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カワイイだけではないんです

まるで軽快にステップを踏んでいるような、眺めているだけでこちらまで楽しくなってしまう土偶がいます。
頭が三角形の山のような形になっていることから山形土偶と呼ばれています。
明治時代の貝塚に足しげく通った収集家たちに人気があり、彼らによって名付けられたと言われています。

縄文時代後期に千葉県佐倉市江原台遺跡から出土した高さ11.9cmのこの小さな山形土偶は、腕と右足が失われた状態で発見されました。

山形土偶は東北地方と関東地方で作られましたが、この土偶は関東地方の典型的なタイプで、張り出した腰、穏やかな顔がトレド―マークです。

明治

少し微笑んだ顔、耳には丸い耳飾りの装飾をあしらいうなど、女子力高めな風貌に加え、なかなかのナイスボディ。(ここだけの話、土偶界一の巨乳と言われています)
左右に広げた両手の先が、きゅっと反り返しているのも山形土偶の特徴です。

頭が三角形の山形になっているのは、一説には髪型だったと言われています。
顔の各部分は粘土状の紐で作られていて、中でもT字形に表現された眉と鼻が印象的です。
顎のラインもこのT字形と同じカーブで表現されていて、小顔を強調しているようです。

お腹が膨らんでいることから、妊婦をモデルにしているようです。腰の下あたりには2本の線が引かれ、その上に三角形が描かれています。三角形は子供を宿している母親の体の変化を表している、とも考えられています。

後ろ姿はと言うと‥

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楽し気な前面と違って、かなり地味な感じです。
後頭部に大きなこぶのようなものがあります。このこぶのようなものも山形土偶の特徴です。
これが何を意味するのかは分かっていません。

首と腰には、全面には無かった2本の線模様があります。ネックレスやベルトの様にも見えますが、後ろだけとは変なかんじですね。

腰の少し下にある2本の線と三角形は同じですが、後ろにもあるとなると、身体の変化ではなく装飾でしょうか?

前と後ろで整合性があまりとれていないような作りにも感じられます。
後ろ姿からは、あの軽快なステップをふんでいる山形土偶だと気づいてもらえないかもしれません。

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前から見る限りは、思わずこちらまで踊り出したくなってしまう、そんな愛らしい土偶です。

最初に山形土偶という名を聞いた時、実はてっきり山形県の出身かと思ってしまいました。見つかった場所でないと知ったのは暫く後になってから‥。
明治大学博物館で笑顔で皆さんを迎えてくれます。

最後まで読んでいただき有難うございました☆彡

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