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私的サザエさんシンドローム

毎週日曜日18時30分。
気球に乗ったあの特徴的な女性の元気な声でその番組は始まる。彼女の年齢は24歳らしい。

サザエさんシンドロームとは日曜の夕方、サザエさんを見ると明日からまた1週間仕事や学校が始まる、、と暗い気持ちになる症候群のことだ。

悪戯したカツオが波平パパに『バカモーン!)』と怒られたり、そそっかしいサザエさんがカツオにからかわれたり、イクラちゃんがハーイ、バーブーと遊びに来たり、勝手口から『ちわーす、三河屋でーす!』とサブちゃんが来たり(今時御用聞きが勝手口から尋ねてくるお宅があるのだろうか)もはやサザエさんの世界観は時代錯誤だとか、教育方針がおかしいだとか批判的な意見を目にすることもあるが、私は結構好きだった。

サザエさんの家族構成が羨ましかったのだ。

兄弟のいなかった私はサザエさん、カツオ、ワカメの3人が羨ましかったのもあるが、家族が並んでご飯を食べていることも、食事しながら会話していることも、羨ましかった。

隣の芝生は青く見える。
家族が多いからと言って必ず仲が良いとも限らないし、一見仲が良さそうな家族もちょっとしたきっかけで絶縁することだってある。自分がサザエさんと同じ家族構成を作ったからと言ってテレビの中の光景が再現できるわけではない。

サザエさんは無理でも家族が欲しかった私は自分で叶えた。
今は配偶者と子供1人の3人家族。

配偶者からは私1人では覗くことのない世界に連れて行ってもらったり、異なる考え方に触れたり。食事だったり、趣味だったり休日の過ごし方だったり些細なことではあるが、自分の世界も広がっていくようで一緒に居て嬉しい。

子供からは癒しを貰っている。保育園にお迎えへ行った時とき、嬉しそうに駆け寄ってくる姿。嬉しそうな顔。寝付きの悪い私がぐっすり眠れるのは子供のおかげだ。横に寝て顔を見たり、寄り添って寝ていると何だか落ち着いて眠れる。(普通逆じゃないか)何か癒しのホルモンでも出ているのだろうか。

1人で部屋の中に篭っていたら見えなかったこと、出来なかったこと。
1人だったらできたことを引き換えにしているのかもしれない。
ただ、この道を選んでよかった。

たまに見失って傷つけてしまうことがある。失ってからでは遅い。
寄りかかるだけでなく、私も自立して支えながら家族というものを作って行けたらいい。

いつも本当にありがとう。

家族に何よりも感謝。




企画参加作品です。



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