【書評】GAFA四騎士が創り変えた世界
人生初のnote投稿です。きっかけは、会社の上司から言われた一言。
「インプットだけでやってても力付かないよ」
自己開示に消極的な私は、SNSも全て”見る専”として活用するのみだった。故にアウトプットは正直大の苦手分野である。
とは言ったものの、いつまでも逃げてばっかりいてもしょうがない。『発信者』としての第一歩を踏み出すために、思い切ってnoteの投稿を決意した。
さて、今回のお題は書評。読んだ本はこちら。
【本書の概要】
世界を席巻する4大IT企業「Google、Apple、Facebook、Amazon」(通称GAFA)を題材にした書籍。
全10章からなる本書の構成は、大きく分けると3パートに分類できる。
①各社別の詳細 → ②全社の共通項 → ③今後の予想される世界
序盤では、四騎士それぞれの現状やそこに至るまでのバックボーンについて各社ごとに詳細が語られる。成功をもたらした要因だけでなく背後に隠された問題点にも言及されており、四騎士の「光と影」が明らかになる内容だ。
中盤では、各社の共通項をまとめた上で、四騎士がなぜこれだけ世界を支配するようになったのかについて改めて語られる。覇権を握っている分野こそ違えど、四騎士には多くの共通点があることが明らかになる。
そして終盤の題材は、今後の未来についてだ。GAFAの次に出てくる「第5の騎士」になりそうな企業の候補をあげた上で、我々が今後の世界をどのように生きていくべきかについて述べられている。
【四騎士の光と影】
<Google>
全知全能で無慈悲な神/インターネット会の領主
筆者が述べるように、googleはどんな質問にも答えてくれる「情報の神」である。そして同時に、世界の広告事業を全て牛耳る悪魔にもなろうとしている。他社メディアはもはやgoogleに情報を載せないと、アクセスを稼ぐことができなりつつある。それは、本来自社で稼ぐことのできる広告費をGoogleに受け渡しているのに等しい。
また、Googleは誰よりも消費者のことを良く知っている。GUCCIの財布を「恋人への誕生日プレゼントを探している人」にだけに絞ってPRすることだって容易だ。過去のメディアよりも遥かに効果的な広告アプローチができるゆえに、広告収益の独占が進む可能性も高い。
<Apple>
テクノロジー企業ではなく高級ブランド
iphoneのスマホ市場シェアは、台数的には14.5%だが、利益は79%を独占している。恐ろしく利益率の高い商売をしていると言える。
私も10年来のiphoneのユーザーだが、正直iphoneは高いし、Androidに比べて特段機能が優れている訳ではない。それでも何世代にも渡って購入し続けてしまうのは、iphoneファンだからと言えるのかもしれない(単に、操作に慣れた機種を使いたいという惰性もあるが)
Appleは、四騎士の中で唯一目に見えるモノを販売している会社で、高級ブランドとしての地位を既に確率していると筆者は述べる。ブランドの価値はそう簡単に落ちるものではないため、Appleは四騎士で一番長生きする可能性もある。
<Facebook>
規模とターゲッティング能力を併せ持つ唯一のメディア
2020年現在、Facebookの会員数は全世界で26億人と言われており、単純計算すると3人に1人以上が活用しているメディアだ。加えてInstagramまで傘下に置き、もはやSNS会の覇者と言える存在だろう。Googleと並び、世界の広告事業の覇権を握っている。
FacebookやInstagramを通して、我々は大量の個人情報をばら撒き続けている。しかも、SNS上の投稿は趣味思考が大きく反映されるため、パーソナリティデータの取得という観点においては、Google以上のメディアと言える。一方でプライバシーを侵害し個人情報を乱用しているという問題点も含んでいる。
また、Google社にも共通することだが、メディアではなくプラットフォームだというスタンスを維持している。つまり、「投稿内容や転載した記事の真偽については責任を追わない。ユーザー側で判断しなさい」という訳だ。世界最大の情報収集サイトでありながら、真実の追及や監視を行う機能は一切ないと言える。
<Amazon>
必要なもの全てをAmazonが提供できる
