雇われる立場を楽しむためには

最近は「＃起業しろ」というハッシュタグが流行るなど，フリーランスとしての生き方に注目が集まっています。
インフルエンサーと呼ばれる方は多くの場合がフリーランスとして生きています。

一方で，なかなかフリーランスとして生きていく決心がつかず，雇われながら生きている人も多いのではないでしょうか。

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雇われて働いている今の状況が苦しいという場合，何が苦しいのかを考える必要があります。

「雇われて働く」というスタイルそのものが苦しいなら独立を考える必要があるでしょう。ですが，一方で「雇われて働く」ということそれ自体には特に苦しさを感じない人も多いのではないでしょうか。

そういう人たちが「今の働き方に苦しい」と感じているとき，何が苦しいのかと言えば「雇われる」というスタイルではなくて現状の「仕事内容」や「労働条件」あるいは「労働環境」に問題があると感じているのだと思います。

まずは「何が苦しいのか」を徹底的に具体的にしていくこと。
そこから，仕事人としての幸せの追求がはじまるのだと思います。
現状の問題を解決する手段がフリーランスのみだと誤解していると，選択を誤るおそれがあります。問題とそれを解決する選択肢を全部書き出すことがスタートラインになるのです。

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「仕事内容」「労働条件」「労働環境」といった問題の種類ごとにとるべき対応は異なります。この問題は個別のカウンセリングや労基署の対応あるいは転職によって解決されるべきものです。

一方で，雇われる立場がより楽しく働けるために一番有効な方法は分かりきっています。

それは「雇い主にとって価値ある存在になること」です。

日本の法律では簡単に従業員を解雇することはできないようになっています。また，簡単な理由で減給することもできません。意外と「雇い主にとっての手持ちのカード」は法律上は制限されているのです。

一方で，会社員のほうは簡単に会社を辞めることができます。
つまり「辞める」というカードを持っているんです。これは結構強力なカードになりますよ。

とはいえ，新人のペーペーが「辞める」というカードを切ったところで雇い主にとっては痛くもかゆくもありません。「はいどうぞ」と辞表を受理されておしまいです。

「辞める」というカードが効果的なのは，雇い主にとってその会社員が貴重だからです。あなたがいないと会社が困るほどの存在になれば，「辞める」というカードは天空の城ラピュタの「バルス」という滅びの呪文ほどの威力を持つことになるでしょう。

会社員は非力です。
雇い主と戦うためのカードを持つ必要があります。
カードの価値はあなたの雇い主にとっての価値とイコールなのです。

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あなたが能力を最大限にまで高めて「辞めるカード」の価値を最大限に引き出しとき，おそらく以前より仕事は楽しくなっているはずです。

まず，カードの価値を高めたうえで得られた副次的な効果ですが，「仕事ができるようになる」ということが「仕事の楽しさ」につながることが十分考えられます。

できない仕事をなんとかやるうちは楽しさは芽生えませんが，仕事ができるようになると自分でも創意工夫する余地が出てくるので楽しくなってくることがあります。

次に，カードの直接的な効果としては，あなたの会社員としての発言力が増すということです。

辞めるカードの価値を最大限にまで引き出せば，多分，あなたが「仕事量が多すぎてこれ以上はきつい。残業はできない。」とはっきり言ったところで「だったら辞めろ」とは絶対に言われないでしょう。

むしろ，このときに雇い主が怖がるのは「これで残業を命じると辞めるのではないか」ということです。「辞めるカード」の価値を最大まで高めれば，あなたの労働環境の改善につながります。

残業だけに限りません。
賃金であっても仕事内容であっても「その会社で実現できる内容」についてはあなたの「辞めるカード」の価値を最大限引き出せば実現できてしまう可能性があるのです。
「辞めるカード」を切ることをおそれている雇い主は結構多いですから，会社員はもっとうまくその雇い主の心理をついて楽しく働いてもらいたいなと思っています。

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