2話 『2つ目の秘密』

「ただいま~♪」
と、言っても返事はないんだけどね…。
私の家は母子家庭という事もあり、親の帰りは遅い。
テーブルの上には1枚の紙きれ、野口英世が描かれている。それを手に取り自室へと向かう。

何時もなら制服からボトムファッションへと着替えるけど、今日はスカートへとチェンジした。
少しでも可愛く見られたいからかな。
まぁ…。私の方から告白した訳だし、いっぱい好きになって貰いたいもんね。

今日とか手を振ったら恥ずかしそうに振り返してきたし。
可愛かったな…。

なんて悠真(ゆうま)の事を想い出していると、約束の時間も近づき私は家を出た。二人だけの秘密の場所へと向かい歩くのだ。
空は茜色から群青色の弾幕が垂れ下がりライトは点々と照らされ始めた。
秘密の場所に着く頃には星のカーテンが空を覆っていた。
まぁ…。秘密の場所と謂っても公園なんだけどね。

月明かりに照らされたブランコで悠真(ゆうま)が揺れている。
なんか、可愛い。

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