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アイドル目眩く

 私が好きなものは、【女性アイドル】です。日本では 1970 年代から今日に至るまで、数々のアイドルと呼ばれる方々が、私達の生活に彩りを与えてくれました。私は彼女たちが大好きです。今やアイドル像も多様ですが、グループや楽曲、各個人の魅力を伝えようとしている彼女達の姿は眩しく、そして儚いものです。その努力する姿と天性の才能で人を圧倒し、虜にするのです。若輩者で全アイドルを存じているわけではありませんが、ここで 1 人、私がこれまでの人生で最も心酔したアイドルについて、記させていただきたいと思います。


 そのアイドルの名は、松田聖子さんです。
 「青い珊瑚礁(1980)」「赤いスイートピー(1982)」などといった曲名を聞けば、ピンとくる方も多いと思います。彼女は 1980 年に歌手としてデビューして以降、清純でおしとやかな印象を受ける楽曲から小悪魔さや色っぽさ、そして哀愁を感じる楽曲まで、少女が少しずつ大人になっていくように、時の流れと共に数々の曲を歌ってこられました。守ってあげたくなる愛らしいお顔、甘く艶のある声、品がありつつも可憐さや天真爛漫さを感じさせる仕草や話し方、そしてどこか芯の太さを感じさせる雰囲気。当時のファンに聖子姫と呼ばれていた理由がよく分かります。とてもお仕え申したくなります。また、聖子ちゃんはどの曲に

際してもその曲の主人公になりきり、心から楽しんで歌っているように感じます。だから、鑑賞している側にその気持ちが伝染するのか、幸福感に満たされるのです。

 私が聖子ちゃんの曲で最も好きな曲は、「小麦色のマーメイド(1982)」という曲です。作詞松本隆、作曲呉田軽穂、「渚のバルコニー(1982)」に次ぐ聖子ちゃん 10 枚目のシングル曲。夏のけだるい午後、プールサイドにいる恋人たちの風景を想像させる曲で、前作までとは異なり、色っぽく、どこかアンニュイな雰囲気がある曲。あくまで 1 つの解釈ですが、“相手のキザな言動にいちいちときめいてしまうほど相手のことが本当に好きなのだけれど、素直になれなくて、まっすぐ相手の胸に飛び込んでいくことができない”という主人公の心情が、“人魚のように思うままにあなたについていきたいけれど、現実には自分は足がある人間であって、自由についていくことができない”という比喩で表されている曲です。曲中に「常夏色の風追いかけて あなたをつかまえて生きるの 私裸足のマーメイド 小麦色なの」という歌詞があります。この前半部分では主人公の相手に対する情熱的な気持ちが強く感じ取れます。一方で、後半部分では心を委ねられない切ない気持ちが感じ取れ、加えてマーメイドという語から童話の人魚姫に描かれているような悲しい結末が想像され、より深い切なさが感じられます。一曲を通して揺れ動く主人公の気持ちを声、表情、そして仕草で見事に表現する聖子ちゃん。この曲を歌う彼女を初めて拝見・拝聴した時、この世のものなのかと疑うほど感動し、萌えの権化だと思いました。あとは言葉が出ません。

 聖子ちゃんはじめ、私は数多くのアイドルに日々癒されています。アイドルの方々、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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