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ドーベルマン・ジャイ子 その2

”え?ワタシ、どこかに連れて行かれるの?
ワタシ、いい子なんだけどなぁ・・・”

それから間もなく、ワタシはおじいさんに車に乗せられて、
公園に連れて行かれた。
そこには他にも車が停まっていて、何匹かの犬や猫がいた。
今まで嗅いだことのない匂いがして、
ワタシはその匂いが好きじゃなかった。
知らない人間がワタシを囲んで、
足にチクって何かが刺さった後は覚えていなくて、
気が付くと顔の周りに何かがついていて、
視界がとても狭くなっていた。
そして、下腹が痛かった。

その頃にはもう、ママも女の子もいなくなっていた。
ワタシは相変わらず、パパのお家の庭にいたけど、
アンティが朝と夕方にごはんを持ってきてくれて、
オジサンが散歩に連れて行ってくれるようになった。
パパがいなくなってから、
ワタシはほったらかしにされていた。
ママがごはんをくれていたけど、
お水の入った入れ物は洗われることはなく、
緑色の苔が入れ物の底のところどころに生えていたの。
アンティはごはんとお水の入れ物を
毎回洗ってくれて、
いつも新鮮なお水が飲めるようにしてくれた。そ
れはとても嬉しかったけど、
でも、ワタシは誰を守ったらいいのかわからなくなった。
オジサンは散歩に連れて行ってくれたけど、
十分な時間をワタシと過ごすことはなかった。
ワタシはとても混乱した。

おじいさんがオジサンちの庭にフェンスを作って、
とても狭い囲いの中にワタシは入れられた。
今まではパパの家の庭を自由に駆け回っていたのに、
その10分の1くらいのスペースしかなくなった。
散歩は若い女の子が連れて行ってくれるようになったけど、
毎日じゃなかった。

ある日、オジサンがお家からいなくなった。
それから数日後、
「今日はペッパーに会いに来る人がいるから、
いい子でね」
少し緊張した顔で、アンティが言ったんだ。

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