《3/4》スキャンダラスな北欧プリンセス - テューラ・ア・ダンマーク【外交問題と結婚】
宮廷つき士官との子供を身ごもり、極秘の出産をしたデンマーク王女テューラ。
このスキャンダルは上手く隠し仰せたと見えて、彼女の元には 何も知らない多くの国の王族から結婚の申し込みがありました。
そんな中彼女が結婚相手に選んだのは、かねてより顔見知りだったハノーファー王太子のエルンスト・アウグスト。
しかしこれがまたあっさり結婚を許してもらえる相手ではなかったのです─。
結婚を阻む壁
まずハノーファーって何ぞやという話から。
現在はドイツの一部にあたる地名ですが、かつてこの地には「ハノーファー王国」というひとつの国家が存在していました。
しかし1866年、普墺戦争に負けたことによりプロイセン王国に併合されてしまいます。
テューラが13歳の時の出来事でした。
しかし元ハノーファー王家は プロイセンの支配を不服とし、権利の放棄を拒んでいました。
このプロイセンに反抗的な態度が、事態をややこしくするポイントだったのです。
⭕️結婚賛成派の意見
♛テューラ母(デンマーク王妃)
「良いんじゃない?
あちらは財産たんまりあるし、
そのうちハノーファー王家が復活する可能性もあるわ。そしたらテューラも王太子妃よ!」
(長女をイギリス、次女をロシアという大国に嫁がせることに成功した母は、テューラも何とか良い家系に嫁がせたいと考えていました)
♛テューラ姉(イギリス王太子妃)
「プロイセンに刃向かう姿勢がいいわね!
お相手の顔はXXだけど、応援するわよ!」
(姉は祖国デンマークからも領土を奪ったプロイセンが大嫌いでした。
またお相手のエルンストは、どの資料を見ても顔がよろしくないと書かれており 少々可哀想です)
❌結婚反対派の意見
🇩🇰デンマーク政府
「小国政府の我々としては、ハノーファー王家との結婚はプロイセン様を刺激するので好ましくないのですが…」
♔ヴィクトリア女王(イギリス女王、姉の姑)
「イギリス王太子妃の妹たる者、ハノーファーの人間と結婚なんて許しません!」
(長女がプロイセン王と結婚していた為、プロイセンに逆らうハノーファーを苦々しく思っていました)
◇
要するに反プロイセン派と親プロイセン派の争いですね。
さてどうなる2度目の恋?
続きます。
参考
トップ画像: Grand Ladies
・Wikipedia
《 ハノーファー王国 》
《 Arthur af Connaught 》
《 Louis-Napoléon Bonaparte (1856-1879) 》
A Family of Kings: The Descendants of Christian IX of Denmark
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