コーチングに嫌々参加したら「私って岩かも」と思った話
「私って岩かも」と思うまで
5/28 21:00 コーチングに嫌々参加する
「コーチングめんどくさい。行きたくない」
シーに入会して早2か月。
2回目のコーチングを目前に控えた私は、ブルーどころか超絶ブラックだった。
だって、平日だよ?仕事終わりの21時だよ?
終わったら寝落ちできるように、お風呂やらご飯やらとにかく全部済ませたかったのに、そういう日に限って帰宅できたのは20時前。
当然、心身ともにクタクタの状態。
おまけに、コーチングには苦手がぎゅぎゅっと詰まっていた。
初対面の人に自分のことを話す
人の話を聞いてコメントを返す
その場で質問に答える
どんな環境でも誰とでも、人と話すだけでクタクタになってしまう私にとってコーチングはレベルMAX。苦手フルコンボだどん!状態。
こんなに疲れることってある?と、正直、嫌悪感しかなかった。
苦手ならやめればいいと思いつつ、
入学式以降「コーチング大事だよ」と耳にタコができるほど聞いていたし、
夢を叶えた先輩たちは「コーチングのおかげで~」と口を揃えて言うし、
シーの受講生(以下:シーメイト)のインタビューには「コーチングで変わりました!」ってなんだか胡散臭いキャッチコピー(失礼でごめんなさい)がついているし…。
できれば避けたいけど、そんなに大事なら仕方ない。
そんな屁理屈で予定がない日の空き枠を予約したのが1か月前。
案の定、当日の私は大、大、大後悔。
先月の私、モチベ高すぎない?とか、
明日も仕事なのに今からやるの?とか、
どんな罰ゲーム?とか、
ブツブツ不満を言いながら直前までキャンセルボタンとにらめっこしていた。
でも、でも、でも。
そもそもこの時間に予約したのは自分だし、ドタキャンは相手に迷惑をかけるし、学習のさぼり癖がつけば自分が困るよね。仕方ない。
結局、半ば諦めモードでご飯を後回しにしてバタバタとお風呂に入り、髪を乾かす時間もなくそのままPCを立ち上げた。
そしたらまぁどういう運命か、このコーチングが自分をガラッと変えるきっかけになってしまった。
5/28 22:35 「コーチング楽しかった!!!」と投稿する
始まる前まで「嫌だ~眠い~怖い~」とネガティブモードだったのに、終わった後の私はこんなことを書き残していた。
1時間半で何があった?って自分でも謎。
はっぴーはっぴーはっぴーと、TikTocで流行りの猫みたいに両手をジタバタさせて、ウキウキしていた。
その日の参加者は、私の他に、3年目のベテランシーメイトさんが2人。
このお2人が、まぁすごかった。
言うこと為すこと全てのレベルが高い。
ビジョンマップの構成、月目標の立て方、TODOリストの内容。
どれも具体的を超えた「リアル」で、目標が濃い分、当然振り返りの文章量も濃い。
3~4行のメモ程度に収まった私の振り返りとは、桁違いすぎた。
シーでの学習だけではなく、日常で気になっていたこと、やり残したこと、キャリア、子育て、生活、夢、1年前の自分との比較。
できたことの分析はもちろん、できなかったことや「どうしたらできそうになるか」への眼差しがアツい。
振り返りというにはもったいない、あまりにも緻密すぎる。
あれは「国産の純度100%の内省のみを使用したコラム」だと思う。
本当に「古参強し」の一言に尽きた。
一方「3年目すっげー」と開いた口が塞がらない新米2か月目の私といえば、そんな状態で感想コメントを求められて、頭が真っ白に。
プチパニックなので、当然、ありのままの感想をお返しするしかなく。
「シーの学習以外にも野菜買うとか、そういう日常的なことも書いていいんですね。
私も書いてみようかな」
慌てたとはいえ、我ながらひどいコメントだと思う。
やっちまったなぁ、と不甲斐なさにつぶれそうになっていると、すかさずコーチからFBが飛んできた。
「いいですね!
めるさんは、今すぐできそうなことで、何かやってみたいことないですか?」
「あっ、えっ、何ですか?
今すぐできそうなこと?ないですよ?」
…とはさすがに言えず。
プチパニック再来でとっさに脳裏をよぎったのは、少し前から企てていた「無職になったら会社員にはできない髪色にしてみたい」という社会人の反抗期みたいな欲望。
今すぐにしてはハードルが高い。しかもアバウト。実現できるかも分からない。
え?これ言うの?
2秒くらいの葛藤の後、他に思いつかず「どうにでもなれ」と、結局投げやりにカミングアウトした。
あ~ぁ、言っちゃった。
変な人だと思われたよな、と癖になった自嘲で締めると、コーチからは信じられない回答が。
「めっちゃいいですね!!!
