ヒマラヤ映画「秘境をぶっ飛ばせ!」すばらしかった。

アジアンドキュメンタリーズをちょこちょこ観ている。⑤

アジアンドキュメンタリーズの『秘境をぶっ飛ばせ!』すばらしかった。アジアンドキュメンタリーズではこのチベットとインドの国境付近のヒマラヤやラダックの辺りを題材とした作品がけっこうあるのだが、これはまた一味違う作品である。
標高3000mとか4000mの山間部に住んでいる人達の村に、乗客をのせて行ったり、物資を運んだりするトラック運転手の話しである。
メインはそのトラックが道を走る風景。
道路というよりは、山の斜面をトラックが走れる幅だけ平面にして道をつくっているという感じで、崖というより斜面にちょっと溝があってそこをトラックが走っているというすさまじい風景である。
この作品では、どうやって撮影しているのかわからないが、このトラックが走る風景をドローン?で上から撮っており、それを観ているだけでも爽快である。
爽快なだけではなく、上からビシバシ岩が落っこってきたり、道が凍っていたりなど「見るだけならいいけど絶対にこのトラックには乗りたくない」というシーンのオンパレード。
その山間部とは違ういかにもインドらしいゴチャゴチャとしたマーケットのあるパンジャブ州のチャンディーガルという街のエピソードも興味深かった。
マーケットには山ほどの食料品が集まってきて、それを運搬するトラックの運転手もとても人気のある商売で、たくさんのトラック運転手がいて競いあっている。そこでその競争を公平にするために、トラックの組合が、この荷物は誰々、と言った感じで、決めていくのだ。
そのように競争してやっと運搬の仕事をGETするのだが、上記の断崖絶壁への仕事は危険過ぎるので、給料は倍近いのだがほとんどやりたいと思う運転手はいない。
その断崖絶壁への仕事を専門的に引き受ける数少ない運転手がこの映画に出てくるのである。
もともと山間部の人たちは、山奥過ぎてまったく地上との接点がなかったのだが、山に道ができたことで地上の方で仕事ができたり、電気が通ったりとだんだん生活が発展していく様子もこの映画では描かれている。
その山間の村の人達のために危険なドライヴをし続ける凄腕運転手の姿は感動的だ。

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