生野手について。

今年は矢澤 宏太(日体大)、蛭間 拓哉(早大)が1位候補。
矢澤は大学生投手の記事でも挙げていますが、身体能力を活かしたプレーを見ると、野手矢澤は上位候補といっても差し支えないレベルの選手です。
蛭間は高校時代から有名なスラッガー。長打力に加え、走力もそれなりにあり、名門早稲田でコンスタントに活躍し続けている確実性も評価されています。
他に上位候補では澤井廉(中京大)、森下翔太(中央大)、萩尾匡也(慶応大)が候補に上がります。特に澤井は地元の選手であるだけに球団としては喉から手が出る程欲しい人材でしょう。
ただ補強ポイントの記事でも述べたように今年の中日は外野手を本指名するべきではありません。昨年あれだけ大卒外野手中心の指名をしたのです。潔く諦めてもらいましょう。

中日にとって必要なポジションはショートとキャッチャー。
上位候補だと田中幹也(亜大)、友杉篤輝(天理大)。両名ともにスピードを生かしたプレースタイルが持ち味。田中は菊池(広島)を彷彿とさせるアクロバティックな守備と走塁、友杉は安定感がある堅実な守備が持ち味でプロでもショートを守れる可能性が高いのが評価される由縁でしょうか。中日スポーツでも指名候補に挙げられており、立浪監督も直接関東地方の試合には視察に乗り出すという事なので、亜大の田中には注目してそうですね。

他に上位指名が予想される内野手を挙げるとしたら、山田健太(立教大)。
大阪桐蔭時代を知っているファンが多く、人気も高い選手。東海地方出身の為、中日ファンも指名を熱望している方が多いように見受けられます。ただポジションがセカンド専任。また打撃も1年生の時と比較すると、伸びていないなぁ・・・という印象です。他の優先順位が高いポジションを無視するリスクを背負ってまで指名する選手か？と言われるとそこまでの評価にはならないと思ってます。
奇跡に近い確率ですが、山田が下位まで残っていて、なおかつ他の補強ポイントを埋める事が出来ていれば指名検討の価値はあると思います。スター性は間違いないですし、セカンドも補強ポイントの1つです。下位まで残っている事を祈りましょう。

中位から下位のショートだと、門脇誠(創価大)、村松開人(明大)、奈良間大己(立正大)、小松勇輝(東海大)。田中、友杉を指名できなかった場合は彼らが有力な指名候補。この中ならコンスタントな成績を残している門脇は特に人気になる予感。村松は故障で春季リーグはほとんど出場していない所がどこまで評価に響くかが争点。奈良間は東都2部生活が長く、目立ってはいませんが安定感ある守備とチーム打撃が出来る選手。小松も好選手ですが、東海大は社会人志望が多い為、志望届を出すかが不明。
セカンドなら斉藤大輝(法政大)、林琢真（駒澤大）がいますが、ショートが守れないと判断されている限り指名できても下位指名が精一杯。
サードは北村恵吾(中央大),下山悠介(慶応大)等が候補ですが、既存選手との兼ね合いがある以上、縁はないとみています。

また補強ポイントの1つである捕手は実力派が揃っています。
中日が大学生捕手を指名するとしたら下位指名。さらに同年齢の石橋がいる以上、彼と差別化を図る為にも守備型捕手が欲しい所。
まず名前が挙がるのが野口 泰司(名城大)。3年生から全国大会で結果を出していますので、ご存知の方も多い選手。彼の長所は長打が期待出来る打撃も勿論ですが、破綻のない守備力も兼ね備えている所が魅力。即戦力捕手が欲しい球団は確実に狙ってくる選手で、中日としても地元選手ではありますが上位で野口を指名したい場合、他ポジションの指名が出来ないリスクを背負ってまで指名するべきかが大きな争点。基本的には山田同様下位指名で狙うのが妥当な線でしょう。
他には驚異的な打撃成績を誇る吉田賢吾(桐蔭横浜大)、打撃が良い土井克也(神奈川大)がいます。特に吉田は打撃なら今年の大学生野手ナンバーワンの素材。将来的にコンバートもあり得る選手で、捕手としての能力をどこまで持ち合わせているかで指名順位が変わってくるのは間違いありません。
ただ中日にはタイプが被る郡司がいる以上、縁は薄いとみています。
下位で野口が残っていれば最高ですが、やはりその可能性は限りなく低いと考えるのが現実的。その中では碓井雅也(大商大)、石伊雄大(近大工学部)、小山忍(上武大)が挙がります。大学とのつながりの深さなら碓井は縁がありそうですが、他の指名候補と比較して、打撃が落ちる碓井は評価が難しい所。個人的には強肩で打撃も期待出来る石伊を買っています。
また話題性が先行している感はありますが、松岡 泰希(東大)の指名順位も気になる所。根尾や郡司、松田といったインテリ選手の指名が最近多くなっていますし、ひょっとしたら本指名の最後で松岡と縁があるかもしれませんね。

下位候補の外野手は中尾勇介(日大)、杉澤龍(東北福祉大)、上崎彰吾(東日本国際大)などいますが、上述したように指名見送り。

まとめますと大学生野手はショートの1名指名はマスト。
場合によっては2人目の指名も考えて欲しい所。捕手とセカンドは下位で縁があれば1名ずつ指名が理想的ですが、他に優先順位が高い選手がいる以上は指名見送りもありうる所。ただその場合でも致し方ないのかなと。
実力が劣る選手を指名しては本末転倒も甚だしい所ですし、ここはしっかり現場で議論してほしいですね。

次回は社会人投手について書いていきます。