2___過去を認めてる途中。
前回の続きから。
去年の8月末、長女は学校で過呼吸になった。確かわたしはショッピングモールに居て、学校からの着信になんぞや?と思いながら出ると、担任の先生からだった。
その日わたしは仕事が休みで、朝から娘と口論になった憂さ晴らしで出掛けたので、担任から電話が来て内容が娘の不調でもイライラしていた。
先生が長女に何かあった?と尋ねると、朝から母親と喧嘩をした、弟と差別的な態度をされている、自分だけ家事を手伝わされる、家事を手伝っても認めてもらえない、との事だったと。
わたしはまず、過呼吸と聞いて「それは本当に過呼吸だったのか?」と疑った。先生方が大袈裟なんじゃないかと。長女の性格、普段の反抗的な発言や態度からして「は?w」という感じだったからだ。そんなに繊細な子じゃない、どんなに叱っても真剣な話をしても3秒したらおちゃらける子だったし、9割ああ言えばこう言う状態でわたしは心労でしかないと思っていたから。
また、夜なかなか眠れない、朝なかなか起きれないとも話していたと。わたしは先生にこんな風に言った。
「そりゃそうですよ、夜遅くまで起きてたら朝起きれないですよ。わたしが疲れて先に寝ると深夜までスマホ触ってますから。それも散々言い聞かせて、わたしが寝落ちしてない日はスマホを定時で回収してるんですが、それでも時間を守れずに嫌々0時過ぎに持って来ますし。」
と。
過呼吸という症状が事実であっても、結局は睡眠時間だったり規則正しい生活を見直すのが先だという事、女の子は生理前後ただでさえ不調だからそれも重なったのかもしれないという事を話した記憶がある。
正直この時のわたしは「何言ってんだよまったく」と、長女に対しても先生に対しても迷惑くらいの気持ちだった。
わたしは毎日ちゃんと仕事もして食事も与えて、中学生になったから望み通りスマホも与えて購入前にルールも作ったのに、、
てか何?家事を手伝わされてる?夕飯前にテーブル拭いて箸並べておかず運んで〜程度の事。他はゴミ出しをたまーーに頼んだり(長男がほとんどやってくれていた)、そのくらいじゃん!
何もわたしは洗濯物干してご飯作って皿洗えなんていう自分の家事を投げてる訳ではないのに!と、やはりこの点についても大袈裟なだけじゃんwとイラついた。
(んー、素直に書き出すと本当に酷いな。
自分がこう思ってるこうしてやったこう言ったのにってそればっかりだな。)
娘とはそのあと電話で少し話したんだと思う。きっとわたしは「大丈夫なら大丈夫ね?」と言った感じで心配はあまりしなかったと思う。
もうイライラして腑に落ちなくて、朝も嫌な思いさせられたのに夕方になってもかよ!と悶々としていると、バイト先の前店長から飲みに誘われた。現店長も来るし、他の社員も居るから来ない?と。即答で行くと答えた。
一旦帰宅して惣菜や弁当を置いて、急いでまた家を出てわたしは飲みに行ったのだ。
ちなみにわたしは普段家では飲酒しないし、外に飲みに出掛けるのは年に数回。だからこそ、そして朝からストレスフルだった今日だからこそ!わたしはチャンスとばかりに飛び出して行ったのだ。
え、、長女が初めて過呼吸になった日だよね?
そう、去年の夏、わたしは自分の感情でいっぱいいっぱいで思いやりの欠けた母親だった、
どうせ長女はすぐにケロッと忘れてしまう。そんな風に軽く思っていた。
軽く捉えていたのはわたしの方だったんだ。
その後、学校で担任と副担任と面談した。
この段階でのわたしの方針は、規則正しい生活の強化だった。朝自分で起きれないから起きるようになりなさい、そのために夜はもっと早く寝る事、スマホは絶対回収・自分から持って来なさい、こんな感じだった。
ある日ふと見えてしまった。
リストカットの跡、、??
わたしはハッとした。
あぁ。どうして気付かなかったんだろう。
そういえば最近エアコンが寒いといつも長袖を着ていたじゃないか。あぁ、そういうことか、、。
わたしの同い年の従姉妹は鬱患者で、左腕一本リスカ痕がある。二の腕は手術痕のようなケロイドで、夏でも長袖を着ている。半袖の彼女の記憶は子供時代が最後な気がする。
わたしはずっとこの子と生きて来たと思ってる。10代からいつも長袖を着てるこの子の味方をして来たわたしは、自分の娘が夏に家で長袖を着ていて不思議に思わなかったのだ。
自分に落胆した。突然、床がドッキリみたいに割れて抜け落ちたような感覚。夢でも冗談でもなくこれは現実、、いつも叱ってもケロッと3秒でけらけら笑うあの長女が、扉1枚挟んだ向こうの部屋で自傷行為をしていたんだ、、。
気付いてもわたしはすぐに聞けなかった。これはタイミングを図るべきだろう、と。従姉妹以外にも身近で自傷行為をしていた人が何人も居たので、その行為を止めろと言ったり刃物を取り上げたりするつもりはさらさらなかった。それにしてもいざ我が子となると、それはそれでどういうタイミングで、、何をどうしたらいいのか、、真っ白な景色しか目の前になかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?