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д23 突っ走る

家を変わる旨を家主に伝えた後、法的に有効な書類を作成しました。

法的に有効なメールアドレスを購入し、いざ送信となった昨夜。
結局送らず、今日に持ち越しました。

怖気付いたのです。

今の条件より良い物件で、今より値段の低い家は普通に探しても見つからないことがよく分かっているからです。そして、少し前に持ち上がった安値の条件付き物件は正直言って今現在あまり乗り気になれません。

そんな中、いつものように郊外のレストランに昼食に出かけた今日。

森の中にあるそのレストランの周囲には、ようやく遅めのクリがちらほらと実り始めていました。
お店の主人が言うにはまさに今日、ようやく栗の実が落ち始めたのだとか。

落ち葉の積もった栗の木の下で一つ、二つ、拾い始めたら
視線を上げた先にはまるでヘンゼルとグレーテルのクッキーみたいに、幾つも幾つも、艶々の栗の実がどんどん現れ始めます

30秒でポケットは一杯になり、10分もしないうちにリュックが満杯になりました

その間、私の中は豊かさの何たるかで満ち満ちた状態でした

そして帰り道
森の中を走る道路を1匹のネズミが横切ったのでした

「かわいい」
と思った瞬間「危ない」という言葉がよぎりました

バイクを運転していた彼は思わずスピードを緩め、ほとんど道を渡り終えていたネズミは一瞬こちらを見て立ち止まり

後戻りをしたのです

タイヤの前輪は免れたものの、後輪の上に座っていた私ははっきりと彼が砕け散る瞬間を感じました

少し前に私はある事を望みました

「お願いだから、明らかにわかるサインを送ってほしい」
何となく、とか ひょっとしてこう言うこと?なんていう繊細なサインはいらない。いやでもはっきり分かるものが欲しい。と願ったのです。

その後、あからさまに大きな「Δ」のマークが後ろにも横にもついたトラックが(果てには振り返って見た前部にも二つの大きなΔマーク)一度ならず、二度、渋滞で動けなくなった状態で目の前に現れたりするなど

明らかなサインが現れ始めたのでした。

今日あのまま突っ走っていたら、終わらずに済んだネズミの命

望んだ変化が本当に起こるのならば、絶対に取らなくてはいけないプロセスを怖気付いて躊躇している私

感じている心の揺れを、恐れではなく変化への期待として見れるポジションに立つ時が来たようです。


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