映画「グリーンブック」をやっとこさ見た。

とても評判のよい映画「グリーンブック」をやっとこさ見た。アメリカでの人種のことがテーマになっているとのことで、またおっかないのかなと思いきや、老若男女が楽しめそうなファミリー系心温まる映画だったので感動した。
イタリア系(キャラ)はやはりよい。イタリア系の熱さが出てくるとウルウルっとするので映画的に美味しいと思う。
個人的にはインテリな黒人が奔放な白人をなだめていて、映画「最強のふたり」の白人富豪と黒人お手伝いさんをちょうど逆転させているようにも思えた。
実話で本人写真がエンドロールに出てくるところもちょっと似ていると思った。
まぁそれは似ていると言えば、言えなくもないかなぐらいの感想なのだが、これは絶対あの映画のオマージュだ!(といいな)というシーンが個人的にあった。
主人公の黒人ピアニストが、R&Bな南部の黒人酒場でなんとショパンの「木枯らしのエチュード」を弾くのだが、これはオイラの大好きな映画「クロスロード」のオマージュじゃないか!と思ったのである。
「クロスロード」の方では「ブルーズやりたいよ~」な白人のギター少年がロバート・ジョンソン関係者の黒人ブルーズハープ奏者とミシシッピへ向かい、ミシシッピでのブルーズ対決では敗れるのだが、パガニーニのカプリース5番を弾いて、スティーヴ・ヴァイを負かすという映画史上に残るへんてこりんなシーンが展開する。
つまり「グリーンブック」においてはレニングラードに留学した西欧バックボーンの黒人ピアニストが南部の酒場でショパンを弾き、「クロスロード」においてはブルーズギターに憧れるクラシックギター少年がミシシッピでパガニーニを弾く、という対称なのである。
さらに言うと木枯らしのエチュードもカプリースの5番も同じAマイナーという調性なのだ。
検討違いかもしれないが、「グリーンブック」の監督は「クロスロード」は多分観てるんじゃないかなぁと思いにんまりした。
ピアニストが活躍する映画なのだが、全体にピアノの演奏録音は一貫してショボイ。それがまたリアリティというか、映画全体のバランスとしてはそのぐらいのバランスがいい、というところのサウンドでとても心地よかった。

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