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キノコを安全に食べるための知恵?それとも…

こんにちは、のんてりです。
この晩夏~秋は、青森、福島、新潟、長野の博物館や遺跡を忙しく駆け巡り、たくさんの縄文の遺物を目にすることができました。

縄文と言えば縄文土器や土偶を真っ先に思い浮かべますが、「土製品」も多く出土しています。

土で出来たものでは、耳飾りや腕輪は「装身具」、お面のような「土面」や板のような「土版」、それ以外のものは「土製品」と呼ばれています。

これは本物そっくりの「キノコ形土製品」です。

縄文の学び舎・小牧野館蔵

キノコにそっくり!それに種類も豊富!

福島市 じょーもぴあ宮畑蔵

まるで本物そっくりのオブジェのような「キノコ形土製品」ですが、「土偶」が祈りの道具であると言われているように、やはり祭祀の時に使われた道具であると考えられています。
「森の恵みに感謝して、来年の豊作を祈る」ような、収穫祭的なお祭りがあったのかもしれませんね。

一方、福島市の「じょーもぴあ宮畑」でもう一つユニークな仮説を見つけました。
それは、「キノコの種類」を表しているというものです。

今でもキノコ狩りで命を落とす人がいるように、
当時も同じような事があったと想像すると、
「食べられるキノコ or 食べられない毒キノコ」を示すためのキノコの見本があっても不思議ではないように感じます。

三内丸山遺跡蔵

こちらは、かなり写実的な表現の「干しシイタケ」⁉

各地に再現された縄文時代の竪穴住宅では、保存用の食料として、肉や魚などを燻製にしたり干したりしているのをよく見かけます。
秋に収穫した「キノコ」も、冬に備えて干して保存していたのかもしれませんね。

これらの「キノコ形土製品」は、祈りの道具であったのか、種々のきのこの見本であったのか…。
その答えを簡単に見つけることはできませんが、「キノコ」が明確な土製品として表されていることには、何かの理由があったはずです。

縄文遺跡の多い東北や北陸、中部高地地方は、これから厳しい季節を迎えます。
東北地方の遺跡の中には、既に冬季閉鎖中のところもあります。
寒く長い冬をいったいどのように過ごしていたのか?
ぬくぬくと温かい部屋で、ちょっと申し訳なさを感じながら、想像する毎日です。

お読みいただきありがとうございました。


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