それやりましょう!!!」
なんということでしょう。大絶賛の嵐。
そこから古参シーメイトさんも交えて、会話の内容は他でもない私のことなのに、私より想像力が豊かなお三方の話が弾む弾む。
「自分のやりたいことからSHEを活用するといいですよ」
「小さい『やってみよう』を積み重ねて、やったことを記事にしてもいいかも」
「何色にするんですか?金髪ですか?」
「『無職になった私が金髪になって感じたこと』とか書いたら面白そうじゃないですか!読みたい!」
本人、唖然。
発表するたびに「こんな自分ごとを話しても意味ない」と思っていたので、目が点というか、あっけに取られたというか、とにかく私のことを認めようとする勢いがすごかったことを覚えている。
さらにさらに。
「めるさん、下がったら上がるだけですよ」
「今しっかりできているから、めるさんなら大丈夫。絶対いいことあります」
もったいない励ましの言葉もたくさん。
そんなに言い切られたこと、今まで一度もなかったので、ま~びっくり。
「ふぇぇぇ~。見ず知らずの私のこと、なんでそんなに褒められるの~」と、若干の逃げ腰状態だった。
正直こんなに肯定された経験がないので、若干の違和感というか「本当に思ってる?」と疑いつつ(ごめんなさい)、「こんなに褒めてくれるならもう何でもいいから言っちゃえ」と、その後はいろいろカミングアウト祭りになった。
(本当にみなさん、温かい言葉をありがとうございます)
高校を受験するとき。バイトを探すとき。大学を受験するとき。就職するとき。
人生の選択肢でうんざりするほど聞かれた「やりたいことは何?」は、私の首を絞める呪いで、やりたいことなんて何もないと思っていた。
でも、違った。
やりたいことはあったけど、「やりたい」と認めていなかったらしい。
今までの目標は全部、志望校合格とか、バイトや就職が決まるとか、そういう無意識に大きいものばかり選んでいて、足元に転がっている小さな「やりたい」に気づかず、踏みつぶしていたのかもしれない。
でも、今日、あっさり見つかった。
何もないと思っていたけど、これって「やりたい」なんだ。
そのままコーチに促されて、今まで些細なことだと思って蹴飛ばしていた「やってみよう」をリストアップしたら、なんか今この瞬間が楽しくなった。
あんなに嫌々だったのに、もう全部目からうろこ~!ってよく分からないテンション。
とにかくもう、はっぴーはっぴーはっぴーって感じ。
認めてくれることは嬉しいけれど、やっぱり慣れていなくて、抵抗を捨てきれない気持ちもまだある。
怖いけど、もしかしたらその機会を全部捨てるのって、少しもったいないのかも?と気づく。
内省する人間だと過信していたけど、全然そんなことない、まだまだ浅いなぁと痛感するくらい、自分の狭い思考からは出てこないことがたくさんあった。
だって「今十分できている自分」を、全然分かっていないことに気づかされたから。
そんなこんなで予定より30分オーバーしたコーチングは、はっぴーはっぴーはっぴーのまま、22時半に幕を閉じた。
5/28 23:00 コーチングで立てた目標を実行する
そういうわけで終わった後、熱もそのままに「やってみようリスト」を作って、ぱっと思いつくことを7個くらい書いてみた。えらいでしょう。
その中に「SHEのイベントでブレイクアウトルームに入る」と書いてから、あ、と気づく。
今までもイベントには参加していたけど、いつもカメラ・マイクともにオフ。
たまにチャットを投げるくらいで、しっかり交流したことは、まだなかった。
だって仕事で疲れてるし、お風呂上がりの頭だし、眠いから早く横になりたいし(また何か言ってる)。
結構、心身に余裕がない状態で参加していた。
でも「これでいいや」と思いながらも、正直どこかで「もったいないな」とも思っていた。
何をしたくてシーに入ったんだろう。
まだ何も活かしきれていない。
あ、と気づいたカレンダーには、明日の日付で新入生歓迎会の予定が入っている。
だいぶ前に予約したけど、コーチングと同じく乗り気じゃなかったので、すっかり忘れていた。
怖い。でもやってみたい。
1回やんなきゃ始まらない。
逆に、やってみれば案外「こんなものか」と思うかもしれない。
今日だってそうだったから、それならやってみればいいじゃない。
そうだ、やってみよう。
そういうわけで翌日、心臓をバクバクさせながら、新入生歓迎会に参加した。
5/29 19:30 新入生歓迎会に参加する
結論、参加してよかった!!!
