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2023ドラフト展望~大学生野手編~

今回は大学生野手について。豊作と言われる大学生投手と比べて小粒な印象がある今年の大学生野手。

上位候補の筆頭は上田希由翔(明大)。
1年時から出場しており、安定感ある打撃が持ち味のサード。守備ではサード以外にもファーストや外野も出来るユーティリティー性も持ち合わせています。高校日本代表との壮行試合では特大ホームランも放っており、慣れてくればホームランの期待は持てるのかなと。
左のスラッガーで地元出身と補強ポイントには合致しているのですが、もう一つスカウトからは熱心さは感じられません。
こればっかりは当日になるまでわからない部分ですので、注視していきたいですね。

他には廣瀬隆太(慶大)が挙がります。
長打力なら上田より優れていて、現役選手最多の18本塁打とトップクラスの長打力を誇ります。今春は5本塁打を放ちパワーは見せつけましたが、打率は2割を切り、粗さを感じさせました。上田と比べて評価が落ちるのはやはり安定感の差なのかなと。ただ広瀬もサードに加えて、セカンドも守れる選手。ユーティリティー性がある事を考えれば、低く見積もっても3位までには消えると思います。

他に上位指名に挙げられる野手が進藤勇也(上武大)辻本倫太郎(仙台大)、宮崎一樹(宮崎学院大)。
進藤は打てるキャッチャーとして評価が高く、1年時からコンスタントな成績を残しています。強肩に加えて、破綻のない守備力も持ち合わせていて、捕手を最重要ポイントに挙げている球団は喉から手が出る程欲しい選手でしょう。
辻本は今年の二遊間候補でナンバーワンの守備力を誇るショート。また主将を務めるキャプテンシーも持ち合わせていて、数字以上にチームに好影響を及ぼしてくれそうな予感がある好選手。北海道出身という事もあり、日ハムが熱心だという噂も。
宮崎は身体能力の高い外野手。粗さはありますが、大成すればリターンも大きいスケールの大きさが魅力の選手。日本代表にも選ばれており、地方リーグの選手ではありますが、実力は中央球界の選手にも劣りません。
この中で進藤、辻本は中日の補強ポイントに合致はしています。本来なら狙っていきたい選手ではありますが、上位枠を彼らに使うよりは他の補強ポイントを優先して欲しいのが本音。指名条件としては3位か4位に残っていて、なおかつ他の補強ポイントが埋められる見通しが立っていれば縁があるかもしれないくらいで考えておいた方が良さそうですね。
特に二遊間は中位から下位で獲得できそうな選手もそれなりにいますし、上位で他の補強ポイントを埋めて、捕手と二遊間は中位以降でいいのかなと。

もう少し下の順位で獲れる野手で、スラッガータイプでは廣瀬にも劣らない長打力を持つ大型ファーストの村田怜音(皇學館大)、左のスラッガー内海貴斗(法政大)が挙がります。
外野手では日本代表組の天井一輝(亜大)、中島大輔(青山学院大)を筆頭に西村進之介(専修大)、福島圭音(白鴎大)、石神悠樹(松本大)、桃谷惟吹(立命館大)と俊足巧打型が目立ちます。中日には同学年の岡林がレギュラーに定着していますし、俊足型の外野手は基本的に必要ありません。
村田は長打力不足の解消にはうってつけの存在ですが、鵜飼と役割が被りますし、どうしても欲しいなら下位まで我慢してもらうしかありません。内海に関しては活躍したのが今春のみと考えるとフロックではないかを見極める必要があります。それでも指名する価値があると思えば、上位でスラッガーが獲れなかった場合のBパターンとして考えておくのも面白そうですね。

先ほど書いた中位以降で獲れそうな二遊間候補では、地元出身で安定感がある熊田任洋(早大)、同じく地元出身で打撃に課題はあるが、守備がいい今泉颯太(法政大)、強肩で成績も安定している石上泰輝(東洋大)、動きが良く打撃も守備も思い切りがある松浦佑星(日体大)、投手もこなす程の身体能力を持つ島村大樹(上武大)とショートはそれなりに人数は揃っています。ただいずれも俊足巧打型の選手になります。
タイプの違う選手だと打力の高い佐藤啓介(静岡大)がいますが、ショートを守っていない事と昨年二遊間を多数指名した以上、セカンド専任の選手の指名は非常に難しくなっています。縁は薄いと見た方が良さそうですね。
今季の二遊間は村松、福永、龍空をメインで起用しました。ただ依然として二遊間の人数は不足しています。カリステもここにきてアピールしていますが、外国人という事を考えると1名指名して運用に余裕を持たせたい所。今年は社会人の二遊間候補もいますし、人数自体は不足していません。ただ長打力があるとはいえない選手ばかりである事を考えると、順位を繰り上げてもあまりチームにとっていい事にはならないかなと思います。指名状況次第ですが残っている選手のレベルに疑問を持っているなら、割り切って育成枠での指名、あるいは他球団のリリースを狙う等別の手立てに切り替える事も一考かなと。

捕手では宮崎恭輔(慶応大)、有馬諒(関大)、友田友卓(日大)以外は当落線上といった情勢。
現在捕手の人数は7名。おそらく1名リリースされる事を考えると、本音を言うなら補充をしたい所。ただ捕手に関しても順位を繰り上げて指名する程、優先順位は高くありません。二遊間同様育成枠での指名や他球団のリリースに切り替える事になっても致し方ないと思います。

次回は社会人投手について書いていきます。