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20240502 リスキリングは経営課題 小林祐児


社会情緒的スキル

広さ、特定領域の専門性の高さ、うまくやるの3つがある
日本企業がこれまでも、そしてこれからも重視し続けるのは、この「うまくやるスキル」だからです。「社会情緒的スキル」

学んだもの勝ちでも、学ばせない

何もやっていない人の割合は、世界平均で18%、日本は53%
→日本の労働市場は、学ばないのが当たり前なので、「学んだもの勝ち」

日本人の受け身な態度ではなくて、「中途半端さ」

日本は中動態的である(能動体的でも、受動態的でもなく)
変化し続ける環境と企業の人材マネジメントとの相性の悪さからであり、中動態的であること、そのものではありません

中堅を超えミドル世代くらいになると、能動的であった企業は与えるものがなくなっていきます(急に社員に求めるようになる。社員個人に責任転嫁する構造)
こうして働かないおじさんができる

学び直し意識へ逆向きの要素:
①:仕事は運次第と思うこと-0.337
②:地頭重視(知能は今後の努力で高まらない)-0.141
③:ほどほどキャリア(ぬるま湯)-0.043

変化抑制意識:組織の中で業務上の変化を起こすことを負荷=コストと捉えてしまい、自発的な変化を起こすことを避けようとする意識
「変化コスト予期」と言い換えられる

職務を超えた横のつながりは、全体最適を図るのには適していた。
しかし、個人発の「思い切った変化」に対してはマイナスである

上司の探索行動

を部下が認識していること(一般的なリスキリングとデジタル・リスキリングの両方に好影響を及ぼす)
校長のデジタル力量がコロナ化でのデジタル化に影響、社長のデジタル力量も同様になる

男子育休に関して、「自社でどれだけ多くの人が男子育休にポジティブな意見を持っているか」を可視化して伝えることで、育休取得を推進できる可能性が見えてきます

目標管理制度が上手くいくかどうかは、社員の制度そのものへの見方、「暗黙の評価感」が多大に影響している
社員の評価観を変えるためには、まずはストレートに、「何のために目標管理を行っているのか」「人事評価の狙いは何か」をメンバーへ伝える機会を持つことが必要になります

最初に部下が目標を書いて、それを上司がチェック修正する順番とするなら、「部下側」に伝えることは重要

日本人は自発的に声をかけることが少ないので、場という「関係性のハコ」を誰かが用意する必要があります→場づくり大事

すでに、他社への相互出向という形で越境的学習の機会を設けている中小企業もあります

今の若者にとって、「組織に囲われる」という感覚は極めてネガティブなものです
受け皿だけを作って「お好きなようにどうぞ」では、ほとんどの従業員はピクリとも動きません

マッチング発想の錯誤にならず、ラーニング発想になるように
ジョブマッチングは、存在するが、問題は、ほとんどの企業でそれが全く機能していないこと

テレワークによって起こるのは「社内の他人化」だった
多くの人はそもそも、学ばないことを「問題」だと感じていないこと

変化報酬:予期された負荷=コストを打ち消す
報酬としては、ポスト、金銭、経験

3つの学びの

アンラーニング

アンラーニング→捨てる学びというよりは、「学びほぐし」
より現状に合った考え方に変える、より包括的な概念で考えるという意味に近い
「過去のビジネスのやり方を捨てられない」

研修トレーニングがアンラーニングのきっかけ10%である
→提供すべき
きっかけ:修羅場、越境的学習、新規企画・事業(新しい機械)

半端な高評価は、社員にアンラーニングしなくても良いという心理を与え続けている

ソーシャルラーニング

人を巻き込む
他者にどれくらいアクセスできるか、どのようにアクセスできるかという点で、その人が持っている信頼のネットワークである「社会関係資本」がスキルや能力の成長にも直結してくる
→アタッチメント理論の社会版かな?

真似し合い、教え合い、創り合い、高め合い

やる気は外からやってくる
肥満が伝染するように、学習・学びに対する姿勢も伝染する

ろうそく型=やる気に火をつける、内発動機付けへの傾き(傾倒)は、社会の重視している「個」や「自分らしさ」を反映

炭火型=外から手練手管を変えて、やる気を起こさせる
空気の送り方、炭の組方など、関係的・環境的なデザインを考えることが重要です
音楽に溢れる家庭からは、音楽家が
書籍に溢れる家庭からは、読書家が育つ

ラーニングブリッジ

:社会ネットワークでつながる知

営業部隊は地上戦、企画部隊は空中戦(ランチェスターだ)
それをつなぐこと
一次的橋渡しは得意だが、社外のネットワークにつながる二次的橋渡しは苦手

最も治安が良く、最も他人を信頼しない国、日本


著者は、「調査」を軸にしつつも、およそ関係ない複数の領域を渡り歩くタイプのリスキリングを繰り返してきました

#リスキリングは経営課題
#小林祐児

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