短歌

桃に染め海老茶式部な春景色ひらり舞う華恋を契りて

ボロ心 錦着飾り 絡新婦ファンデ剥げだし欲の意図張る

泥酔で床寝な女雛ひなおさめされず埃が顔にたかって

「春はもう来ません」という君の眼はとても青くて春を感じる

午前2時センチメンタル遊ばせて朧月夜に虹を駆けるよ

後ろ髪引かれる想いなのになぜ隣の君にきゅんとしている

さよならの言葉が胸を締め付ける伸ばした指は君の背かすめ

国ノ為 欲シガリマセン 勝ツマデハ童モ財モ 蛍ト散リテ

國ノ為 玉砕覚悟 吶喊シ還ル魂 慰霊碑刻ム

春の夕 想紫苑 宙に咲く季節飛び越え捩りを濡らす

報われぬミモザをそっと君たくしふたりの背中に影を落として

鼻じゃれる香りふりまき春うごく泣き笑う顔ただ愛しくて

ハルジオン想い涙す菜種梅雨上がりて虹は輝き澄んで

恋切れて涙を流すあなたへと枝垂桜の姿重ねて

寒空に凍える両手息を吹く貴方は来ない潰えた祈り

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