「SKYに届け!韓国受験戦争」を観た。
おなじみアジアンドキュメンタリーズで観たかった『SKYに届け!韓国受験戦争』を観た。韓国の受験戦争を描いた韓国とベルギー製作の映画である。これも面白かった~。SKYと言うのはSeoul大学、Korea大学、Yonsei大学の頭文字をとったもので、3校とも韓国を代表する超エリート校である。
全然知らなかったのだがこのSKYの入学戦争に参戦できるセレブたちの戦いを描いた『SKYキャッスル上流階級の妻たち』というドラマがとても人気らしい。
『SKYに届け!韓国受験戦争』はそういうなんかバブリーでセレブな世界ではなくて、お父さんとお母さんが喜んだり、心配したりというもうちょっと庶民的な感じの受験をめぐる悲喜こもごもを描いていた。実際登場する高校生が合格する大学もSKYではない普通っぽい大学とかだった。受けるのは修学能力試験(スヌン)という共通の試験で、その点数により、志望校合格か、第2志望か、第3志望かはたまた浪人か、と点数によって本人が決めて、その後出願する、という順序らしい。(映画を観た感じでは)
そういう悲喜こもごもは日本の受験と似通っているのだが、ニュースでも流れる、パトカーが遅刻しそうな受験生を送ったり、英語のリスニングの時間は飛行機の離着陸を禁止したり、仏教寺院で家族が一晩中お祈りしたり、とか日本ではない風景もあって新鮮だった。
観る前はどんだけクレージーな世界なのだろうかと思ったのだが、今まで中国とか北朝鮮のぶっとんだドキュメンタリーを観てきたので、そういう映画に比べるとほがらかで癒し系のハートウォームな雰囲気の映画だった。
あと東北アジアなので、欧米みたいに大学入学というのは個人のキャリアを達成するための資格や通過点ではなくて、受験というのが中国の科挙的な1つの文化、イニシエーション的なもの、1種の宗教儀式のようなものなのだなというのも感じる。
欧米だとその本人のキャリアを形成する上で、目標をどう達成するか、他人と競争するかみたいなノリなのだが、東北アジアだとまず両親、ご先祖様、一族のために、みたいなフィールが必ず浮上してくる。これは本当に東北アジアならではのものだなぁと思う。
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