コーチングと同じ1時間半。
そのうち交流タイムが2回、合わせて40分程度。
ずーっとカメラをつけて、交流タイムはマイクオンにして、THE・交流タイムを過ごせた。
ついこの前まで耳のみ参加LOVEだった人とは思えない。自分でもびっくり。
最大4人のブレイクアウトルームは、いわゆる少人数だと思う。
それでも、マンツーマンさえ逃げ腰になる私にとっては怖い人数だった。
一度考え始めると止まらない頭で、人数が多いほど見る場所が増えて疲れてしまうから。
例えば、ブレイクアウトルームに入った直後は、10秒くらいでこんなことを考えている。
ざっくり、こんなことを考えていた。
そうして備えに備えた初めてのブレイクアウトルームは、心配をよそに、あっさり上手くいった(と自分では思っている)。
よかった。なんとかやれた。
エンディングを聴きながら、じわじわと「やれたんだ」と実感。
これも些細なことだけど、小さなやってみようを実行してやり切れたんだと、なんだか感じたことがない、よく分からない感情が出てきた。
自認ってやつなのかな?これって。
感性が変わったのかな、何なんだろう。
感性って元々その人に備わっている部分もあるけど、でも、経験を積んで視野を広げたら磨けるものなんだよなぁ。
そんなふうに、書くときにいつも思っていることが、ぼや~っと頭をよぎる。
感性って磨けるんだ。
石ころをダイヤモンドに磨き上げるみたいなこと言うよな。
私、ダイヤモンドになったんかな。
「あ、ってことは私、石ころだったのかも?」
5/29 21:00 「私って石ころだったんだ」と思う
ここからは、変な頭の中で編み出した、ちょっと概念的な話。
私たちは、会社とか、家族とか、社会とか、何かしらの組織に所属している。
組織って大きな山みたいで、山って大きいけど、そこに生えている木1本1本や花や土って、相当近づかないと肉眼では見分けられない。
だいたい「山」ってひとくくりにされちゃう、悲しいことに。
そこから何かの拍子で、きっかけがあって落ちてきた石が、私。
地震や土砂崩れみたいな悲しい出来事に揺さぶられて転がり落ちたのかもしれないし、地面の隆起とか変わりたいきっかけがあって飛び出したのかもしれない。
自分から飛び出したならまだしも、もしかしたら土地開拓とか森林伐採みたいに、誰かに侵食されて山から投げ出されたかもしれない。
石って割れやすくて転がりやすくて、簡単に投げ飛ばされるちっぽけな存在だから、割ったり削ったり、いいようにされてしまうんだよね。きつ。
誰かにやいやい言われたことがきっかけで変わるのって、痛いし、きついし、続かないし、だんだん自分が嫌になってくる。ちょっと前の私みたい。
でも、形を変える方法って、実はいくらでもある。
ふと先日、避暑で滝に行ったときの風景を思い出した。
上流には大きな岩があって、今はびくともしないけど水の流れで少しずつ丸くなって、下流では綺麗な石ころになっていたり、砂になって水に溶けて、外国とか深海とか滝つぼから遠い世界に旅立ったりするのかもしれない。
固くて重くてどうにもできない頑固な岩だって、水が時間をかけて角を削って柔らかく丸くして、身軽にしていく。
そして、閉じこもっていた悲しみとか苦しみとか、日の目を浴びない暗い部分を洗い出す。
そういう変わり方をしたいなって、なんだか思った。
5/29 21:05 「私って岩かも」と思う
コーチングに参加するまで、目標は明確なはずなのに、どこか怯えていた。
足は震えているのに、頑張ってエベレストを登ろうとしていたんだんだな、きっと。
装備も知識も不十分なのに目標ばっかり高くしていた。
そりゃぁ、転ぶだけじゃ済まないよ。
大けがするし傷つくはずだよ。
でも「まずはここから」と優しく声をかけてくれる玄人―――登山ならプロの登山家になるのかな。
シーではそれが、コーチ、先輩シーメイトさん、同期、そして今から増えるかもしれない仲間たちになるのかもしれないし、そこからシーの外に広がっていくのかもしれない。
自分ではできていないと思っていたけど、コーチングで「まずはここから」と言われて、自分でも気づいていなかったことや、気づいていたけど人の目を気にして無視していた「やりたい」がたくさん出てきた。
私、話せるかも。できるかも。
やれるかも。やりたいかも。やってみたいかも。
きっと、ずっと、誰かに認めてほしかったのかなぁ。
でも、たぶん、もう大丈夫だよ。
そう自分に声をかけてあげたいし、誰かにもそうしてあげたいなぁとつくづく実感している。
大岩が水で包まれて砂になって流れていくように、苦しくて悲しくて、でも諦めたくなくて過去に縋り付いた私は、シーに、変わるためになくてはならないものに少しずつ丸められて、身軽になって、自分の足で新しい世界に飛び込んでいくのかもしれない。
そのときはきっと、過去に縋り付いて怯えて閉じこもっていた私を、認められるときなのかもしれない。
そう思いたいし、そうなれるように、明日を生きようと思った出来事だった。
私って石みたいだなぁ。
山(組織)から追い出された、ちっぽけでどうにでもなる存在だと思っていたけど、もしかしたら私は大岩で、自分から山を飛び出した重たい意志(石)の塊なのかもしれない。
もしそうなら削れるところはたくさんあるし、簡単に捨てられないし、割れないし、閉じこもっている感情になんか負けない何かがいっぱいくっついているはず。
大きいからその分時間はかかるだろうけど、でも、それでいいのかもしれない。
コーチングのときに、自分でこう言った。
今までの私なら焦っていた。
でも、今は焦る理由がない。
気になることは(お金とか)多少はあるけれど、生きていれば問題なんて生じるものだから、そのときどうするか、どうできるかは私次第だし、私が決められるはず。
だから今は、ギリギリまで気の向くまま、シーにいればいい。
そしていつか、どこかのSeaに辿り着けば、全部結果オーライじゃない?
そういうわけで、SHElikes。
これからもよろしくお願いします。