Amazonはもはや単なる「Eコマースの王者」ではない。倉庫・船・飛行機を自前で用意し、運送業へと進出している傍で、Amazon Goを立ち上げリアル店舗での運営初めている。また、ロボティックスの技術を活用し、アレクサーやAWAなどのサービスも展開。さらにはAmazonPrimeサービスを通じて、映画や音楽・読書などの様々な娯楽まで提供するのだ。今や、Amazonで購入できないものは何一つないと言えるほどの規模にまで成長している。
我々の生活になくてはならないサービスになったAmazonだが、倉庫では劣悪な環境下のもと最低賃金を下回る給与で働いている人が大勢いる。また、このままAmazonのシェアが拡大すればするほど、小売業を中心に大量の失業者が出ることは間違いない。資本主義による淘汰が進んだ結果といえばそれまでなのだが、少なくともAmazonによって世の中の格差が広がる可能性は高い。
【GAFA以降の世界で生き残るために必要なこと】
筆者は、これから個人が成功するために必要な要素を複数述べているが、大きく分けると下記の3つに分けることができる。
◼︎どんな状況下でもモチベーションをコントロールする、セルフマネジメント力を身に付けること。
◼︎好奇心を持ち、新しいサービスや価値観を受け入れること。そのために地方から都市に出ること。
◼︎好きなことではなく、得意なことでキャリアを築くこと。自らの強みや特技を評価してくれる会社で働くこと。
【本書を通じての学び】
大きく分けて3つある。
<①圧倒的な顧客満足は、悪評をも覆い尽くす>
上述の通り、GAFAの各社が莫大な利益を生み出す中で、犠牲になっているものもある。GoogleやFacebookは個人情報を乱用し、また間違った情報も急速に拡散してしまうというリスクもある。スティーブ・ジョブスは従業員に罵詈雑言を浴びせたり、人種差別を行なったりしていたという事実が明らかになっている。Amazonは大量の人材を劣悪な環境で働かせ、世の中の多くの雇用を破壊する可能性もある。
しかし、我々消費者はGAFAを神のように崇め、何の疑いもなく日々各社のサービスを活用している。それは、各社が提供するサービスが我々に圧倒的なメリットをもたらしており、多大なる恩恵を受けているからではないだろうか。
正直人間の多くは自己中心的な一面を持ち合わせており、例え他者の犠牲の上で成り立っていたとしても、便利なものであれば進んで使用するのは当然のことであると思う
(もちろんそうでもない人もいるし、自己を犠牲にしてでも他社を配慮できる人のことを心から尊敬している)
ビジネスマンとして、やはり圧倒的な顧客満足・ファン獲得は目指すべきゴールである。
<②優れたビジョンを持つべき>
GAFAはユーザーだけではなく、投資家からも好感度が高い。筆者はその理由に「ビジョンの素晴らしさと、ストーリーテリング上手さ」をあげている。
例えば、Googleであれば「世界中の情報を整理する」というビジョンを掲げているが、そんな世の中が実現できたら良いなと思ってしまうし、魅力的だと言わざるを得ない。「富裕層は経済的メリットではなくビジョンで動く」という言葉があるが、GAFAのビジョンに共感して多額の出資をしている投資家も多いのだろう。
素晴らしいビジョンを持ち合わせること、そしてビジョンを魅力的に発信することは、個人としても非常に重要だと感じた。
<③自己と世界を正しく認知すること>
著者も述べているように、稼ぎを増やしたければ得意な分野を攻めることが非常に重要であると私も考えている。また、「これから伸びていく業界」で働くことも同じくらい重要なことだろう。特技を活かして成長業界で働くことにより、最大のパフォーマンスを発揮できる。
私は自己認知があまり得意なタイプではない。ネガティブ思考をしがちな故、「自分は人より出来が悪い」「他人より秀でているものが見つからない」という疑心暗鬼な考えに陥りやすい。また、これまであまり本を読んでこなかったせいもあり、世の中に対する知識や経験が豊富な訳でもない。
今後のキャリア形成のためにも、改めて自己を見つめ直し、世界の動向についてしっかり学んでいくことを心に誓った。
【行動への転換】
◼︎自らをブランド化する。他人と接するときは「相手から見たときに、自分は良いイメージを持ってもらえいるか」を意識する。
◼︎将来どうなりたいか・成し遂げたいことは何かについて改めて考える場を設ける。そして上司や同僚に共有する。
◼︎社会人になってから自分が出来るようになったことを洗い出し、今後伸ばしていきたい自らの強みを明確にする。
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