「おどるポンポコリン」ってすごくない?って話

タイトル通りの話なんですけれども、
「おどるポンポコリン」
ってすごくないですか?

まあ説明をしなくてもみなさんご存じの通りアニメ「ちびまる子ちゃん」のオープニングテーマ(一番最初は「ゆめいっぱい」がオープニング、「おどるポンポコリン」はエンディングテーマだった)で、長年本家のB.Bクィーンズをはじめ、色んな人のカバーで歌い継がれ、歌番組なんかでも当時の映像として流れることも少なくない。
「ちびまる子ちゃん」の歌と言えば?
と問われたら、100人中99人は
「おどるポンポコリン」
と答えるだろう、そのくらいにポピュラーな歌なんですよね。

うちの職場ではずっと平成ソングの有線が流れてて、
この「おどるポンポコリン」もかなりの頻度で耳にするんだけど、
いやまあ、そもそも自分「ちびまる子ちゃん」見てないんですよ。
ですけど、こう毎日のように流れていると自然と聞いちゃうんですよね。
で、日々聞いてる中で、ふと思ったわけです。

「おどるポンポコリン」ってすごくない?

と。

急にそんなこと言われても「何の話?」って感じになるだろうことは理解できますが、とりあえず一旦、一旦腰を落ち着けて聞いてほしい。

まず、国民的アニメ、と呼ばれるものっていくつかあります。
・サザエさん
・ドラえもん
・アンパンマン
辺りがそう呼ばれているだろうと思うんですが、
「ちびまる子ちゃん」
も、同じく“国民的アニメ”と呼ばれるコンテンツですよね。
じゃあこの名前を上げた作品、それぞれのオープニングテーマを思い出してみた時に、
ちびまる子ちゃん以外の三作品は、曲中に名前が入ってるんですよねちゃんと。

「お魚くわえたドラ猫 追っかけて 裸足でかけてく 陽気なサザエさん」

「アン アン アン とってもだいすきドラえもん」

「ああ アンパンマン やさしい君は」

とまあこんな調子で、歌詞中に言ってくれてるわけですよ、主人公の名前を。

さて、じゃあ「おどるポンポコリン」はどうか?

まっっっっっっっったく入ってない。

本当に全然、「まる子」の「ま」の字も入ってない。

名前の他にも、大体は作品を物語る歌詞があるだろう。
サザエさんは三番で「買い物しようと町まで出かけたら 財布を忘れて愉快なサザエさん」だし(どう考えても愉快じゃない)、
ドラえもんは「空を自由に飛びたいな」って言ったら「はい、タケコプター」って出してくれるし、
アンパンマンは「いけ!みんなの夢 まもるため」と圧倒的ヒーロー感(ただし友達は愛と勇気だけ)を見せ付けている。

はいそれじゃあ「おどるポンポコリン」を見てみましょう。

一行目から
「なんでもかんでもみんな おどりをおどっているよ」
と来た。

なんて?????

何で「なんでもかんでもみんな」のあとに「おどりをおどっているよ」って来る?
「なんでもかんでも」のあとに付ける言葉じゃないだろなんだ「なんだもかんでもみんな おどりをおどっているよ」って。
いやまあ、まだ冒頭だから見えてこないだけかもしれない。
次のフレーズにを見てみましょう。

「おナベの中から ボワッと インチキおじさん 登場」

なんて??????????

「おナベの中から」
わかる。
「ボワッと」
わかる。
「インチキおじさん登場」
わからない。

どうした?なんで?おナベの中から?
エスパー伊東さん的なこと?
いや「ボワッと」って言ってるしもしかしたらガチのマジシャンなのかもしれない。でも「インチキおじさん」って言っちゃってるしなぁ。マジシャンじゃなくて手品師なんだろうな……。

でもまあまだAメロですよ、そんなもんまだ冒頭の内です。
次Bメロ見てみましょう。

「いつだって わすれない エジソンは えらいひと」

そんなの常識~~~~~~~
\タッタタラリラ/

急にエジソンとか言い出すじゃん。
ちょっと賢さ見せ付けて来てるじゃん。
そうだよな、電話とか電球とか蓄音機とか生み出したエジソンは偉大だよな。
でも「そんなの常識」って言われてるぞ。

はいBメロはエジソンの話で終わっちゃった。
いや、いやほら本番はサビだから。
ね、一番印象を持たせて作品っぽさを出すのはいつだってサビからって決まってるんですよばあちゃんも言ってた。
じゃあサビ行ってみましょうね。

「ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ」

????

「ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ」

??????

「ピーヒャラ ピーヒャラ おへそがちらり」

ちゃんと服は着な?

「ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ」
「ピーヒャラ ピーヒャラ おどるポンポコリン」

ここでようやくタイトル回収。おめでとう。

「ピーヒャラ ピ おなかがへったよ」

ピーヒャラ言うのを諦めるな!!!!!!!!!!

ピまで言ったならあとヒャラって言うだけだろ!!!!
それだけの字数諦めるくらいお腹空いてたんか?!!!
飯はちゃんと食えよ!!!!!!!!!!!

とまあ一番が終わったワケですが二番から最後までもずっとこんな調子で絶妙に何言ってんだかわかんない歌詞なんですよね。
ちびまる子ちゃん要素どこよ????

すっごい不思議じゃないですか、でも驚く勿れ、
この歌の作詞を務めてらっしゃらるのがちびまる子ちゃんの原作者「さくらももこ先生」でございます。
ならもう「どこにちびまる子ちゃんの要素があるのか」なんて疑問、すっかりスッキリ解決しちゃうわけですよ。
原作者であるさくらももこ先生がこの一見わけの分からない歌詞を書いてらっしゃるんだから、
ならもう、それが「ちびまる子ちゃんの要素」ってことなんだろうな、と。
訳の分からないハチャメチャでありながら、歌の途中で「おなかがへったよ」って言ってしまうマイペースさ。
それこそが「ちびまる子ちゃん」の世界なんでしょう。

そしてまたこれ、曲もキャッチ―で耳に残りやすい。
それもそのはず作曲はあの「織田哲郎」さんです。
織田哲郎さんと言えば何って言われるとそりゃアンタ、あれもそれもこれもだよっていくつ曲名言えばいいんだなんてくらいヒットを生み出してらっしゃるすごい方ですよ。
ZARDの「負けないで」とか「揺れる想い」とかTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」も相川七瀬さんの「夢見る少女じゃいられない」もそうだしKinKi Kidsの「ボクの背中には羽根がある」「Anniversary」とかも上戸彩さんの「愛のために。」もAKB48の「走れペンギン」月島きらりの「恋☆カナ」もWANDSの「世界が終わるまでは」だって「愛を語るより口づけをかわそう」だって織田哲郎さんが作曲してらっしゃるんですよ分かりますかエジソンくらい偉大ですよ!!!!!!「愛を語るより口づけを交わそう」大好きなんだよマジで!!!!!!!!!!!!!

そんなね偉大な方が作曲を担当されている訳なんですけれども、
すごい親しみやすさがある音楽ですよね。
友達とか身内とかが集まった時のガヤガヤ感があるイントロもそうだし、何よりみんなが口ずさめるメロディー。
音域はそんなに広くないし、めちゃくちゃ音の跳躍があるワケでもない。
一番終わりの気の抜けるリコーダーの音とかめちゃくちゃ絶妙で良くない? そう言うことだよ。

と長々と綴ってしまいましたが最終的にめちゃくちゃ良いの一言に尽きる。
そりゃ……こんなに長年歌い続けられて愛されて、歌詞に「ちびまる子ちゃん」って入ってなくてもこれを聞けば「ちびまる子ちゃんの歌だな」って定着する曲になりますわ……。
難しいことなんて一つも言ってない、難しいメロディーやリズムでもない。
やっぱりこういう曲がお茶の間に流れると気分が上がるよねって話でした。

そんな自分が最近気に入って聞いているのはOfficial髭男dismです。髭男はいいぞ。