3話 『埋め合わせの時間』

「悠真楽しそうだね。」
遥菜の声が公園に響く。僕は少しハニカミ応えた。
「うん、ちょっと暇だったからブランコ漕いでた。」
遥菜は隣のブランコへと腰を掛けた。
「ブランコ懐かしいなぁ。いつ振りかな、中学の終わりくらいかも。悠真は?
そういうと、遥菜は足でブランコを揺らし始めた。

「うーん…。いつ振りだろ、一昨日かな。」
遥菜は顔を綻ばせ、僕の肩を軽く叩いた。
「一昨日なら、そんな溜めていう事無いじゃん。ふふっ。」
うん、ただ遥菜を笑わせたかっただけ。
僕たちは学校では話せない分だけ共有し、大切な時間を過ごした。

「話していたら喉乾いちゃった。この公園って販売機とかあるの?」
そういえば、喉がカラカラだ。
「うん、あるよ。此処を真っすぐ行った所の公衆トイレの横。買いに行く?」
遥菜は手を差し出し言った。
「うん。」
僕は遥菜の手を取り、販売機へと歩き出した。



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